– – –
わたしは中学生のときに、吹奏楽部でホルンを始めたのですが、そこで教わった
「お腹に息を入れる」
「肩を上げるな」
「重心を下げろ」
「無駄に動くな」
「お腹を外に張ったまま保て」
といった呼吸に関することが、不器用かつ才能がなかったからでしょうが全然分からなかったしうまくできませんでした。
しかし、音大を目指したので、うまくならなきゃいけない。呼吸も機能させたい。そういった必要性から出発して、上記のような指示や言葉とはまた異なる着目点、考え方、言語表現を用いた呼吸の理解をちょっとづつ作っていきました。
なので、もしわたしのようにこれらの指示がどーもうまくできない、理解できない、やろうとすると緊張したり逆効果だったりする、と悩みのあるひとはぜひ読んでもらえたら、何か役立つかもしれません。
もっとラクな呼吸法を提案していきます。
– – – – –
その1【お腹に息は入らない】
まず吹奏楽部で教わることと言えば、「お腹に息を入れなさい」ですよね。
しかし、わたしは中学で吹奏楽部に入ってこれを言われたとき、意味が全く分かりませんでした…..。
いや、実はその後ずーっと分からずじまいでした。
それもそのはず。お腹に息は入りません。
息が入るのは、学校の授業で習う通り、「肺」です。
では肺は体のどのへんにあるでしょうか?
まず、体の前面から眺めましょう。
(Taste of Torah より引用)
肺は、
・なんと鎖骨のあたりにも顔をのぞかせます!
→自分の鎖骨を見つけてなぞって下さい。そしてなんとそあたりにも肺はあります。ということは、これほど上の方にも息が入るのです!
・かなりの部分が、みぞおちより上にあります!
→自分の胸の真ん中の骨を、上から下へと辿ってください。すると、骨が途切れて、柔らかく凹む場所がありますね?そこがみぞおちです。肺はなんと、「ここから上」にも肺が大きく広がっています。息が入る場所のイメージが変わってきますね!
続けて、他の角度からも眺めましょう。
(123RF に使用登録のうえ引用)
・とても横幅があるのが分かりますか?
・腕の内側がふだん触れているところの奥に肺があるのが分かりますか?
・多くのひとが思っているより、横方向にも息は入ってきているのです。
・脇の下から肋骨を下へ下へ辿っていきましょう。そのあたりが全部動いて、肺に息が入るのです。
そして最後に後ろ側。
*ビジブル・ボディの提供による画像*Thanks to @visiblebody
肋骨左右合わせて24本あって、それぞれが背骨とつながっているのが分かりますか?
背骨とつながる箇所が全部、動きます。
・首の後ろの出っ張っているところから、背中の真ん中にかけて自分の背中を撫でてみましょう
→ 息を吸うとき、こちら側も動いているのです。
さあ、ここまでが息が入るエリアです。
きっと思っていたよりだいぶ上なのではないでしょうか?
あまり文字通りに「お腹に息を入れよう」とすると、このあたりの動きを邪魔してしまい、結局息が吸いにくくなりますし、吐くときも緊張を伴ってしまいます。
「お腹に息を入れよう」と意識するのを一旦やめてみて、いま確認したエリアに「息が入るんだな」と意識するようにしてみてください。
そうすることで、演奏のラクさや、音の質などがどう変わるか試してみましょう。
その2【肩を下げようと頑張らない方がいい】
「肩を上げるな」
「肩は下げろ」
というのもよく言われることですが、どちらも頑張ってやろうとすると害が多いと思います。肩をリラックスさせて、という指示ならよいと思うのですが。
さきほど、息が入るエリアを確認しましたね?
かなり上の方にも息は入ってきて、肋骨が鎖骨のあたりに顔を出しているのが分かりますか?
*ビジブル・ボディの提供による画像*Thanks to @visiblebody
こんなに上の方が動きますし、また肺に息が入るためには、肋骨が上や横にたくさん動きます。
ということは、肋骨の上にある腕は、下にある肋骨が上に動くその動きに乗って、上がってくるのです。
肩というのは、腕構造の一部です。
したがって、息がうまくたくさん吸えたときほど、肩は肋骨に押されて上がります。
ですので、「肩を上げないように」と頑張ると、この動きを邪魔してしまいかねません。せっかくうまくたくさん吸える吸い方をわざわざブロックしてしまうのです。
そして自分の力で肩を下げようと頑張るのは、もっと問題があるかもしれません。
なぜなら、肩を下げる筋肉は、「強く息を吐く」ときに補助で使われる筋肉だからです。
これからたくさん息を吸いたいのに、頑張って肩を下げようとしてしまうと、たくさん息を吐く働きのスイッチを入れてしまいます。
これでは、吸おうとしながら吐こうともする。つまり反対のことを同時にやろうとしてしまっています。そんなことをすると、息を吸いにくくなり、体も緊張してしまいます。
そこで、これからはこう考えてみるとどうなるでしょうか?
