口の中の「広げる場所」を変えたら、息の流れがよくなり高音が綺麗に太くなった

トロンボーン吹き高校生からメールで質問を頂きました。

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【質問者】

ブログを拝見させていただいてるのですが、高音域を吹くアプローチとても参考させてもらってます。ありがとうございます。


1つ質問があるんですが、トロンボーンで上のFは問題ないのですが、そこからハイBにリップスラーで上がる際、唇の両端がへの字になってしまいます。

マウスをしっかり唇にプレスをするのですが、音が散ってしまったり、か細い音になります。

口腔内はイのシラブルを使い、狭くするようにしてます。

への字にならないように高い音を吹くにはどのようはアプローチをしていけばよいでしょうか?



【バジル】

ヘの字でも別にいいはずですよ。
それがそのひとに合っている状態であれば。



【質問者】

レッスンの先生がへの字は直さないとと言われました。
唇を横に引っ張りさげてるからそれは、ハイトーンにはだめだと。

それは気にしなくても大丈夫なんですか?



【バジル】

ひとによって、高音にいくにつれて唇が引っ張り下げられるひとと、押し上げられられるひとがいます。


参照:『金管楽器の3つの基本アンブシュアタイプ』

この研究によると、それはそのひとの骨格など解剖学的条件で決まることであり、自分のタイプと逆のことをやるのは損をするばかりのようです。



【質問者】

ありがとうございます。
ぼくのように唇が引き下がるので中低音タイプですね。

まさしく中低音は太いですが、高音域は犠牲になってます。これって解決策ってあるんでしょうか?



【バジル】

どのように高音域を犠牲にしていますか?



【質問者】

中低音を出す際、バストロのような太い音をだしたいので口腔内は「オ」、または「オ」に近い「ア」でやるようにしてます。

チューニングBより上は、Aないしe.iのシラブルを使いますが、オペラ歌手が歌うような感じで上の音になっても、口の中は広くとるようにしてます、

そのため息のスピードが足らず、高い音がでにくいのかなとおもいます。



【バジル】

なるほど。たしかに、高音に支障が出ている説明になっているように思います。


オペラ歌手が歌うような「感じ」というのが、たぶん口の奥〜喉(けっこう後ろ、下の方)を拡げて下げるような「感じ」にしているのではないでしょうか?

そうだとすると、実は歌手はそうはしていません。それをしても響きはくぐもるだけで鳴りが鈍くなり、音程も下がるし、高音のパワーも削がれるからです。


次の二つを試してみてください。

①「口の中の形は、いくらでも動いていい、なんだっていいからほっておこう」という意識で演奏する。

② 拡げる場所をまったく変える。いままで拡げていたところを拡げるのはまずきれいさっぱりやめる。そして、口の天井の柔らかいエリアが上に上がっていくようなイメージをしてやってみる。そのエリアも好きに動いていいよ、と思ってやってみる。


それぞれどうなるか、報告待ってます。



【質問者】

①に関してですが、口の中に関して意識せず、自由にほっといて吹いてみました。結果、思った以上に口の中が狭くなり、楽になったというより違和感が強く感じられました。吹きにくく、また、高い音に関しては、あまり変化なかったです。


②柔らかい部分が上にあがるように意識をしていくことですが、これはいいヒントになりました。僕の吹き方は、舌が前にでてきており、タンギングをする際は舌の先端ではなく、舌の腹でしてます。
そのことがあって、口の中を広くとらないと舌が厚いこともあって、息の流れが悪くなり口先で吹くような感じになるみたいです。


拡げる場所を変えるを考えた時、息の流れをよりよくすることに意識してみました。柔らかい場所があがっていく感覚と口の中をオという形をとらず、自由に息が流れるぐらいに口の中を広げて吹く。

今日実験をしてみたら、1時間の練習でずっと上のFからHi bまで、前よりは綺麗に太い音がなりました。

あとは、舌と息と腹のバランス。どれかに意識をしすぎると上手くいかないし、むしろ、わからなくなったら、歌ってから吹く方が上手くバランスが取れると感じました。


忙しい中、アドバイスありがとうございました!



