金管楽器のアンブシュア恐怖症その1〜わたしのアンブシュア遍歴〜

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金管楽器を演奏するひとにとって、

「あなたのアンブシュアには問題がある」



と指摘されることは、あたかも「余命宣告」を受けるかのようなショッキングな体験です。


なぜなら、「アンブシュアを変える」ということは多くの場合、少なくとも一時的には、音が出せなくなる、もしくは出せる音域が狭まることを意味するからです。

せっかくここまで頑張って練習してきたのに、「あなたはアンブシュアが悪い」と言われれば、もはや残された道は一生限界を突破できず不満足を感じ、どこかで「自分の吹き方は間違っている」というあたかも自分が偽物かのような気分を抱えながら楽器演奏を続けるか、あるいはここまで積み上げてきたものを全部崩してもう一度初心者のような楽器演奏能力に戻って惨めな思いを感じながら練習を頑張るかのどちらかしかないように思えてきてしまいます。


わたしも、まさにそれを体験しました。



【中学3年で受けた宣告】

なんとなく「アンブシュア」なる言葉を意識し始めたのは、中学2年生の頃でしょうか。

先輩たちがアンブシュアの重要性なるものを話し込んでいて、それを聞いていてもさっぱり意味が分かりませんでした。

そのときの感覚としては、「唇の形が楽器の吹きやすさに関係するなんて、ちっとも思えないなあ」というのが正直なところでした。

音を出したり音楽を演奏するうえで、唇の形を気にしたりいじったりするという作業は邪魔にしか思えなかったのです。

しかし中学3年のとき、はじめてホルンのレッスンをプロ奏者の先生に受けました。そのときに、ついにわたしは宣告を受けてしまったのです。

「きみはアンブシュアに問題があるね。口を引き過ぎている。マウスピースの位置を変えて、もっと顎を張りなさい」

…….. ついに、ついに言われてしまった……ぼくのアンブシュアは間違っている……!!

これまで練習してきた全てが「間違った努力」であるように思えてきて、陰鬱な気分になりました。

しかし、その先生の音はプロの深みと渋みがあり、カッコ良かったので、その先生の言う通りにしてみることにしました。

一生懸命顎を張ろうとして、口をすぼめようとして、マウスピースもちゃんと「上2/3 下 /13」という(実はいまでもその意味が論理的に理解できない)「ルール」に自分を当てはめようとしました。

しかし、それをやっても、音は全然鳴らせません。

わたしには、「音が鳴らない方法を採用する」ということがどうしても納得できず、数回後のレッスンで先生に「顎を張るやり方は諦めます」と伝えました。

その後もレッスンでは時々「顎を張れてない」という指摘をもらいました。

そのたびに、かなり不安になりました。

しかし、世界的なホルンのソロイストであるラデク・バボラク氏のリサイタル映像をビデオで持っており、それを観るとどう観ても「顎を張っている」ようには見えなかったので、「顎を張らなくてもこういう素晴らしい演奏ができる人がいるんだ。自分もそれを目指そう」と気持ちを切り替えるように心がけていました。

ただし、わたしの奏法、身体の使い方に問題があった事は確かです。低音がうまく鳴らせない、音が細い、音程が高くなりがち、などなどさまざまな面で改善すべきことがありました。

先生も、それを直そうとしていたのは間違いありません。そのときの先生の「直し方」が、アンブシュアの形を変える、という選択だったのです。



【大学1年でまたもや….】

その後、「アンブシュアを変える」ということを慎重に避けながら、練習と工夫を重ね、それなりに段々上手になっていきました。

おかげで、高校卒業後、ドイツの芸術大学にホルン専攻で入学することができました。

入学後、はじめてのホルンのレッスンの日。

思いっきり気合いを入れてレッスンに臨みました。

しかし、待っていたのはまたもや、恐怖の「アンブシュアおかしいよ宣告」だったのです…..