「息が入ってくるとともに、肩が上がってきたら、『どうぞリラックスして好きなだけ浮動いていいよ』と言ってあげる」
きっと
・たくさん吸えます
・ラクに吸えます
本当にそうなるかは、実際に試してください。
演奏のラクさ、音の質、音量などに改善があれば、あなたの役にたつアイデアだということになります。
〜では、肩を上げるなって何なの?〜
1:上がってもいないのに、ただただそう言われてきたから自分もそう教えているだけの場合
2:首をすくめているのを肩が上がったような印象に感じてそう表現している場合
3:息を最大限に吸えるようにするための肩甲骨の連動(肩甲骨は横/下方向にスライドするようです)のことを表現している場合
3はとても役に立ちます。もし肩を下げる、という教えを受けている場合、それを指している可能性があればもう一度注意深く指示や教えを聞いてみましょう。
その3【横隔膜の誤解を解消しよう】
横隔膜の話もよく出てきます。
〜横隔膜もかなり上にある〜
横隔膜のことを教わったとき、おへその前あたりで手を上下させながら教わったことと思います。
その結果なんとなく、横隔膜がみぞおちより10センチ以上下、おへその前後にあるような「気分」にわたしたちはなっています。
しかし実際には横隔膜は、もっともっと上にあります。
(DAVIDLASNIER.COM~ Athletic Development ~ より引用)
・肋骨の渕に沿っています。
・高いところでは、みぞおちより上にあります。
・ドームの天井のような形をしています。
横隔膜は、みぞおちより上でも動いているのです。
やはり、呼吸のイメージが下方向に行き過ぎているケースが多いでしょうね。もしなんとなく思っていた横隔膜が、実際より低かったひとは、イメージを修正しましょう。
横隔膜イメージ修正&形成エクササイズ
・両手の人差し指を、みぞおちのところ、胸の骨の一番したに触れて下さい。
・そこから左右両側へ、肋骨のふちをたどっていきます。
・いまたどったのが、横隔膜が「くっついているところ」です。
・そこからお椀をひっくり返した形みたいに、上方向に横隔膜が広がっています。
・かなり高いところにありますね!
〜横隔膜の動きを整理しよう〜
よく、息を吐くときに、手を下に向かって動かして、「重心を下へ」というようなことを言われたりしますが、少なくとも横隔膜は逆の動きをしています。
・息を吸うとき
→ 横隔膜が働いて(収縮して)ドームの天井が少し浅くなって下りてきます。
・息を吐くとき
→ 横隔膜が仕事をお休みしてゆるみ、また高い天井のように上方向へ戻っていきます。
なので、
息を吐くとき、横隔膜は上へ移動
します。
こういう身体の構造からみると、息を吐くとき(音を出すとき)は、息に関しては下方向をイメージしていてもうまくいかないケースがあってもおかしくないのです。
・とくに役立っている感じがしない
・むしろ吹きづらい
感じがしていれば、息を吐くときは、息の流れを上方向へイメージしましょう。息を口の天井の硬いエリアへ流し続ける、とイメージするのが大変便利です。
…..とは言いつつも、息を吐くときに横隔膜が上がる、というのは「普通の呼吸」のはなし。
管楽器の演奏や歌を歌う時は、息を吸う時に横隔膜がONになった後(下がってくる)、息を吐く=音・声を出す時に「横隔膜をさらにONにする/ONを保つ」ようなことをできると呼吸の操作能力がアップします。
この感覚をつかむには次のようにしてみましょう。
1:仰向けになり、膝を立てます。足の裏は地面に着くように。
2:胃.みぞおちのあたりに重い本を置きます。
3:息を穏やかに、でもたくさん吸います。
4:すると、お腹が膨らんで本が動きますね。仰向けのとき、本は天井方向に動きます。
5:息を吐きます。
6:もう一度息を吸います。今度は、さっきよりさらに本を天井方向に行かせることを意識して。
7:息を吐きます。しかしなるべく本の位置を天井よりに保とうとして。
この、6・7のところで感じる力・労力・仕事が、おそらく横隔膜やお腹を外に押す腹筋の感覚です。
この 感覚を、息を吸うときにどんどん促してみましょう。
また、息を吐くときも使えます。息の流れの安定に作用すると思います。
!!注意点!!