【バジル】

まず、①よりもう一歩踏み込んだ②の方が役立ったということ自体が、わたしにとって勉強になりました。

同じような悩みのひとに、①を提案するとそれがすごくよかったというひともいるので、こうして質問をもらえて、提案をして、試してみたらどうなったかを教えてもらえるというやり取りがわたしにとってとても有意義です。


>>タンギングをする際は舌の先端ではなく、舌の腹でしてます。そのことがあって、口の中を広くとらないと舌が厚いこともあって、息の流れが悪くなり口先で吹くような感じになるみたいです。

なるほど。

口の中を狭くする、という系統のアイデアが使いにくいひと、相性が悪いひとがいるということを示しているのかもしれません。この可能性にこうして気がつけて、わたしにとってとても勉強になりました。


>>柔らかい場所があがっていく感覚と口の中をオという形をとらず、自由に息が流れるぐらいに口の中を広げて吹く。今日実験をしてみたら、1時間の練習でずっと上のFからHi bまで、前よりは綺麗に太い音がなりました。

いいですね!

柔らかい場所が、実際にいつ上がったり下がったりするのかはわたしもわかりませんが、関与して動いている(動かしているというよりは、動いている、に近いかもしれない)のはおそらく確かだと思います。

実際に上がって良くなったのかもしれないし、そこが上がるイメージによって実際はベロや喉が上がってうまくいったのかもしれませんが、このイメージがしっくりくて役立つかぎりは、安心して使い続けてください。またイメージをもっと洗練していくのもよいでしょう。


>>歌ってから吹く方が上手くバランスが取れると感じました。

素晴らしい実感と気づきです。

あなたにとっては、これからさき長きにわたって「歌ってから吹く」という方法がシンプルかついちばん効果的で道の迷わず、また迷ったときに戻ってくる立ち位置であり続けるかもしれません。

効果的だったり、気持ちのどこかでしっくりくる感じが続くかぎり、心の隅にこのことを常に置いておいてあげてください。


Basil Kritzer







17 thoughts on “口の中の「広げる場所」を変えたら、息の流れがよくなり高音が綺麗に太くなった

  1. いつも有益な情報を提供して下さりありがとうございます。
    色々と奏法上の問題を抱えてましたが、ここで得た情報でだいぶ問題は解消し楽しく楽器を吹いています。
    ただ、永らく抱えている問題もあります。トリプルタンギングとブレス直後のアタックです。

    トリプルタンギングは口だけだとスムーズなのですが、楽器を吹くと舌がもつれてしまうのです。ttkttkttktt..といった感じです。
    余計な力みがあるのでは?と思うのですが、具体的な解決策が見当たりません。

    アタックの問題ですが、一時期、クリアなアタックを意識し過ぎてブレス直後のアタック時に、アンブッシュアを固くしてしまう悪癖がついてしまいました。現在はだいぶ直ってますが、たまに悪癖が出てしまいます。とくに中低音域です。

    二つの問題はどこか関連しているような気もします。
    何か解決のヒントがあれbご教示下さい。よろしくお願いします。

    • おはようございます。

      それぞれ、似た悩みを持つ方とのやり取りを記した記事や、関連する記事が複数あると思います。

      ぜひ検索して読んでみてください。

  2. こんにちは。ホルン歴5年目の高校2年生です。
    いつもブログを拝見させていただいています。

    シラブルのことなのですが、最近どう意識しても低音域のシラブルのまま中高音を吹いてしまいます。日によってはチューニングB♭すら締め上げた音になってしまい、音を出すことが辛くてろくに練習できません。
    おそらく、1月頃に高い音が苦手なのを克服したくて、下唇を上手く使えず押し付けて吹いていたので、高音域が得意な友達の真似をして、下唇のマウスピースをあてる割合を多くしたり、下唇を巻き込んだりして練習してしまったのが原因かと思っています。(私は超高位置タイプです)そのときに、同時に豊かな音にしたくて、喉の奥や口の中の広さを広くしてしまい、高音域の吹き方も分からなくなり、前よりさらに高音域が出なくなってしまいました。
    後々バジル先生の金管楽器の3つの基本アンブシュアタイプの記事や、口の中の「広げる場所」を変えたら、息の流れがよくなり高音が綺麗に太くなったという記事を読み、そこで初めて自分の間違いに気付くことができました。