先生の指示に従って、音階やアルペジオなどをいくつか吹いたあと、先生はこうわたしに告げました。


「きみの問題はまとめると3つ。

・低音域が大きな弱点となっている。
・高音域での音量がなかなか出せない。
・音の響きが薄く、音程が高くなりがち。

原因としては、マウスピースの位置が高すぎて、トランペットのようなアンブシュアになっていて、喉をかなりタイトにして吹いていることにある。

そのままの奏法で、高音域は非常に強くなっていけるとは思う。

しかし、低音域と響きの問題は、おそらく限界があり続けるだろう。」



………響きや音程の問題は、自覚していただけに、そこをズバッとつかれてわたしは何も言えなくなりました。


先生は、

「ただし、アンブシュアをいまから変えるとなると、すごく時間がかかることになる。だから、変えるならよく考えてからにするように。」

とは言っていたので、絶対「アンブシュアを変えろ」と強制してきたわけではありません。

しかし、指摘された

・低音域
・音量
・響きと音程

の問題は、ずっと悩んでいたことでした。その「原因」としてアンブシュアを挙げられたことが、中学時代からのわたしの「アンブシュア恐怖症」に火をつけました。

わたしは

「アンブシュアを変えないと、自分はこれ以上うまくなれない。いつも限界に悩まされながらだましだましやっていくことになる。根本的な欠陥持ちのプレイヤーであり続けることになる」

と思い込んでしまったのです。気分としては、なんだか「ついにバレてしまった」という感覚でした。



【アンブシュアを気にすることは逆効果だった】

結論から言えば、わたしのこの思い込みは間違いでした。

大学時代は、まず新しいマウスピースの当て方と新しいアンブシュアによる「やり直し」の時期が大半を占めました。

いままで出せた音域が全く出せなくなったわけですから、それはもう激しい自信喪失を経験しました。

アンブシュアを「変える」ということと同じ音域が出せるようになるのに、2年半かかりました。

そもそもアンブシュアを変えることにしたのは、

・低音域
・音量
・響きと音程

の限界や問題を突破するためでした。

つまり、求めていたのは「正しいアンブシュア」ではなく、

・あらゆる音域がちゃんと鳴らせて
・あらゆる音量での演奏が可能で
・豊かな響きと正しい音程

で演奏できるという「全般的な演奏能力」だったのです。


正直言って、わたしは

・正しいアンブシュアを追い求めること
・全般的な演奏能力の獲得のために努力を重ねる事

を混同していたことで、自分の上達に大きなブレーキをかけ、ホルン奏者としてのキャリアに悪影響を与えた期間が長過ぎたと思っています。

「正しいアンブシュアでなければ、うまくならない」
「正しいアンブシュアでないホルン奏者は偽物である」

そんな強迫的な想いや思い込みに捉われて自分をダメにしていました。


音程が改善しても
→ アンブシュアが少しでも「緩い」感じがしたらそれはダメ

音域の自由が増しても
→ もしほんのちょっとでもマウスピースの位置がずれた感じがしたらそれはダメ

音量が増しても
→ ちょっとでもプレスしている感じがしたらそれはダメ


というふうに、漠然とした「正しいアンブシュア」の像に合致していなければ、実際的に演奏能力の向上の糸口があってもそれを否定し打ち消すようなことをしていたのです。


ではどうしたらいいのか?

わたしに残されていたのは、「マウスピースの位置やアンブシュアの形を(はっきりとなぜそれが良いのか理解せずに)厳格にチェックしながら、健康や人間関係を犠牲にしてでも頑張る」というやり方だけでした。


そのおかげでわたしは間もなく、壁にぶつかりました。

背中と腰が楽器が吹けないほど痛くなり、上達は完全に止まり、下降線を辿り始めたのです。

アンブシュアを変えるという選択は、そもそも上手になるためのはずなのに、ついには人生のあらゆる側面に悪い影響を与えていることを自覚し、「正しいアンブシュア」の追究を諦めることにしました。