・背中や腰を反っては元も子もありません。それは横隔膜やお腹を外に押すの力ではありません。
横隔膜の通常の動きについては、こちらの映像がとても分かりやすいです。
*ビジブル・ボディの提供による画像*Thanks to @visiblebody
その4【全式呼吸】
そもそも、
「腹式呼吸」
「胸式呼吸」
という言い方・分け方自体が、かなり問題があると思います。
なぜなら呼吸はいつでも
胸やお腹だけでなく全身が大いに関っている=「全式呼吸」
だからです。
これからは、「全式呼吸」で考えていくようにしましょう。
ここまですでに、
・みぞおちから上の広い範囲
・肩
が息を吸うときに動いていることは述べました。
あとは、呼吸に深く関っているのに存在を忘れられがちな場所や筋肉たちをいろいろ紹介します。
そうすることで、「腹式」「胸式」という分け方がちょっとナンセンスなのが感じられると思います。
いかに「全式」か、イメージを広げていきましょう。
〜首も関係している〜
たとえば、息を吸うために働く筋肉が首の奥にあります。
これらの筋肉は、肋骨を上から引き上げてくれるのです。
「斜角筋」
*ビジブル・ボディの提供による画像*Thanks to @visiblebody
〜腕も関係している〜
腕の土台である肩甲骨。
その肩甲骨と肋骨をつなげるこの筋肉は、肋骨を引き上げて息を吸うことを手伝います。
*ビジブル・ボディの提供による画像*Thanks to @visiblebody
〜脚も関係している〜
まずは、横隔膜。それの下端に注目。腰椎(背骨)に付いているのが分かりますか?
*ビジブル・ボディの提供による画像*Thanks to @visiblebody
次の画像は、「腸腰筋」と呼ばれるグループです。腰と脚を結んでいます。脚を動かすいちばんの大黒柱であり、腰を安定させる土台でもあります。
そのパワフルな筋肉グループの上端が、横隔膜の下端と重なるのが分かりますか?
また、肋骨突起ともつながっています。
そこから、脚の上部までつながっています。
*ビジブル・ボディの提供による画像*Thanks to @visiblebody
つまり、脚も呼吸に深く関係しているのです!
〜お腹ももちろん、重要です〜
お腹の筋肉は、も「息を吐く」ための主役です。
その「お腹」も思っているより遥かに広い範囲に及んでいます。
まずはみなさんが思っている「お腹」は正面のことがメインでしょう。その正面のお腹にしても、実はこんなに長い筋肉なのです。なんと、肋骨から、恥骨まで及んでいますね。
*ビジブル・ボディの提供による画像*Thanks to @visiblebody
身長175センチのわたしの場合、60〜70センチくらいありそうです。
次に、脇腹も。ここにも息を吐くことに使われる筋肉がありますす。
ほら、前から後ろにかけて、ぐるっと取り囲んでいますね。しかも、3層構造になっています。
1層目
*ビジブル・ボディの提供による画像*Thanks to @visiblebody
2層目
*ビジブル・ボディの提供による画像*Thanks to @visiblebody
3層目
*ビジブル・ボディの提供による画像*Thanks to @visiblebody
後ろ側。これも息を吐くのを助けています。
*ビジブル・ボディの提供による画像*Thanks to @visiblebody
最後に、いちばん忘れられがちなのに、実はすっごく重要な「お腹の底」。
これも何と息を吐くうえで非常に大切な役割を果たしています。
正面から見ると
*ビジブル・ボディの提供による画像*Thanks to @visiblebody
上から見ると
*ビジブル・ボディの提供による画像*Thanks to @visiblebody
下から見ると
*ビジブル・ボディの提供による画像*Thanks to @visiblebody
ほんとうに胴体のいちばん下にありますね!!
ここまで、呼吸の意識を広げましょう。
ちなみにここは、横隔膜と真逆の動きをします。
・息を吸うとき
→ 骨盤の中へ下りていきます。
・息を吐くとき
→内蔵を上に押し上げます。
(お腹に息を入れる、という比喩やイメージは、骨盤底まで意識を向けること、そして息を吸うときの横隔膜が結果的に下がる動きを促すうえで役立っているから使われてきたのだろうと思います。)
さあ、これでいかに呼吸が全身が関与しているかが見えてきたと思います。
もう、腹式呼吸か胸式呼吸かで思い悩む必要はありません。動くところがいくらでも動くことを大歓迎して、「全式呼吸」でいきましょう!
その5【息を吐くときのお腹の力】
息を吐くとき、つまり音を出すとき、お腹の力が頼りになりますです。
お腹の力を、音を出すために使いましょう。
では、どうしたらお腹の力がうまく使えるでしょうか?
