「人生、ホルン、そして全て」その2 ピップ・イーストップ著 バジル・クリッツァー訳

 ☆ロンドンのホルン奏者、ピップ・イーストップ氏のエッセイです。
原文→http://eastop.net/?p=275
(1995年発表)

 現代音楽をたくさん演奏していると、けっこうイカれた音を要求されることがある。たとえば、ロスタコフの曲で、ラウールと私が両方ともゲシュットプで、しかも重音で5度を、しかもそれぞれ別の5度を、しかもちょっとずれたタイミングで奏する、とうものがあった。チャレンジしてみて楽しかったが、頭骨内のキツい振動と喉での乱流現象を耐えて頑張るだけの価値があったかを判断するのは難しい。こも乱流現象は、声の振動と楽器の音の振動との間で起こる干渉パターンによって引き起こされ、頭の中をひっかき回す。しかしながら、同僚が大笑いしていたところをみると、なんらかの感情的ニュアンスが伝わったようだし、現代音楽ともいえどもそれは音楽の意義ではある。これに関して、二つ気になる事がある。

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「人生、ホルン、そして全て」その1 ピップ・イーストップ著 バジル・クリッツァー訳

☆ロンドンのホルン奏者、ピップ・イーストップ氏のエッセイです。
原文→http://eastop.net/?p=275
(1995年発表)

 リハーサルは退屈だなんていう人はいないだろうか?先日、数小節の休みの間に、すごいことを発見した。指で右側の鼻孔を塞ぎ、左側の鼻孔にマウスピースを持ってきて、思いっきり吸い込むと、音がするのだ。魔法みたいに、ベルから音が鳴っているような音があうる。同僚たちには、伝統的なやりかたでホルン演奏をしているときより、良い音が鳴っていると言われた。

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「自分で自分を教える」その5 ピップ・イーストップ著 バジル・クリッツァー訳

☆ロンドンのホルン奏者、ピップ・イーストップ氏の論文です。
原文→http://eastop.net/?p=485

 この章では主に技術に関して取り上げてきて、ホルン演奏が非常に技術的に高度なものを要求されることだとも述べた。これは事実だが一方で、バランスを取るためにも、言及しなければならないことがある。それは、音楽的な経験をしたいと望んで聴きに来た聴衆の視点に立てば、ホルン演奏の内部事情などちっとも興味がない、ということだ。当然、演奏には優れた技術が必要とされる。しかし、技術のことを強調するときにある危険のひとつは、「音楽性」と形容される、音楽に対する「感覚」を育む事が無視されることだ。また、スタイルやフレージングといった側面も無視される危険がある。音楽とは、他の言語と同様、自分自身を没頭させ、それに対して愛を育むことによってのみ学ぶ事ができる言語なのである。

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「自分で自分を教える」その4 ピップ・イーストップ著 バジル・クリッツァー訳

☆ロンドンのホルン奏者、ピップ・イーストップ氏の論文です。
原文→http://eastop.net/?p=485

音楽的フレーズに関しては、実際に聴こえてる事よりは音楽的な意図を聴くいう傾向がある。これは、驚くような事ではない。もし仮に、初心者が想像力を働かせる事なく、自らの音をを客観的にのみ聴いていたとすると、すぐやめてしまうだろう(ちなみに、だからこそ楽器は幼少のうちから始めるのが良いとされているのかもしれないー想像力がまだ信頼のおけるものだからだ)。ただし、教師への依存から脱却するには、生徒は、客観的に聴く能力を磨いていく必要がある

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「自分で自分を教える」その3 ピップ・イーストップ著 バジル・クリッツァー訳

☆ロンドンのホルン奏者、ピップ・イーストップ氏の論文です。
原文→http://eastop.net/?p=485

私が生徒とと繊細な問題を調べていくとき、わたしは生徒に、「解決策を見つけるために、自ら分析し、分析に続いて実験をする」というプロセスにできる限り関わってもらうようにしている。まず最初のステップは、問題を「見て」「聞いて」「感じる」もらうことだ。これは意外と難しいことがある。つまり、「見る」「聞く」「感じる」そのやり方に、根強い習慣があるときもあり、自己欺瞞にすらなっていることもある。録音で自分の声を聴いたとき、びっくりしなかっただろうか?歩く、話す、あるいは楽器を演奏するといった複雑な行為を実行しながら自分で観察していることは、後で客観的に振り返って観察することは、かなり異なることがあるのだ。それなら、自身の演奏のビデオや録音を使うことが解決策になりそうなものだが、時折役に立つことはあっても、普通は頼ることはできない。貴重な練習時間を割くことになるだけでなく、ホルン演奏において最も重要なスキルのひとつである、リアルタイムで正確な自己観察をするという技術を育てないからだ。当然、きめこまかく設定された自分自身の感覚を用いて、ホルンを演奏している最中に、音を精確に聴き取ることを学んだほうが良いに決まっている。この技術の会得は、苦痛を伴うプロセスであることもある。真実はときに痛い思いをさせるからだ。

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「自分で自分を教える」その2 ピップ・イーストップ著 バジル・クリッツァー訳

☆ロンドンのホルン奏者、ピップ・イーストップ氏の論文です。
原文→http://eastop.net/?p=485

ホルンの演奏は、技術的側面がとても濃密にある。それは、音がグロテスクな騒音ではなく、音楽的な楽音として認識されるようになるだけでも、多くの技術的な取り組みを要する、という意味だ。苦労してそういう能力を身に付けたら、全体的に機能する演奏技術を構成する別個の様々なスキルは、可能な限り安定して信頼の置けるような状態に維持される必要がある。将来の、演奏技術の破綻の可能性・演奏時の大失敗の可能性を最小限にし、演奏を全体としては最高の状態に保つためである。例えば、ピアノのように音を出す事は鍵盤とハンマーの仕組みがやってくれるような楽器とは対照的に、ホルン演奏では、ほとんどの人にとっては「自然」にはできないような、唇と息を使ったやり方で、全ての音をひとつひとつ出すことを要求される。事実、ホルンの場合は楽器はほとんど助けてくれない。ホルンから音楽を導きだすことができる人は、水撒きホースやティーポットを使っても似たようなことができる。排水管と似たようなものであるホルンは、奏者が美しい音を奏でることを補助する「可能性」を持った、共鳴装置として機能するのだ。これは全ての金管楽器や吹奏楽器に当てはまる。

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「自分で自分を教える」その1 ピップ・イーストップ著 バジル・クリッツァー訳

☆ロンドンのホルン奏者、ピップ・イーストップ氏の論文です。
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「自分で自分を教える」ことを教える

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「呼吸の出入りの、ちょっとした話」 その6 ピップ・イーストップ著 バジル・クリッツァー訳

☆ロンドンのホルン奏者、ピップ・イーストップ氏の論文です。
原文→http://eastop.net/?p=476

呼吸について、もっとシンプルに考えてみると

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「呼吸の出入りの、ちょっとした話」 その5 ピップ・イーストップ著 バジル・クリッツァー訳

☆ロンドンのホルン奏者、ピップ・イーストップ氏の論文です。
原文→http://eastop.net/?p=476

肋骨・胸郭の柔軟性・伸縮性

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「呼吸の出入りの、ちょっとした話」 その4 ピップ・イーストップ著 バジル・クリッツァー訳

☆ロンドンのホルン奏者、ピップ・イーストップ氏の論文です。
原文→http://eastop.net/?p=476

横隔膜と腹筋群のあいだの相互作用

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