【吹奏楽デモクラシー『日本吹奏楽のこれまで・これから』対談・都賀城太郎】

【吹奏楽デモクラシーvol.14】

〜藤村女子中学高校吹奏楽部顧問の都賀城太郎先生と対談〜

今巻は、本『吹奏楽デモクラシー』シリーズの集大成ともいえるものである。

それはひとえに、現・藤村女子中学高校吹奏楽部顧問で、春日部共栄高校吹奏楽部顧問時代の実績で日本吹奏楽界においてよく知られている都賀城太郎先生と対談する幸運に恵まれた事に拠る。

都賀先生は、この吹奏楽デモクラシーにおいては日本吹奏楽界の欠点・問題点として指摘した事柄のまさにことごとく『逆』を実践して、それ故なのか・それにも関わらずなのかは解釈次第ではあるが、考えうる限り最高レベルの結果を出して来られた。

具体的には、

・長時間練習より効率のよい短時間練習
・何も考えずに盲目的に練習するより自ら考え試して練習
・勉強や学校生活を犠牲にして部活をするのではなく、勉強や学校生活をこそ優先しながら部活
・コンクールの勝敗より自発的で創造的な表現
・コンクールの勝敗よりリスナーの涵養

といったものだ。

そして、大学院で日本吹奏楽の歴史を学究的に研究して来られていること。根拠や証拠を以て日本吹奏楽界の問題点と今後の進むべき道を提示されている。

この研究成果についてはその要約を今巻に掲載することを寛大にもお許し頂いた。

更には、少子化やコロナ禍における吹奏楽部活動の避けられない変化の中で、吹奏楽部活動の魅力や醍醐味を一切損なわず、むしろ増大するであろう『創造アート』のフォーマットを導入され始めていること。

この話を伺ったとき、わたしは競技的で勝敗優劣にばかりフォーカスさせられていったわたし自身の中高時代のことを自覚し一抹の悲しみを感じた。しかしそれ以上に、吹奏楽部に入り、音楽をやりたかった・やっていた自分自身の気持ちに気づき肯定することができた想いである。

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