ある日のレッスンより。
座奏時、骨盤が後ろに倒れ身体を幾度もうしろに持っていきながら吹いてる大人のアマチュア金管吹きの方。その原因は、『同じオケの仲間がかがみこんで身体をちぢめて吹いている様子』にあった。
ある日のレッスンより。
座奏時、骨盤が後ろに倒れ身体を幾度もうしろに持っていきながら吹いてる大人のアマチュア金管吹きの方。その原因は、『同じオケの仲間がかがみこんで身体をちぢめて吹いている様子』にあった。
人間が身体を使って行う意味での奏法・唱法に関して、『これが正しいやり方で、結果を保証するから私に従いなさい』と言える人間なんて存在し得ないと思う。仮に、正確な観察と考察により1000人を連続して良い方に導いてこれた者だとしても、だ。
むしろ、1001人目でこそ、自身の指導が効果をもたらさないケースに出会うことを心待ちにする、そんな考え方でいることこそが望ましい。これまでたとえ完璧に機能してきた方法論だったとしても、その潜在的誤謬や限界を知りたい。もっと完璧な、もっと有益な方法論を作るきっかけになるからだ。
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一年4ヶ月ぶりの学校吹奏楽部指導。
中学生クラリネット吹きとのレッスンでは、お題は『連符になると息が入らなくなり、最後までもたない』という悩み。見せてもらうと、はじめから胸部から下がカチコチで喉あたりでどうにか息を吐いている状態。様子を観察し総合的に判断し次のことを試した。
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体にも音にもずっと相当に大変な力みや硬さがあったという生徒さん。
『音は唇が振動すること生まれる。唇は吐いた息が唇に当たることで振動する。だから、単純に息を唇に吐こう』