詳細は「息の圧力の作り方」を参照して頂きたいのですが、
ポイントとしては次のことを意識してください。
① 上記で確認した骨盤底のイメージを積極的に活用してください。お腹のことをイメージするときは、できるかぎり先に骨盤底を。そして骨盤底のイメージを継続しながらお腹に。
② お腹の筋肉は息を吐くとき、まず「中」「内」方向に動きます。お腹が絞られるような感じです。(ちなみに横隔膜はこれに対抗します。そうすることで拮抗が生まれ、圧力や安定を生み出せるのだと思います)
③ もっと音を出していくにしたがって、お腹は下から上へ「上方向」に動く感じがするでしょう。
④ 普段の呼吸に比べて、胸部は思いっきりしぼませることも、なかなかしぼませずに保つこともできます。その両方をやってみてそれぞれの感覚や効果を味わい、レパートリーに入れておきましょう。
その6【重心】
よく、「重心を落としなさい」と言われることもありますが、それもちょっと漠然としすぎていますし、分からないままやろうとすると、この「お腹と息が上に動く」感覚を「ダメなんだ」と思ってしまいかねません。
なので、わたしは、「重心を落とす」というアイデアは、とくに役立っている実感がなければ、それにはこだわらずに、息の流れや身体の実際の動きにイメージを合わせることをオススメします。
重心を落とす感覚には二通りの可能性があるとわたしは思います。
① 横隔膜をおもいっきり使う感覚。横隔膜が下がってくる力が腹腔にかかります。これは骨盤底/足の裏方向のちからです。立っているとき座っているときは「下方向」のちからです。ですから「重心を下げる」という表現につながる可能性があります。実際、呼吸や姿勢の安定効果があると思います。
② 腰を落とす感覚。具体的には、股関節、膝、足首を曲げる動きです。お相撲さん四股のような動きの、量的に少ないバージョン。これも呼吸や姿勢にパワーと安定を生み出してくれるように思います。気をつけたいのは、多くのひとが股関節を曲げそびれていて、尻尾を巻くような姿勢になってしまうこと。腰を落とす、重心を下げることをやっているつもりで実際には不安定な固定を生み出してしまいがちです。なかなか高度だと思います。スキーのジャンプの姿勢をイメージするとやりやすいかもしれません。
その7【お腹を外に張る感覚】
これはプロの演奏家から習うことが多い感覚で、大事な感覚なのですが、
なかなか伝えるのも理解するのも難しい傾向があり、
これをやろうとしてうまくいっていない、あるいは有害な結果になっていることも多いです。
この感覚をつかむ方法には
①先述の、その3【横隔膜】にある横隔膜エクササイズを参照
→ぜひやってみて下さい。
②すこし背中を沿ったときの腹筋の感じ
→手を脇腹に置いて、すこし背中を反ります。すると腹筋がはたらいてお腹が膨らむ感じがするのが分かりますか?これが、《お腹を外に張る感覚》です。
つかめたら、ぜひ息を吸いながら、この感覚を積極的に作ってみてください。
それで吹いて/歌ってみるとどんな音や吹きごこちになるか、試してみましょう。
以上、呼吸に関してかなりの範囲をカバーできたと思います。
あなたの役に立つ事を願っています。
P.S.感想やご質問はいつでもお気軽に ask@basil-k.com までどうぞ!
はじめまして。
私はクラリネットを吹いています。
先日、レッスンのときに、
「息を吸うときも、おなかの力は抜いてはいけない」
といわれました。
そうしないと、次の音がしっかり出ないから、と。
やってみたら、そのときは確かに、次の音がしっかり出ました。
それから、おなかの力を抜かずに息継ぎをするように気をつけています。
そしたら、最近、息を吸える量が少ないような気がするのです。
普段は、調子のいいときはおなかの内側をゴム風船のようにやわらかく感じ、調子が悪いときはビーチボールくらいのかたさに感じます。
でも今は、バレーボールみたいにかたくて自分の息でふくらませにくいモノになっていまったように感じるのです。
息を吸うとき、「おなかを緩める」と「「おなかの力を抜かない」は、どちらが正しいのでしょうか。
ちなみに私の先生も、Essen Folkwang大学を卒業されています。
(アレクサンダー・テクニークも学んだそうです)
のんさん
身体の仕組みで話をすると、おなかの力を入れっぱなしだと、息を吸ってもおなかはふくらみにくくなってしまいますね。
あと、「ふくらませよう」とするのも、力みにつながります。ほっとけば勝手にふくらみますし、ふくらむかどうかはとくに意識する必要もないと思います。
大事なのは、音楽、音、吹きやすさ、ですからね。
ご回答ありがとうございます。
なんだかちょっとスッキリしないですけど。。。
「緩めておく」と「力を抜かない」は矛盾しますよね。
体の使い方として、どちらが正しいんだろう?
