【音楽家として】

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新訳:Singing on the Wind です。前回はこちら

【音楽家として】

音楽の目的は何でしょうか?

音楽は、人間の感情を音を通じて表現したものです。「表現」そして「感情」という二つの言葉が鍵になります。

あるとき、大変な美声の持ち主の歌い手がいましたが、彼には何かが欠けていました。

ある日、彼のマネージャーが彼にこういいました。

「君、いちど恋でもしたらどうだい!」

そう言われたからというわけではありませんが、そのうち歌い手は実際にあるとても美しい女の子にすっかり惚れてしまいました。そして、そのことをマネージャーに伝えました。

するとマネージャーはこう言いました。

「よし、それはよかった。次は、ぜひ振られてしまうといい。そうすれば、君も自分がいったい何を歌っているのか理解出来るようにあんるだろう!」

当然、すべての音楽表現がこのようなドラマティックなことに関することであるわけでも、そうである必要があるわけでもありません。

しかし、音楽が「生きた」ものであるためには、あなたは音楽でなんらかの気持ちや感情を描くのが大切です。

なにかある作品を学習しているとき、その作品に込められている感情の中身について様々な問いをするとよいでしょう。

その音楽は、ハッピーなものでしょうか、それとも悲しいものでしょうか?

楽しげなものでしょうか、思慮深いものでしょうか?

どのような気持ちを、自分なら描きたいでしょうか?

もしはっきり分からないなら、まずハッピーに演奏し、次は悲しく演奏しましょう。実験してみたらよいのです。

「この音楽はハッピーなものか。悲しいものか?」という単純な問いにとどまらず、もっと深めていくことももちろんできます。

音楽を題材に、壮大な絵を思い描くことだってできるのです。

わかりやすい例を挙げると、

〜ブラームス交響曲第1番〜
峡谷に響き渡るアルプホルンの呼び声

〜ウェーバー『オベロン』序曲〜
オベロンとティターニアが至福の夜の後に起こされる

〜R.シュトラウスの『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』〜

といったものがあります。

これらの音楽の物語やシーンは、音楽的表現により描き出されるべきです。

もし演奏する音楽の情景がよく分からない、よく知らないなら、自分で発明してしまいましょう。

作品を通じて、ストーリーを語ってください。フレーズの変化を反映した物語の中の出来事を作っていきましょう。作品の音楽的な中身を、こうしたイメージで具現化するのです。

何よりも大事なのは、あなたの音楽が「生きている」ことなのです!

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続く
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