その代わりに、

「どんな吹き方でもいいから、身体を痛めずに全般的な演奏能力を身に付ける」

ことを目標に定めました。

アンブシュア恐怖症は、すでに深く深くわたしの中に入り込み、いまでも少し気になってしまうときがあるくらいですが、少なくとも意識の領域では「アンブシュアの形は気にしない」という決断をこのときにはっきりとしました。



【アンブシュア恐怖症からの解放】

わたしはそれから4〜5年、自分の演奏している様子を鏡で見る事を避け続けました。

見てしまうと、(明確な根拠や論理なしに)いつの間にか作り上げた「正しいアンブシュアの見た目」像と、鏡に映っている自分のアンブシュアの見た目を比較し、批判し、音を出すのが怖くなってしまうくらいまで自分自身を追い込んでしまうからです。

しかしある時、もうドイツの音大を卒業して日本でホルンのレッスン活動を始めていたときのことです。

ある生徒さんに

「バジルさん、いまのアンブシュアの写真撮らせて!!」

と突然言われたのです。

わたしはぎくっとしました。しかしまあ、色々とお世話になり応援して下さっていた方なので

「いいですよ」

と答えました。

生徒さんには、4オクターブにわたるFの音をひとつずつリクエストされ、写真を撮られました。どうぜ、ひどいアンブシュアなんだろうな….. と思いながら….。

「なんでまた、ぼくなんかのアンブシュアの写真を撮りたくなったんですか?」

とわたしは終わってから尋ねました。

「バジルさんのアンブシュア、*バウマンにそっくりのパーフェクトアンブシュアだから!」
(*つい近年演奏業を引退した、60年代〜90年代を代表するホルンの世界的ソリスト)

…….またそんなお世辞を…..

しかし、見せてもらった写真は、バウマンにそっくりかどうかは別として、確かになかなか綺麗なアンブシュアでした。

なんだか拍子抜けしました。

わたしのアンブシュアは、4〜5年の間に、「形は一切気にしない」はずだったのに、結果的には「良い」ものに「ひとりでになった」のですから。

いま、それからさらに数年経ちましたが、いまでは鏡を見るのは怖くなくなりました。アンブシュア恐怖症はだいぶ脱せてきています。

何より、実はアンブシュアは日に日に変わり続けています。考えてみれば当たり前です。全般的な演奏能力の獲得と向上のために練習をしているわけですから、改善するということは、見た目には分からなくてもアンブシュアも当然何か変化するのです。アンブシュアは単独で存在するのではなく、全身のつながりのなかで成り立っているのです。

大学1年ときに感じていた限界や問題は、10年経ったいま、すべて解決されています。しかし、それでもまだできないことは沢山あります。

でも、なにかが出来ないからといって、「アンブシュアが根本的に間違っている」とか「吹き方が根本的におかしい」といったような、自分を根底から揺るがせるような不安に突入したりしなくなりました。


アンブシュアであれ姿勢であれ、どんなことでも

①見た目の形は、自分の全体的な「やり方」の結果である
②見た目の形を変えてうまくいくのは、その変化・変更が全体とつながったときだけ
③部分を変えたいなら、全体を変えるとうまくいく

であることを理解しているからです。


数日後、次の記事で、以上に述べたようなわたしの経験から、アンブシュア恐怖症に陥って苦しんでいる金管楽器のプレイヤーの方々に、役立つアドバイスやアイデアをいくつか提供しようと思います。どうぞお楽しみに。




44 thoughts on “金管楽器のアンブシュア恐怖症その1〜わたしのアンブシュア遍歴〜

  1. 初めてこのブログを見させていたただきました。知らなかったこと、誤解していたことなどたくさんあって、驚きの連続でした。
    今私は高校でホルンを吹いているのですが、課題にぶつかり、路頭に迷っています。
    ・タンギングが悪いのか、後押しのように「プワー」となってしまうこと
    ・チューニングB♭の上のFよりしたの音が、ホルンの音じゃないみたいと言われてしまうこと
    ・低音を吹く時に唇が安定せず、音が揺れること
    何かアドバイスいただけないでしょうか
    よろしくお願いします。