と思ったのですが、「意識しない」というのが解決策になるんでしょうか。。。
なんだか精神論みたいですね。
どこの箇所の記述のことでしょうか?
お腹のことならば、
息を吸うとき=仕事をしない。つまり緩ませておく。だから、内蔵の動きによって「動かされる」
息を吐くとき=仕事をする。つまり使う。動かす。
ですが。
とってもシンプルかつわかりやすい説明です。
いろいろな気づきのきっかけとなりました。
ありがとうございます。
バジルさんの文章は簡潔でシャープだけど、
身体や人間に対する深い愛が感じられるから、
すっと自分の中に入ってきます。
藤本さん
コメント、心に沁みます。
ありがとうございます。
私は、バレエを生業としているものですが、ダンサー達も沢山誤解だらけの教授を必死に守り、苦労しています。日本の抱える文化レベルでは、なかなか思うように教授しきれないため、私は独自のトレーニングを開発し推奨していますが、まさしく貴殿のメソッドに大賛成です。うちではBODY MAIKINGと名付け、ダンサーのみならず、役者や歌い手の方々にも受講頂いております。さらに日ごろ運動不足の一般層の方々の成果は顕著なものであります。むしろ、ダンサーにしても歌い手にしても誤解したままプロ歴を長ければ長いほど、癖が抜けません。やはりプライドが自らの思考をかたくなにさせてしまうのでしょうね。残念です。
突然失礼いたしましたが、そんなわけでこの記事をシェアさせていただき、受講生への裏付けとなればよいなと思います。ありがとございました。
TNBALLET さま
同じ原理をダンスに応用されている方々がいます!
http://atdancebody.jimdo.com/プロフィール/
http://ameblo.jp/holistic-body/
文面・内容に好感を持ちました。ありがとうございます。
他の本の中の呼吸について、脊柱が「息を吸うときに短くなり、吐くときに長くなる」という図が載っています。この内容には、混乱させられました。
みかんさん
>脊柱が「息を吸うときに短くなり、吐くときに長くなる」という図が載っています。この内容には、混乱させられました。
ほんのわずかに「そういう動きが起きている」らしいのですが、自分で「やる動き」ではありませんね。
ありがとうございます。今後とも、ご活躍を!
basilさんはじめまして。
私は心身に不調を抱えつつ仕事をしている者です。
自分なりにその原因は呼吸の仕方にあるのではないかと思い、それを改善すべく、数年来、関連する書籍を読んだり、インターネットで検索したりしていました。
腹式呼吸で検索すると、純粋に呼吸のことを書いてあるサイトと並んで、吹奏楽器をうまく吹くための呼吸法がヒットしますが、これまでは吹奏楽関連のサイトは外していました。
今日たまたまbasilさんのサイトを訪れ、人体の画像を使って呼吸に使う筋肉やその位置の詳しい解説を興味深く読ませてもらいました。
吹奏楽でも、腹式呼吸がよいとされているようですが、あくまで肺は体の上部、一番上は鎖骨より上にあり、胸を使わない呼吸がいかに不合理かを説いてあるのが理にかなっており納得せずにはいられませんでした。
純粋な呼吸法の本やサイトでも、ここまで論理的に解説してあるものは今まで見たことがなく、大変秀逸で有益な内容だと思いました。
自分にとっても非常にためになりました。今後、このサイトをよく理解して正しい呼吸ができるように努めようと思います。ありがとうございました。
ないっちさま
はじめまして。
アレクサンダーテクニークを発見して整備した F.M.アレクサンダー さんは、「呼吸『を』コントロールすることはできない。コントロールできるのは、身体、マインド、霊性(日本語で言えば、「こころ」に当たるかもしれません)という自分自身をまるごとひとつとして扱うときのみだ」と述べています。
19世紀の生まれのひとですから、現代から見るとすこしちがうかもしれませんが、もしかしたら何か役に立つかもしれないと思い、引用させて頂きました。
ピンバック: 呼吸の誤解を大掃除 〜これできょうからもっと吹きやすくなる〜 | バジル・クリッツァーのブログ | KOIWASTYLE
ピンバック: 「やり方」が「機能」に影響する | バジル・クリッツァーのブログ
ピンバック: 2013/7/4 配信【コミュニケーションの鍵】池波正太郎さんにも必要なのだから・・・ | U.B.U. Speech Consulting ブログ
はじめまして!!!
私は中学校で吹奏楽部に入っており、名前の通り、ホルンをやっています!!
顧問の先生にすすめられ、こちらのサイトを見たところ、すごく分かりやすい説明がされていて、良く分かりました!!
最近は、顧問の先生や先輩によく、「息を吸って」等と、言われていたので、このサイトにかかれていたことを意識し、これからホルンを吹いていきたいと思います。
夢果Hornさん
コメントありがとうございます!