    最近では口笛を吹くように吹いてみたり、上の2つめの記事にあった口の中の天井を意識したり、息の流れと一緒に唇もマウスピースの中にいくイメージをしたりしているのですが、すぐに元の状態に戻ってしまいます。

    もっと別のところに問題があるのかもしれないのですが、意識すればするほど悪化していきます。
    どうすればよいのでしょうか。

  3. こんにちは、初めまして。ためになる記事ばかりで毎日読んでおります。
    今私はトロンボーンでの音大受験を間近に控えているのですが、高音(主にハイA、B。ハイH、Cはほぼ出ない)が苦しい音しか出ず2回ほど吹いてバテてしまいます。試験課題にも2オクターブの音階があります。
    バジル先生の高音についての記事を読ませて頂き、アンブシュアは恐らく低位置タイプなのではないかと思います。息を当てる場所を口の天井に意識してみたり、もう何も気にしないでやってみる、というのも実験してみましたがどうも手応えがありませんでした。
    どことなく息が詰まる、吸った息の30%ぐらいしか高音を吹く時には出てきてないように感じています。
    自分のトロンボーンの先生は基礎と頑張りが足りないとおっしゃりましたが毎日ピアノを弾き音をイメージしながら吹いて、を繰り返しても本とか手応えがなく今とても辛いです。やってもやっても泥の中をもがいてる感じでレッスン中でも1人での練習も逃げたいほど申し訳なく情けないです。
    どうやったらもっと高音をストレスなく出すことが出来るでしょうか。

    • 島村さん

      「どうすれば『あなたが』高音をもっと演奏できるようになっていけるか」

      というのは、やはり基本的にはあなた自身が発見し身につけていくものです。

      ですから、具体的にピンポイントでアドバイスするには、もっともっとたくさんあなたの考えていること・やろうとしていることを教えてもらうか、実際にレッスンに来ていただかなければなりません。

      今回頂いたコメントの範囲内では、ヒントになるかもしれない記事を紹介するにとどまりますが、
      ぜひ読んでください。

      ・http://basilkritzer.jp/archives/6199.html(超高位置タイプの方とのレッスンなので、あなたが低位置だとすれば、動きの方向は逆だったり別だったりしますのであなたのアンブシュアに置き換えて理解するようにしてください)
      ・http://basilkritzer.jp/archives/6197.html
      ・http://basilkritzer.jp/archives/5735.html
      ・http://basilkritzer.jp/archives/4629.html
      ・http://basilkritzer.jp/archives/4484.html

      Basil

      • こんばんは。お久しぶりです(^-^)
        あの後必死に練習して遂に音楽大学に合格することが出来ました!教えて頂いた記事を読んで成長できた所がたくさんありました、本当にありがとうございました!
        最近「レッスンが恐い」「練習が恐い」と思うようになりました。合格はしましたが高音は未熟でまだまだ練習を積まなければならないのはよく理解できます。レッスンに不安なく臨みたいのに準備が足りず「まだ高音が出せていない…」と思いながらレッスン
        に行く日々です。先生に「君は恵まれた環境にいるのになぜもっと本気で練習しないか?」「今の練習は甘えだ。もっともっと上手くて君より練習している人はたくさんいる」と毎回言われてしまいます。練習するときは常に向上心を持ってやっているけれど、それだけでは足りないのでしょうか。
        この頃は練習していてこの練習は甘いんじゃないか、でも何が甘くて何が厳しい練習なんだろう、と考えるようになり自分のやっていることに自信が持てず、私の思う練習は無意味なのではないかと思います。楽器を吹くのが辛いと思ってしまうこともありそんなことを思う自分も大嫌いです。
        また演奏がしたい、好きと思えるようになりたいです。

        • 島村さん

          音大の先生の多くは、

          『プロの現場で、ハイレベルな活躍をするひとを育てるために自分は教えている』

          と思っている先生も多いですからね。

          で、実際にそういうハイレベルな活躍をしているひとたち、なかでも音大生の時点や若い時からそれができているひとは、
          練習の目的や、やり方、モチベーション、成果がうまく結びついている(幸運にも)ひとが結構多いわけです。