    • 愉快なホルン吹きさま

      これだけでは分からないので、ぜひこのブログを色々なキーワードで検索して記事を色々読んで下さい。600ほど記事があります。ここで単純にお答えするより、ご自身で探索して頂くことがきっとお役に立てると思います。

      • ありがとうございます。試行錯誤しながら、課題を克服していこうと思います。これからも、このブログを利用させていただきます。よろしくお願いします。

  2. Pingback: 金管楽器のアンブシュア恐怖症その2〜こういうふうに考えてみよう〜 | バジル・クリッツァーのブログ

  3. Pingback: マウスピースが左下にずれている….どうしたらいいの? | バジル・クリッツァーのブログ

  4. Pingback: 金管楽器の「音域」にまつわる自己否定的意識の問題点 | バジル・クリッツァーのブログ

  5. 読んでいてドキッとしました。
    この間までの、というかつい数時間前までのわたしです

    学ばせていただきました。ありがとうございます!

    自分の場合、息も足りてないのに
    アンブッシュアばかりにこだわっていたのですが


    とにかく、やる気が倍増しました。めげずにがんばります

  6. 私も今高校生ですが、アンブシュアにとても苦労しています!
    私の場合マウスピースが上すぎると注意されました(高音になればなるほど上にずらしてしまいます汗)
    最近は鏡を見ながら正しい位置(あっているかわかりませんが…)で練習していますがやはり音域がかなり狭くなるし、「やっぱ無理だ!」と中断して今までのアンブシュアに戻して練習しようとするとチューニングBを吹いているはずが、lowBも鳴って音が二重になってしまうようになりました汗汗
    私にはホルン向いてないのかも…と落ち込みましたが、今日この記事を読んだら2年半かかったと書いてあったので少し励みになりました(^-^)
    でもホルン吹くのもあと1年しかないのでアンブシュアはそのままで技術の向上を視野にいれようかと思います!

  7. 私にも当てはまる点があるっていうか、ほぼ全部当てはまっててとてもためになりました!
    私は今高校2年で12月までには完全に変わっていたいなって思っているんですけど、やっぱりアンブシュアを変えるには半年くらいじゃ変わらないですか?

    • ムースさん

      変える理由や、変える方向が理にかなっていれば、うまくいけば、二〜三ヶ月で変わっているだろうし、変える前より根本的に良くなっているはず。

      逆に言うと、それより時間がかかったり、大きく良くならないアンブシュア改造は何か間違いなはずです。

  8. こんばんは。
    私はフリーでテナーサックスを吹いている高校生です。
    部活は諸事情ありまして退部をして、一人で楽器を吹いている状況です。
    本題なのですが、
    私は普段から音程をとる事が苦手で、スケールもキレイにはまりません。チューナーを見ながら、声で歌いながら、キーボードで音をとりながら、等々チューニングの方法は色々試しているのですが、中々安定しません。
    合わせようと思うほど、「音程を合わせること」しか考えられないし、身体も固まってくるし、首と腰がものすごく疲れます。
    「誰かに合わせる」といったふたり以上での活動ではないですが、どうしても気になります。
    どうすれば身体と心を楽にして音程をとることができますか?

    • 月並みですが、自分のイメージに合わせればよいのではないでしょうか?

      イメージを豊かにし、鍛え、信頼置けるものにするためにはプロの先生に習いにいくのが最善と思います。

      • ありがとうございます!
        自分のイメージですか…。
        「間違ったもの」と決めつけていたので、もう少し信じてみようと思います。

        • 自分のイメージを信頼することは、絶対必要不可欠です。

          信頼することで修正し、さらに信頼性を増すことでより自由になれるわけです。

          • 高校生吹奏楽部、トロンボーンです。

            1ヶ月ほど前、レッスンに来ていただいた先生にアンブシュアがおかしいと言われました。

            その時は心が折れそうになりましたが、きっと自分次第で変われると思い前向きに取り組んできました。
            しかし思うようには行かず、綺麗に演奏できる音域が狭まり、上手く音を鳴らすことが出来ず自信を失ってしまいました。
            部員が日に日に上達していく姿を見るのが辛く、悔しく、今までの自分を責めてばかりです。
            あと2週間ほどでコンクールオーディションもあり、絶望的です。
            受験勉強の為あと半年で退部することは以前から決めていました。
            あと半年、自分と葛藤して行けるか不安です。
            今すぐ逃げ出したいくらいです。
            吹奏楽の名門校に入り、ここまで積み重ねてきた物を失った今、精神的にくる物もあり、吹奏楽から離れようか検討中です。
            またいつか、大好きなトロンボーンを吹きたいと思える日が来るまで。
            私の判断は、間違っているでしょうか。

            • あやさん

              アンブシュアがおかしい、という断定の90%は、わたしから言わせると加減なあまり理解と根拠のない誤診です。

              1ヶ月前なら、元の(いままでの)アンブシュアに戻しても1週間あれば完全に復帰できるはず。

              アンブシュアがおかしいと言われたことは忘れて、あなたの演奏法であなたの音楽を奏でることに戻ってください。

  9. こんにちは。
    私は、今高校一年生で、吹奏楽部でホルンを吹いています。
    先日、ホルンの先生にレッスンをしていただいたのですが、マウスピースの位置が左下に寄っていると言われました。(上三分の一、下3分の2 という感じです)また、高い音を吹くときに、下唇を巻き込んでいて、さらにマウスピースを押し付けているとも言われました。
    アンブシュアが悪い、ということは、中学生の頃から何度か言われていて自分でも気になっていたので、大会に出ない一年生のうちに思い切って直すことにしました。
    ですが、やはり、アンブシュアを変えたら音色も悪くなり、音域も大幅に狭まってしまったので一定期間新しいアンブシュアで練習して成果がでなかったら元に戻そうと思うのですが、そんなに頻繁に変えないほうが良いでしょうか?
    また、元に戻すとしたら、どのくらいの期間練習した後で戻すべきでしょうか?
    長文になってしまい、すみません。

    • るんるんほるんさん

      アンブシュアをこうしてひとから「悪い」と言われて変える場合は、責任を持って優しくいつもいつも励ましながら新しいアンブシュアの指導をしてくれる指導者が必要だと思います。導いてくれるひとが、確信を持って丁寧に付き添ってくれない限りは、そもそも本当に悪いのかどうかも微妙なところです。

      1週間やって、

      ・吹きやすくなり(違和感や慣れなさはあっても、ラクだったりしっくりくる感じがある)
      ・いまより1音か2音くらい音域が広がる

      という成果が無かったら、その変えたアンブシュアはあなたにとっては必ずしも正しくなり可能性がありますから、思い切って元に戻し、アンブシュアが悪いとか間違っているとか気にせずに自分の直感に従って音楽を力に練習を頑張るとよいと思います。

      そうしたら、その1週間のブランクは、長くても1週間で取り戻せますから大丈夫です。取り戻すだけでなく、変えてみた前より少し成長できるとも思います。

      わたしのブログ内で「アンブシュア」で検索してください(結果:http://basilkritzer.jp/?s=アンブシュア&submit=検索)。参考になる記事があります。

  10. ありがとうございます。
    まずは一週間頑張ってみます!
    アンブシュアのことでなやんでいたので、返信をいただいてとても心強いです。
    最終的にどちらのアンブシュアにするにせよ、理想の音に近づけるよう頑張ります。
    ありがとうございました。

  11. Pingback: バジル・クリッツァーのブログ

  12. こんにちわ。
    僕は今高校1年生で、吹奏楽部でホルンを吹いています。
    将来はプロの奏者を目指していて、交響楽団のホルン奏者の方に個別レッスンをしてもらっているのですが、1ヶ月前くらいのレッスンで「そのままのアンブシュアだと高音も低音も出なくなるよ」と指摘を頂きました。
    以前から僕のアンブシュアはとても偏っていて、上唇と下唇で1:4の割合で吹いていました。「これからの事を長い目で見た時の事を考えると、アンブシュアを上唇と下唇で2:1にしなさい」というアドバイスを貰ったのですが、いざそのアンブシュアに変えてみると音がほぼ出なくなってしまいました。
    アンブシュアを変えたばかりは仕方が無いのかな、と思いつつ練習をしていましたが、上達をしているのかどうかも分からず、最近はホルンを練習する事が苦痛になりつつあります。
    金管楽器にとってアンブシュアが大切だという事は分かっていますが、楽器を吹く時には良い音でならす事が最重要視されるという訳ではないのですか?
    自分は「2:1の比率にして吹きなさい」という指摘を受けましたが、例えば1:1のアンブシュアでは駄目なのでしょうか。
    お忙しいところ申し訳ないのですが、お返事待っています…。

    • やまもとさん

      マウスピースの中での上下の唇の割合というのは、そのひとの顔や歯など生まれ持っての構造からベストの場所があるはずだという、かなり信頼性の高い研究結果が出ています。
      それによると、それは金管楽器に共通して言えるとのこと。

      ・超高位置タイプ(上:下 = 2:1 と言われるのはこれ)
      ・中高位置タイプ(上 :下 = 1:1 と言われるのはこれ)
      ・低位置タイプ(やまもとさんの元々のタイプ)

      詳しくは下記の記事を読んでください。
      http://basilkritzer.jp/archives/4855.html
      http://basilkritzer.jp/archives/4866.html
      http://basilkritzer.jp/archives/4934.html
      http://basilkritzer.jp/archives/4731.html

      習っておられる先生のおっしゃることとは残念ながらかなり異なる内容になってしまうかもしれませんが、わたしが見てきたアンブシュ研究と理論のなかではもっとも納得できて、もっとも有効なものです。

      ちなみに、上:下=1:4くらいと思われるアンブシュアで演奏しているプロのホルン奏者は、割合としては少ないですが数は全世界にたくさんいます。
      以下はその一例です。
      http://basilkritzer.jp/archives/4817.html

      • お返事ありがとうございます!
        なるほど、世界には少なからず低位置型のアンブシュアの奏者の方もいるのですね…。
        練習に対する意識がいい方向に変わりました。本当にありがとうございます。
        いつの日か1人のホルン奏者として、お会いできるように精進します。
        ありがとうございました!!

  13. 私は粘膜奏法です。高い音がまったくでません。アンブシュアは気にしなくていいとおっしゃっていますが、粘膜奏法は変えたほうがよいですか?

    • あゆさん

      粘膜奏法というのは、その定義がまずはっきりしていないし、また粘膜奏法は悪いということもまったく証明されていません。

      「粘膜奏法のせいでうまくいっていない」というのは基本的には誤りだと思います。

      粘膜奏法かどうかでなく、自分にとって良い位置にマウスピースを当てているかどうか。そしてそこからアンブシュア、呼吸、タンギング、姿勢など様々な技術が機能しているかどうかです。

      粘膜奏法については、こちらを読んでみてください:『唇の赤いところで吹いても大丈夫』

  14. 初めまして。クロネコと申します。
    現在、私は大学でホルンを吹いています。
    ホルンを始めてから約1年経ちました。(中学・高校ではチューバを吹いていました)
    大学でホルンは私1人しかいなく、今まで全て独学で練習してきました。(教本などはしっかり使ってました)
    ネットや雑誌などで色々なやり方や意見を拝見し、自分に合ったアンブシュアを探し続け、どうすれば高い音も低い音も楽に、そして綺麗に出せるか自分なりに研究して練習してきましたが、練習すればするほど唇がバテて、だんだん駄目になってきました。
    それから私は高い音を出す時、マウスピースを唇に押し付ける癖や、体に力が入ってしまう癖があります。
    すごく直したいのですが、意識して直そうとしてもなかなか良くなりません。
    高い音は、調子が良い時はhighDまで(楽に出せるのはAまで)、低い音はlowEまで出すことが出来ます。
    high♭B以上を出す時は、けっこう苦しいです。
    現在、金管のアンサンブルにも参加しており、そのアンサンブルの曲にhighトーンの連符などが出てきます。
    どのように練習したら、高い音が今より楽に吹けるようになり、体も力まずに済むでしょうか…。
    お答えいただければ幸いです。