役立ったことをこうして知れると、とても嬉しく、また頑張ろうという気持ちになれます (^^)/
顧問の先生にもどうぞよろしくお伝えください♪
Basil
質問があるのですが、先輩には、息を吸うときはお腹に力を入れ、膨らませないようにと言われましたが、顧問の先生には緩めてもよいと言われました。実際、どちらの方がいいのでしょうか?
夢果Hornさん
先輩がまちがっています(^^;;)
息を吸うときにお腹に力を入れるのも、膨らませないようにするのも、吸う量が減ってしまうし、無駄に力みます。
吸うときにお腹が緩んでいた方が、たくさん吸えます。
分かりやすい説明、ありがとうございます♪
こんにちは
高校でトロンボーンを吹いています
横隔膜のエクササイズを試みたのですが、6番の本を天へより高く上げようとするところまではできるのですが、その後に本を上げたまま維持しようとするとどうしても腹筋に力が入り、腹筋で維持しようとしてしまいます
具体的に言うと、お腹の前側にある筋肉が固くなってしまいます
お腹を触ると固まっていました。
腹筋に力を入れずに横隔膜のみで保つにはどうすればよいでしょうか?
いざわさん
もしかしたら、「本を天井へ上げる」ことにばかり意識がいっていて、その方法が「息をもっと吸おうとすること」(ちなみにその担当者が横隔膜なわけですが)であることを忘れていませんか?
6のところで、「お腹は天井に」とイメージしながら、「もう一息息を吸い込もうとしてみる」とどうなるかためしてみてください。
ただし、鼻呼吸で。
Basil
ありがとうございます
息を吸う時の横隔膜の感覚がなんとなく分かりました!
分かりやすい説明ありがとうございました!
この感覚を意識しながらブレスをしていこうと思います
私はチューバを吹いています
元々猫背なのもあり背筋を伸ばして息を吸うよりも腰を曲げて吸った方がたくさん吸えます
腹式もできているかよくわからない状態です
どうすれば正しい姿勢で息をたくさん吸うことができますか?
かえでさん
大切なのは、苦しい思いをしたり演奏がしづらくなってまで正しい姿勢になろうとすることでなく、
自分にとって吸いやすい・演奏しやすい状態でやることです。
だから、いまのやり方(腰を曲げる)でひとまずよいのではないでしょうか。
腹式呼吸に関しては、この記事を読んでいただければ心配の必要がないことが分かっていただけると思うので、読んでみてください。
Basil
本当に猫背で首を前に出してしまうのですが息の流れとかは大丈夫なのでしょうか?
腹式呼吸は顧問に聞いたところ吸えてるけど吐けてないと言われてました
かえでさん
試してみてはどうですか?
・自分の普段の姿勢のままで息を吐く
・無理やり姿勢を伸ばして息を吐く
どっちの方が息が吐きやすかったり、音が良かったりしますか?
もし無理やり姿勢を伸ばした方が良いのなら、無理やりでなく姿勢が自然と伸びるにはどうしたらいいかを考える必要がありますね。
また、首を前に出す、というのと猫背は同じことではないと思いますよ。
構えるときに、肘や肩を楽に自由に動かして楽器を口元までちゃんと運べば首が前に出なくてすむというケースもあります。
ピンバック: 歌のヒントがヨガにあったりして。 | 歌のことをうたっている。(ブログで)
ピンバック: お腹の使い方〜損するやり方と、うまくいくやり方〜 | バジル・クリッツァーのブログ
ピンバック: 呼吸ウォーミングアップ&エクササイズ | バジル・クリッツァーのブログ
ピンバック: 呼吸ウォーミングアップ&トレーニング by バジル・クリッツァー
はじめまして。中学高校の時に吹奏楽(クラリネット・オーボエ)経験者で、今は理系の研究者(大学の先生)です。私は留学などで海外(米・英・カナダ)に15年居たのですが、90年代後半、ロンドンに居た時に、下宿先の大家さん(英国王立シェークスピア劇団の俳優さん)が英語(発音)の個人レッスンをしてくれる事になり、その時のレッスンの大半がアレクサンダー法(Cicely Bailey著の教科書)で、それこそ映画「英国王のスピーチ」のようなレッスンを毎週受けて居ました。そのお陰で英語での(いわゆるお腹から声を出す)プレゼンが上手くなり、日本に戻って来てからも大学などでプレゼンを教えて居ます。そこで、たまにアレクサンダー法について検索するのですが、半年近く前にバジル先生のこの記事を拝見し、日本で学ぶ間違った呼吸法の原因について、なるほど!と感心したり、自分の発声法・呼吸法に取り入れたりしています。