アンブシュアを変えてから、高い音が出ない….どうしたらいいの?

高校生トランペット吹きのQさんからメールでご質問頂きました。

【質問】

私は吹奏楽部でトランペットを吹いている者です。中1でトランペットを始めたのは中学で部活に入ってから、それ以前の楽器経験はないです。

先月末にアンブシュアを直して以来、高い音が出ません。

同級生が曲をさらっている間、私はアンブシュア直しに専念していたため曲をさらっていず、今週合奏があるのにもかかわらず4分の1も吹けていません。

大半は高い音で、それらが出ません。アンブシュアを直す前Gまで吹けていたのが、
直した今はB♭~Cが限界です。

コンサートで吹く曲にはGまで出てくるので、何とかして高音を綺麗な音で吹きたいんです。

高い音を出そうとアパチュアを狭くしたり唇を横に引いたりしても、音がかすれる・細い・小さいの三拍子、唇が痛くなったりすぐバテたりして、結局“ちゃんと吹けない”んです。

そして私が教本とにらめっこしている間に同じパートの同級生はどんどん上手くなり、普通にhigh Dとか吹いてて先輩はできない私にイラついてて私は練習しまくってるのに成果が実らず焦って…

パートに3人しかいなく、コンサートで3曲吹くため、1人1曲は1stを吹かなければいけないんです。私が1stを担当する曲は高音のオンパレードでトランペット1stしかメロディーがいない(ソロではない)ところもあるんです。

良い高音の出し方・そのイメージ等教えて下さい。

長文失礼しました。

【回答】

はじめまして。
メールありがとうございます。

ご質問に出来る限りお答えを試みます。

まずアンブシュアを変えたということならば、
高い音が出るまで時間がかかります。

自分にその時間をたっぷり与えてあげて下さい。
目先の合奏や演奏会で結果を出そうとしても、苦しいだけだと思います。

アンブシュアを変えたら、そのあと以前と同じくらい自由に吹けるまでは
数ヶ月〜数年を要しても不思議でがありません。

先輩の気持ちより、自分のペースの方が大事です。

「まだ出ないので、ここは休みます」
「まだ出せないので、代わりに吹いて下さい」

とはっきりとお願いしてもよいのではないでしょうか。

また得意分野や成長のペースはほんとうにひとそれぞれですから、
同級生に対して自分に劣等感を感じる必要もありません。

数ヶ月後、数年後のために自分が「よい」と信じる練習を重ねていきましょう。

アンブシュアの変更は、ご自身の決断ですか?

もし誰かに命令されてのことであれば、前のアンブシュアに戻すのもひとつの選択肢です。

若いときは問題点や苦手のあるアンブシュアも、何年もトレーニングしているうちに自然と変化したり、うまくカバーできるテクニックが育ってきます。

ですから、しっくりくるなら前のアンブシュアに戻すのもありかと思います。

練習の方法については、吹奏楽専門誌「アインザッツ」に連載しています。いま第3回まできています。

あとは、私のブログのこのあたりをご参照下さい。

ブログカテゴリー「練習のやり方」

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アンブシュアを変えてから、高い音が出ない….どうしたらいいの?」への9件のフィードバック

  1. 私は大学でトロンボーンを吹いているものです。約7年間吹いているのですが、アンブシュアを直そうとしています。
    今までは、マウスピースの上の方に唇を当てて吹いていたのですが、薄い音しか出ず、また、なんだかしっくりくる吹きかたではありませんでした。自分にあっていない感じでした。
    先生にも、マウスピースの真ん中か、下辺りで吹いた方がいいと言われていました。
    それで、マウスピースの真ん中辺りに変えて練習しているのですが、当然上の音が出ないです。時間をかけるしかないと思うのですが、唇が痛いのが悩みです。
    変えた位置が自分に合っていないのか、それとも、まだ慣れてないだけなのかわからないです。
    鳴らしやすい音や、低い音は、前より大きいしっかりした音が楽に鳴るようになっているので、こっちの吹きかたの方がいい気がします。
    唇が痛いのは、吹きかたがまだ、定まっていないからでしょうか?分かりにくくてすみません。

    • あと、高い音になるほど、下唇を巻き込んでいくという方法を聞いたのですが、私の場合、下唇というより、上唇が巻き込まれているのです。
      これは前の吹きかたのときもそうしていました。
      下唇を巻こうとしてもできません。
      良くないのでしょうか?

    • トゲさん

      まず考え方として、

      「マウスピースのどこに唇を持っていくか」

      というふうになっていますね。

      もしかしたら書き方でそうなっているだけのかもしれませんが、考え方を

      「口のどこに、マウスピースを持ってきて当てるか」

      というふうに考えを変えてみましょう。

      口のどこにマウスピースを当てるとよいかは、まったくもって個人個人の顔の形などによって決まります。

      詳しくは、ちょっと内容は専門的になりますが下記の記事をご覧ください。
      http://basilkritzer.jp/archives/4855.html
      http://basilkritzer.jp/archives/4866.html
      http://basilkritzer.jp/archives/4934.html
      (ついでにこれも http://basilkritzer.jp/archives/4714.html

      ご自身は、元々は3つのタイプのうちのどれだかこれを読んでわかるでしょうか?