    • クロネコさま

      1年で High D というのは、普通というか、まだそこまでしか出なくてもまったくおかしくありません。

      根本的に、「できるようになる」ことに想定しているスピードが速すぎるのではないかな、という気がします。

      練習法にしても奏法にしても、特別なものなんてなくって、自分としてやっていて楽しくて充実する練習モデルで、長期間(長時間ではなく!)続けるなかでだんだん、でも着実に音域は広がっていきます。

      1年後、High F が「かする」ようになっていれば、ちゃんと上達していると言えます。その頃には、High C くらいまではまあなんとか使えるようになっているでしょう。そうやって、徐々に取り組んでいくのでよいのではないでしょうか?

      文面からすると、押し付けや力みの癖はそういう焦りや、焦りからくる吹きすぎから発生している面がありそうです。

      Basil

  15. はじめまして。まいと言います。
    ホルンをはじめて約2年です。中3です。
    4月から顧問の先生が厳しい先生になりました。
    アンブシュアがおかしいというのは半年前から自分で分かっていましたが、本やサイト、仲間、先生に教えてもらいましたが、しっくりきません。
    私は下唇中心になっていて高音になるにつれてどんどんマウスピースが下に下がります。そして左側の下唇が出ています、
    高音はカスカスだし音色はこもっていて最悪です。
    先生は個人練習の時間が本当に少なくて、すぐ合奏なのでアンブシュアを直す時間もありません。パートのなかで一番練習しているのに全然上達しなくて、先生に3年生でパートリーダーなのに何でそんな下手くそなんだと言われました。
    引退までもう時間がありません。オーディションも近いです。
    どうしたら高音が出しやすくなり、音色がよくなるのでしょうか?
    お答えいただければ幸いです。
    ちなみに今やっているのはルイブルジュアの讃歌による変奏曲で4thです。

    • まいさん

      楽器は、時間がないなかで焦って短期間で成果を出そうとしても、そもそもそんなことが不可能なことが多いです。
      とくにホルンは….

      逆に、ゆっくり、数週間・数ヶ月・数年という単位で見て取り組んでいくと、必ず上達していけるんです。
      そういう上達には限界はありません。

      高音に関しては、たとえばこういう記事があります。
      http://basilkritzer.jp/archives/5735.html

      他にも色々あるので、検索して色々読んでください。

      Basil Kritzer

      • 引退まで時間も少ないですが
        コツコツ頑張っていこうと思いますありがとうございました。

  16. Pingback: アンブシュアにかかわる筋肉がフリーになった | バジル・クリッツァーのブログ

  17. 高校でホルンを担当しています!

    下唇の下 (顎の半分上) あたりが膨らんでいると
    先輩に指摘され、自分でもその形が気になってはいたのですが

    今まで顧問やホルン専門の講師の先生に直せといわれたことはありません

    でもやっぱりほかの人とは違う形で、不安です

    先輩には顎を引けと言われたのですが、どう思われますか?

    お返事いただけると嬉しいですm(_ _m)

    • 顎を引け、は忘れましょう。残念ながら先輩は分かっておられません。

      顧問の先生にもホルンの先生にも指摘されないのなら、さらに大丈夫でしょう。

      その先輩はアカンなあ….

  18. こんにちは。ホルンを始めて4年目の高校1年生です。ここ半年ほど前から、口の周りが力み過ぎていて下唇ばかり振動してしまい、口を壊すことが多くなりました。原因は「この音を確実に当てなければいけない」「絶対に外してはいけない」という気持ちがあり、口でどうにかしようとしすぎていて、結果的に全ての負担が唇にきてしまったからだと思っています。講師の先生に相談したところ、1つのフレーズを大まかに感じてお腹の力を最大限に使い、唇に頼りすぎず息で吹くようにと指摘していただいたきました。そこで、「自分の吹きたいように吹く」「アンブシュアを全く気にしない」「音を出すのは全て息の仕事だ」ということを考えながら練習してきました。しかしまだ、どうしても口の周りの固まりが取れません。無理に取ろうとすると、鼻の下が膨らんだりして逆に吹きにくくなってしまいます。
    どうすれば口の周りの力みを、お腹と息の支えに変えることが出来るでしょうか?

    • まみさん

      いちおう大切なことをおさえておくと、唇の動き・運動もホルンの演奏技術の欠かせない要素なので、

      息「だけ」でなんとかしようとしてもうまくいかないかもしれません。
      音を出すのは「すべて」息の仕事だ、というのは正しくないので本気でそうしようとしていると逆効果のことがあっても不思議じゃないです。


      練習方法の基本に関係する記事をいくつか貼りますので、参考にしてください。
      重要な順なので、順番に読んでください。

      練習方法
      ・http://basilkritzer.jp/archives/4554.html
      ・http://basilkritzer.jp/archives/5735.html
      ・http://basilkritzer.jp/archives/4484.html
      ・http://basilkritzer.jp/archives/4629.html

      呼吸
      http://basilkritzer.jp/archives/995.html
      http://basilkritzer.jp/archives/1470.html
      http://basilkritzer.jp/archives/5025.html

      アンブシュア・口のこと
      (下唇が振動した方がよいひとが、全体の2割〜3割くらい存在する。)
      http://basilkritzer.jp/archives/4855.html

      プレスすること
      http://basilkritzer.jp/?s=プレス&submit=検索

      Basil

  19. Pingback: 金管楽器を演奏するひとのための、アンブシュアに関するヒント | バジル・クリッツァーのブログ

  20. こんにちは。中学二年生でホルンを始めて2年のものです。
    私は、ずっとアンブシュアが下に傾いていると言われており、音が細く高い音がhighB♭までしか出ませんでした。けれど最近歯列矯正の関係で歯に新しい装置をつけたところ、結果として下の歯の歯の厚みだけが2mmほど増え、アンブシュアを変えざるを得なくなりました。すると、高い音がほとんど出なくなってしまい、音色も悪くなってしまって……
    仕方ないことかもしれないのですが、月末には定期演奏会が控えており出来るだけ早く高音が出るようにならないといけないのです。
    高音を鍛える練習、高音になると力んでしまうくせを直す練習があれば教えていただきたいです。
    ブログの内容とは少し離れてしまったのですが、宜しくお願いします。

    • ほるんるんさん

      そうですね…そもそも以前からハイBbがうまく出せないということなら、
      そこからまたアンブシュアが変わっているわけですよね…。

      はっきり言って直接お会いしていろいろ試すことなしに高い音を今月中に、というのは有り得ないです。

      アンブシュア関連の記事がブログ内にいろいろありますから、それを読んで運良く自分にすごくフィットする吹き方が見つかればもしかしたら….という可能性はゼロではないですけれど、それをアテにするのは非現実的かと思います。

      月末の演奏会のためでなく、もっと長い目で見て1年後や2年後、あるいは大学になっても音楽活動を続ける前提で考えての高音の取り組みをしたほうが、よっぽど意味があると思います。そうでないと、月末のために急いで焦って取り組んでも、月末までの時間が無駄ではないかと。

      高音の練習の仕方もたくさん関連記事がブログ内にありますから、検索をしながらいろいろ読んでみて、もっと具体的な質問になったらまたコメントください。

      Basil Kritzer

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