そのためか、最近お腹周りが凹んで来ました。今日お便りしたのは、Youtubeで関連動画を見つけたからです。Bass Clarinetの演奏法の教え方が上手い(Bass Clarinet以外の木管楽器奏法全般に使えるテクニック)Michael Lowensternさんの連載(Earspasm Music)があるのですが、その中に(初級者から中・上級者まで基本・応用テクニックを教えた後で)「クラリネットの禁じ手、闇の奏法:初心者から上級者まで」というエピソードがあります。バジル先生の仰っている事と重なるので、笑い・楽しみながら観ました。日本の音楽の先生たちが見たら、腰を抜かすと思います。また、このMLさんのエピソードの最後の部分によると、体をリラックスさせ過ぎると トランス状態(Music performer’s trance?)に陥り、怪我をしやすいのだそうです。もうご存知のサイトかもしれませんが、まだご覧になっていない場合はお勧めです。https://www.youtube.com/watch?v=5twANQ7S050 P.S. バジル先生のレッスンを受けようと思い、5月くらいから何度もチェックしてますが、予約で満杯ですね。いつかレッスンを受けてみたいです。
吉田さん
申し訳ない!このコメントの存在に2年経ったいまになって気づいてしまいました。
おっしゃる通り、「リラックス」を文字通りやってしまうのは、管楽器の演奏には(そして歌やピアノにもきっと)適切ではないと思います。
力めっちゃ使いますしね。
無駄な力、といいますが、どのような力をどのような基準で「無駄」と定義するのか。
もっともっと議論があっていいと思います。
いまさらですが、年始からレッスン提供します。
詳細はこのページ:https://peraichi.com/landing_pages/view/basil1to1
直近の空き枠はこのページ:goo.gl/YqXcmS
にそれぞれ記載がありますので、お会いできることがあれば嬉しいです♪
ピンバック: 『重心』に関する興味深いやりとり | バジル・クリッツァーのブログ
こんにちは、アマチュアのSax吹きです。
息の出し方を科学的に説明できないかと思って検索したら、ここに。
いままで試行錯誤して、こんな感じかなと思っていたことが明確に
なりました。
さらに吹奏楽器の演奏では、口の中の形/息の流れ、唇の緊張/形など
も重要で、科学的な説明が出来ないかと思っています。
tyさん
コメントありがとうございます。
これは科学的というよりは、解剖学的に分かっていること、そうだろうと言われていることを用いて、
管楽器の呼吸運動の説明を試みたものです。
金管楽器のアンブシュアに関しては、息の方向とアンブシュアの機能の仕方は、統計的に型とパターンが判明しています。
:金管楽器の3つの基本アンブシュアタイプ
息の流れや唇のテンションなどは、それの計測手段が確立して、かつ十分なサンプルを解析したらある程度の型とパターンは判明してくるでしょうね。
そこまに行くのに必要なのは、計測や観察を正確に行うための「科学技術力」や「資金力」ですね。
Basil
こんなに早く、ご返事いただけるとは。
ありがとうございます。
アマチュアのBig Bandに参加しておりますので、
早速、提示いただいた情報をメンバーと共有したいと思います。
ありがとうございます。
ぜひよろしくお願い致します。
Basil
こんちには。バリトンサックスを吹いている高校生です。
ブレスは息が沢山入るようにして息を吸えばいいと知って、今まで体が固まっていたんだなと実感しました。
息を吸う時間がたくさんある時はその分沢山吸えるのですが、短い時間で吸うとなると息が全然吸えません。短くても息が沢山吸える方法はありますか?
カナさん
「方法」はないと思うけれど、楽器を練習しているうちに徐々にできるようになっていくと思います。
この記事もどうぞ参照してください:
http://basilkritzer.jp/archives/6366.html
Basil
ありがとうございます!
早速実践してみます。
こんにちは。
ホルンを演奏しており、今年音大を受験する者です。
呼吸に関し『金管演奏の原理』という本では、
肺を空気で一杯にし、胸張った状態を保ったまま息を吐き出す。
という説明があったのですが、これは、胸の位置は動かさずお腹から上に空気を押し出すということでしょうか。
また、「胸を張ったまま息を吐く」ことは可能なのでしょうか?