      また、当てる位置は記事に出るような高低だけでなく、左右もあります。歯の形などにより、誰でも中心から少しはずれたとこに当てます。中心より、どこか左か右に寄っている方が正しいことがほとんどなのです。

      >>>私の場合、下唇というより、上唇が巻き込まれているのです。これは前の吹きかたのときもそうしていました。下唇を巻こうとしてもできません。良くないのでしょうか?

      いえ、上唇を巻いているひと、いっぱいいます。ただ、なぜかそれん気づかないひとが多く、上唇を巻き込むという話が出てこないのです。

      ちなみに、下唇も巻いてはいけないと言うひとも多いのですが、巻いているように見えるのと実際どれぐらい巻いているかは別だし、巻いてはいけないという人自身が気づかず実際には巻いていることもあります。

      ルールや、表面的な見た目で縛られてしまうと不自由になり演奏にマイナス効果になってしまいがちですね。

  2. ご返信ありがとうございます。
    確かにマウスピースのどこに唇を当てるかで考えていました。考え方を改めます。

    私は今まで、バジル先生の記事で言う、低位置タイプでした。今は、中高位置タイプにしています。
    また、唇だけでバズィングすると、息の流れは上方流です。自分の吹きかたは、全て低位置の吹きかたと同じでした。
    上方流の人が、中高位置や、高位置で吹くのは、自分に合わない吹きかたで吹くことになるのでしょうか?

    • トゲさん

      実際にお会いして、吹いている様子を観察しないと確かなことは言えませんが、紹介した記事の研究内容に基づけば、基本的には

      「上方流のひとは低位置アンブシュア」

      になるでしょうから、中高位置や超高位置で吹くのはアンブシュアに一貫性がなくて不自由になってしまうことが多いのではないかと想像します。

      ただ、マウスピースを当てたときとそうでないときで、息の方向が変わるのか変わらないのかは、ちょっと分かりません。

      基本的には、マウスピースを当てているときに息の流れがどうなっているかが大切なのだと思います。
      もし、マウスピースを当てた場合も息の流れが上方流なっているなら、低位置にした方がいい可能性がけっこうあるのではないかという気がします。

      吹き方の特徴が、低位置でもあるとのことですし、マウスピースは低位置にした方がいいのかな…という気がここまでの文面からは思います。
      マウスピースを唇のどこに当てるか、という発想に転換したうえで「低位置」にした場合、以前の低位置より吹きやすい/しっくりくるというようなことはありますか?

      • マウスピースに当てたときと当てないときとでは、息の流れが違う感じもしますが、見てもらった方がいいと思います。

        発想を変えて低位置で吹こうとしたのですが、あまり変わりませんでした。低位置だと、慣れているので吹きやすいのですが、低音がしっかり出ないのです。高音も出たとしても薄い音です。
        変えた位置だと、前より低音がしっかりなります。なので、できれば変えたいと考えています。

        • トゲさん

          「低音が鳴りやすい」という当て方が必ずしも良い当て方とは限らないのです….。どこが判断が難しいところです。

          金管楽器の演奏においては、わたしは高音が出やすいセッティングの方が基本的には正解の場合が多いのではないかと私は感じています。
          わたし自身、低音が出るセッティングに変えて遠回りした経験がこの感じ方には影響している面があるとは思いますが。

          変えた位置により、高音がどれぐらい犠牲になっているのかが判断ポイントかもしれません。

          ・ちょっと高音が出ないけれど、
          ・少し練習したら(2〜3ヶ月以内)に以前と同程度には高音が出せそうで
          ・いまの時点で新しい当て方の方が高音がよく響き、より自由になっている

          のならば、その当て方は正解の可能性があると思います。

          逆に、低音がよく響いても、高音がまるっきり犠牲になるなら、ちょっと考えものかな….
          実際に音を聴いて、吹き方を見ないと確かなことを言えないのが悩みどころではあります。

          ・高音の響きを豊かにしていく方法
          ・低音を徐々に出るようにしていく方法

          があれば、いままでの位置でよいということにもなりますね。
          つまり、高音の薄さが当てている位置が原因なのかどうか、ということです。

          低音はですね、高音が出せる人ならその高音のアンブシュアを基本に丁寧に長期間かけてトレーニングをしていけば出せるようになるはずです。
          パッと低音が出せるアンブシュアというのが、実はあまり機能的でないことがけっこうありまして….やはり直接見ないと確かなことは言えませんが。

          • なるほどです。
            高音はチューニングBの5度上のFまでなるのですが、Cからきつい感じです。

            もう少しこの吹きかたで練習してみて、変えるか考えます。
            詳しくありがとうございます。またレッスンにぜひ行かせてもらいます。

            • トゲさん

              もしよかったら、中音〜高音〜中音〜低音〜中音のリップスラーか、
              スラーの音階で演奏している動画を送ってもらえたら、もうちょっとだけ正確に何か言えるかもしれません。

              Facebookで送ってもらえると一番ですが、メールでもOKです。basil@bodychance.jp

              Basil

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