          そうなっていない大多数の学生は、自分が何を目指し、何のために練習や努力をするのか(たとえ、先生や他人に認められなくても、です)を見出すことがとても大切になります。

          成果や結果が出るのに、時間がかかるひとはかかりますから、それまでは自分が自分を認める以外にないわけです。

          ようこそ、音大ワールドへといったところでしょうか….。

          よく向き合って、でも心身の健康と幸せ第一で、音楽に取り組んでください (^^)

          Basil

  4. 認めてもらえなくとも自分が練習する意味を見つけていかなきゃならないのですね。
    今はまだ難しいですがこれから4年間試行錯誤していこうと思います。
    高音が手応えがないことについてなのですが、私は下の音から上がるにつれて下唇を出すような形で吹いていることに気が付きました。チューニングB♭から音階で上がっていくとハイA、B♭のときには下唇の粘膜のところで口の空間はほぼ0の状態でしかも力一杯で吹いている感じです。とても苦しい割に細い音です。
    口の中の空間が0ということは息が流れていないのだと思いアパチュアを中低音の時くらいに保とうとすると息の圧力が散漫してしまいます。
    唯一まともに出る時は両唇を内側に巻き込んでアパチュアを小さく絞ったときです。でも音階で上がってくるとドンドン開いていってしまいますし、巻いた状態で吹くと力を思っているより使っているようで少し吹くともう巻けないほどバテてしまいます。
    先生には息をたくさん流して吹くようにしなさい、そのためには唇を柔らかくして吹きなさい、と言われたので中低音を吹く時の力んでいない唇からゆっくりグリッサンドを入れて半音ずつ上がっていく練習をしても高音域に来るともう力んでしまっている状態のようです。
    中低音を吹く時の口の中はアやオのシラブルで高音域を吹く時は口の中が締まりすぎてシラブルが無くなっているようです。

    • 島村さん

      >>両唇を内側に巻き込んでアパチュアを小さく絞ったとき

      この状態で発音して、リップスラーでアルペジで1オクターブ下降し、息を吸ったら次はさっきより半音上を『両唇を内側に巻き込んでアパチュアを小さく絞った』状態で発音してまた同じようにリップスラーでアルペジオで下降し、息を吸ったらまた半音上から….というような練習にしてみるとどうなるでしょうか。

      もしこの練習がいい感じににつながるなら、他のパターンの練習量をぐっと減らし、このパターンの練習を5やったら1だけちがうのを混ぜて、くらいの割合でしばらく続けてみるとよいかもしれません。

      でもほんとは、レッスン来ていただかないと、ちゃんとしたアドバイスはできませんので、近いうちに来てくださいね♪

  5. こんばんは。
    返信して頂きどうもありがとうございます!
    ハイB♭を1番出しやすかった両唇を巻いてアパチュアを絞った口でチューニングのB♭からなるべくその口を保つように、後はとにかく息をしっかり吸って吐こう!と思ってアドバイスして頂いた練習をやってみました。
    自分でもビックリするぐらい力が抜けているのにほぼストレス0で高音域が出せました!!調子が良いときにしか出せなかったハイD♭も出すことができて本当に驚きました。その後すぐにコンペティション用のバラードを吹いてみたのですが、今までやってきた吹き方はなんだったんだ?と思えました。私がこう歌って吹きたい、と思えば音がそれについてきてくれるという感じで、とにかく高音域に集中を注がなくても吹くことができてとても嬉しかったです!
    今までは中低音域に合わせたアンブシュアから無理やり高音域に合わせるために力を入れてとにかく唇を固くさせないと、と吹いていましたが、バジル先生の練習方法はハイB♭が出しやすい唇からいかにして中低音域までなめらかにシフトするかという吹き方なので、私の出来ないところにうまい具合に噛み合ったのではないかと思います。
    レッスンにとても興味があります!一度見学してみたいと思っていたんですが、迷っていましたので申し込んでみようと思います!

  6. 私はホルン担当なのですが
    高音域になると口を狭くする癖があります。
    これを対処するにはどうしたらいいですか?

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