ご回答よろしくお願い致します。
アルプスさん
それは息の支えのことです。
このブログを『息の支え』で検索して表示される記事のいくつかが参考になると思います。
http://basilkritzer.jp/?s=息の支え&submit=Search
なるほど、ありがとうございます。
こんにちは。私は高校でクラリネットを吹いているものです。
楽器を始めて4年目の後輩がいるのですが、全然息を吸うことが出来ていなく、悩んでいます。
どうにか大きなブレスをしてほしいと楽器無しでのブレストレーニングはもちろん、床に寝そべって足を軽く曲げブレスしてもらったり、背中を軽く押してあげて、「これに反抗するように息を吸ってみて!」などと言ってみたり、バジルさんのブログにも書いてあるように肺の位置は本当はここなんだよ、と教えてみても楽器を十分に鳴らすことが出来るブレスが出来ていません。どれくらい吸えないかと言うと、息を吸っても音がならないくらいです。
どうしたらたくさん息を吸えている、という感覚を体感してもらえるのでしょうか……。バジルさん助けてください。
らっちさん
この二つの記事の、エクササイズやってみるとどうなるかな??
http://basilkritzer.jp/archives/6366.html
http://basilkritzer.jp/archives/7636.html
質問があります。
吹奏楽をやっていない人、又は始めたばかりの人が「思い切り息を吸って〜」と言われたときに「ハー」というブレス音で息を吸い、同時に肩が上がっているのをよく見るのですが、その状態とリラックスした状態で息をたくさん吸ったことにより肩が動いている状態はどのように見分けたら良いのでしょうか?
また、ブレスがが前者だった場合、後者との違いはどのように説明すれば良いのでしょう?
彦四郎さん
いちばんの違いは、積み重ねた練習とトレーニングによる「キャパシティー」のちがいでしょう。
この場合、実際の肺容量もあるでしょうし、呼吸運動の能力もあるでしょう。
後者は、たくさん吸うキャパシティーがもうできているので、自分で思っている「これくらい吸う」という量を実際吸うことが可能なのです。
一方前者は、「これぐらい吸おう」と思っている量やペースが、いまの自分には不可能な量なのでしょう。
不可能なことをやろうとすると、力みます。
ですから、指導する側は力みを指摘してもダメで、
・そのひとにいま可能な量を見極める
・可能な量を徐々に増やしていくための具体的な技術的ポイントや練習方法を提案する
必要がありますね。
肩が上がっているかどうか、というのはあまり役立つポイントではありません。
Basil
こんなに早く返信を頂きありがとうございます。
力みを指摘しなかった場合、無理やりブレスをして楽器を吹く癖がつくことはありませんか?
又、個人的に可能な量を徐々にややしていく練習というのは、数あるブレス練習の中でも寝転びながらするブレス練習が効果的だと思うのですが、その点についてどう思われますか?(私は実際に仰向けになってみぞおちあたりに物を置き、8拍鼻から息を吸い、8拍止め、8拍で口から息を吐き切るという練習をしていました。)
それと、学校では前屈し、脱力した状態でブレス練習をする方法を教えられたのですが、これは効果的な練習法ですか?
個人的には楽器を吹く前にこれをするとリラックスして吹ける気がするのですが‥
質問ばかりすみません。
>>力みを指摘しなかった場合、無理やりブレスをして楽器を吹く癖がつくことはありませんか?
力みの原因が、「無理(=キャパオーバー)して息を吸おうとしていること」なので、キャパオーバーさせるような指示をせず、
徐々に一人一人に適切なペースで練習の何度を上げていく必要があるのです。
力みを指摘しても、それは指摘だけであって原因を解消することも、力みを取ることにもつながっていません。
>>寝転び練習/前屈練習
どちらも、背骨を支える仕事を一回おやすみすることで呼吸を大きくしやすくする工夫ですね。
良いんじゃないんでしょうか。
本格的に呼吸の訓練に進みたかったら、
・ヨガ
・The Breathing Gym
・黒坂洋介さん著『呼吸を変えれば音楽が変わる』
がお勧めです。
Basil
ありがとうございます!
これで疑問がなくなりました!
はじめまして。
大学4年生のホルン吹きです。
YouTubeの呼吸法の動画を見て、こちらのブログを拝見いたしました。
息の吸い方を見直すと、今まで音が揺れたりスラーがうまくいかなかったりしていたのですが、それが解消されてきたと感じます!教えてくださってありがとうございます。
また、以下の文は私事ですが読んでいただけると嬉しいです。
私は中学1年生からホルンを続けているのですが、無理のあるアンブシュアで吹き続けていたせいか、大学1年生の時に突然ほとんど音が出せなくなってしまいました。アンブシュアを変えて練習してきましたが、それから3年が経った今でも前の方が上手く吹けていたような気がして、なんとか昔の技術を取り戻せないかとがむしゃらにやっていました。ホルンが好きなはずなのに吹くことが辛く、とても苦しかったです。
そんな中このブログを見つけて、技術的なことだけでなくメンタルや体の使い方について知ることができ、少しずつ辛い状況から抜け出せてきていると感じています。昔に戻すというより、これから私なりのうまくいく方法を見つけていこうと思えたのはバジル先生のおかげです。こうして発信してくださって、本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします!