結論

車を運転する時、運転に集中する。つまり、運転しながら目の前の道路を向こうまで見て適切な対応を続ける、ということだ。そのやり方は、初めは学習して獲得したものだ。その対応は今では準自動的になっていることだろう。ギアを変えたり、ハンドブレーキをかけたりすることは分かってやっていることには変わりないが、意識的に手をグリップの方に持っていってどちらに動かすかなどと考えなくてもよくなっているはずだ。

しかしながら、運転技術をもっと高度なものにまで発達させたければ、あえて自分のやり方を探求し見直して改善を図る必要があるかもしれない。またもし車のメンテナンスも自分でやる必要があるとすれば、いつかはエンジンの仕組みも理解せねばならなくなるだろう。仕組みを知らないままで周りに誰もいなければ、いつか困ったことになるかもしれない。

Continue reading

分散和音

ううう.jpg
前回と同じようなやり方でこのエクササイズにもアプローチする。今回は、スラーで下降するときに毎回なるべく顎を下ろすようにしてアンブシュアをリラックスするように努力しよう。そうすると、アンブシュアのアパチュアがオープンになり、音もオープンになって、息が音を運んでくれるようになる。「前もって聴きながら」息の流れを使って上昇スラーを支えてあげよう。

Continue reading

まずはスラー(その2)

ステップ5

息を入れて、スラーを演奏する。息が最少限の身体的努力で流れるようにしてあげつつ、最大限の音質の高さを目指す。アンブシュアや顔の筋肉にどのような感じがするか観察する。

Continue reading

健康にご注意!

これから紹介するエクササイズの目的は観察と最適化にある。教条主義的に一回の練習で長い時間をかえて全てのエクササイズを一つ一つ取り組んでしまうと、「分析神経症」にでもなってしまうかもしれない!
時間制限を設けよう。20分程度にしておいて、各ステップをあくまで比較手段として使い、自分自身の演奏を分析し向上させるための一助にして欲しい。このエクササイズは、練習の補完として使おう。
覚えておいて欲しい。「思っていることができること」なのだ。自分のやっていることに注意を集中してこそ、効果があるのだ。

ステップ1

Continue reading

プランCーその2

私たちの演奏技術は筋肉の使い方に依存しているから、次の点を考慮して欲しい。

1:どんな動きでも、一部の筋肉は発動(収縮)されてその動きの動力源になる必要がある。一部の筋肉はその動きを実行するのに必要な安定性を保つために発動される必要がある。そして一部の筋肉は動きを微調整や動きの実行中の修正のために発動される必要がある。

Continue reading

プランCーその1

楽器演奏を学ぶという事は、少なくとも技術的な観点から見れば、楽器を演奏するときに役立つ習慣を作り上げるということを意味する。何か新しい事を学ぶ時、私たちは「それ」をうまくいかせる方法を探るのだ。そうする中でうまくいく方法が見つかると(多くの場合、それは偶然見つかるのだが)、以後はそのやり方で「それ」をやる。そして練習を重ねてそのやり方を習慣化させるのだ。問題は、習慣には良いものと悪いものがあるということだ。悪い習慣を身につけている場合、それが一体何なのかを見出す必要がまず第一にある。それが何なのかが発見できたら、今度は新しい習慣を獲得する必要があり、望ましくは古い習慣を置き換える良い習慣であるとよい。このプロセスは「意識的」(合理的理由付け)である必要があり、それはそもそも悪い習慣を身につけるに至らせた原因が「本能的」(感覚)であるからだ。
「アレクサンダー・テクニーク」で知られる F.M.アレクサンダーは、元々は劇場朗読俳優というパフォーマーであった。そんなとき、「悪い」習慣のせいで彼は声が出なくなってしまった。これらの習慣を「正す」ために、やはり彼はまず最初に、そもそも声を出なくさせなくしてしまっている自分のやっていることは何であるかを発見する必要があった。次に彼は意識的に新しくより望ましい習慣を発達させることを自分に教える必要があった。「自分の使い方において、自分が望む変化を起こすことに成功できるとしたら、私は自分の新しい使い方を導くプロセスを新しい経験のために用いる必要がある。この新しい経験とは、感覚ではなく理由付けに基づいて自分を主導するというものだ」F.M.アレクサンダー著『自分の使い方』Gollancz,London,1985より)

このプロセスは、発見の旅であり、一歩踏み出せば決して終らないものだ。

Continue reading

プラン B

ゴルフをプレーする人はグリーンに向かう際、ホールへの距離と芝の目を観察する。その次に、ボールを叩く事無く一度試し振りする。実際にパットを打つ前にどのようにそのパットを実行するか、メンタルなイメージを作るのだ。このようなメンタルイメージの使い方は、楽器の演奏にも当てはまる。

メンタルイメージを使う方法は、個々の音程が、それぞれ自体においてそして他の音との関係においてどんな感じがするか、演奏者がメンタルな像を作り上げる学習プロセスを必要とする。つまり、演奏者は自分自身の音の「地図」を産み出すのである。このエクササイズは、それ自体が学習プロセスになっており、この学習プロセスは演奏者が自身の演奏を向上させようと試みる際に伴うものになる。像が明確になるにつれて演奏能力が「意識的」になり、結果的に自分自身の演奏への信頼が大きくなるのだ。理想的には、これが「プランA」と組み合わされるべきであり、そうすることで「心の耳で音を前もって聴く」ことと、身体的な動きを「観察する」ことが同時にできるようになるのである。

Continue reading