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金管楽器を演奏される方にとって、
「音がハズれてしまうのではないか」
ということへの不安やそれに伴うストレスは多くの方にとって大きなものです。
この記事では、テクニカルなコントロールと、そのコントロールを身につけるプロセスをしっかり考察することで、
①この不安を乗り越え、
②技術を高めていく
そのための道筋のひとつを描写することを試みます。
【金管楽器の音の生み出し方】
金管楽器は管の長さをスライド、ピストン、ロータリーで変化させます。
しかし、それによって音を生み出したり変えたりしているのではなく、ひとつの長さに対して唇と息によって生み出すことのできる、一般的には最大で16種類くらいの異なる音(実際は、高い音はもっと出せるのですが)を任意に生み出す技術を使って音を生み出し、変えています。
これらの音のことを自然倍音列と呼びます。
自然倍音を生み出し、その列上に置いてそのとき自分が求める音を生み出す能力が、金管楽器の演奏スキルの根幹です。
この自然倍音列は管の長さに応じてスタート地点が変わるため、ある管の長さで演奏するときに自然倍音列上に求める音が存在しない場合や音程または音色などが求めるものと異なる場合は、求める音・音程・音色が存在する自然倍音列を持つ管の長さに変えます。
管の長さは、トロンボーンであればスライドを動かすことで、そのほかの金管楽器はピストンまたはロータリーで変えています。
この「管の長さを変える技術」は、唇と息で自然倍音列上の任意の音を生み出す技術に比べると、歴史的にも難易度としても二次的であり、基本的にはそれほど難しいものではありません。
実際には、スライド・ピストン・ロータリーの動かすタイミングや、管の長さの選択と組み合わせによって音がハズれやすくなったり当たらなかったりするということはあるので、唇と息の技術にちゃんと協調させる必要があるものなのですが、先述の通り、歴史的・構造的・難易度的に二次的なのでこの記事では扱いません。
【音がハズレる、とは?】
金管楽器を演奏するひとたちは私を含め、「音がハズレる」ことを恐れています。実際に、ハズレやすいものなのです。
どうしてハズレやすいかと言うと、それは唇と息の非常に細かな調整次第で、ざっと16種類の自然倍音からなる倍音列上の任意の音を生み出し、また音から音へ変えているからです。
言い換えれば、金管楽器は「音が変わりやすい」のです。
ほんのわずかの唇と息の運動の具合のちがいで、出る音が変わります。したがって、ある特定の音を求めていても、唇と息でやっていることの具合がほんの少し異なっていれば、求めている音とは別の音が鳴ります。
少し単純化した描写になりますが、簡単にわかりやすくいえば、金管楽器で音がハズレるときというのは、次のようなときです。
・唇と息でやったことが、求めている音とは別の音にちょうど対応するものだった場合、求めている音と別の音が「完璧に」鳴ります。
・唇と息でやっていたことが、求めている音とは少しだけずれている場合は、求めている音と自然倍音列上で隣り合っている別の音と、求めている音を行き来するような鳴り方になります。すると、「ブルッ」とした、濁ったような音の鳴り方になります。
ここで注目しておきたいことは、
金管楽器で「音がハズレる」とは、「望んでいる音とは異なる音が鳴る」ことである
ということです。
そして、金管楽器で音を鳴らすということは、それ自体がそれなりの技術であることから、
音がハズレたときも、何らかの音は生み出せているという「成功体験」が内包されている
と考えることができます。実際、そう考えた方が、金管楽器の演奏技術の性質と、その技術を身につけ高めていく過程とは辻褄が合うといいますか、親和性が高いのです。
この時点で、前時代的な根性論や気合いが云々といった考え方は必要なくなります。音を外すのは悪いこと、音を外す人はダメなやつ、というような野蛮な考え方も同様です。
【ハズレ方を把握する】
求めた通りの音が生み出せた場合も、それとは異なる音が鳴った(=ハズレた)場合も、「音を生み出すことができた」ということにおいて成功しています。
ということは、求めた音であれ異なる音であれ、あなたはそのとき
「鳴った音に対応した何事かを行った」
意味しています。
したがって、
①求めている音と一致した音が生み出せたときは、その音に対応した何事かを行うことに成功した
②求めている音より高い音が鳴ったときは、より高い音に対応した何事かを行うことに成功した
③求めている音より低い音が鳴ったときは、より低い音に対応した何事かを行うことに成功した
ということを意味しています。
ブルブルッとしたハズレ方・濁り方の場合も、同じことであり、
④求めている音と、それより高い音よりか低い音よりの音の「中間のどこか」に対応した何事かを行うことに成功した
のです。
技術は、意識的に取り組むことで洗練され、さらにその洗練されたものが繰り返されていくことで以前より洗練された技術が定着していき、やがてそのレベルでは無意識的になります。
ということは、「いま」より上手になろうとする過程は常に、問題があろうかなかろうが無意識的に行えていることを意識化し洗練させ、その新たに洗練された技術を繰り返し用いる中で徐々に無意識化することの繰り返しなのです。
ですので、音がハズレたときは、「それがどのようなハズレ方だったか」を把握する必要があります。
ハズレた!と一括りにされる結果の中に、実は、上記②〜④のいずれかの「成功」が実行されているからです。
つまり、その結果(ハズレたという解釈ではなく、「どのようなハズレ方をしたか」というを詳細なデータという意味で)生み出した、「自分のやったこと」を把握したいのです。
やはり、「ハズレる=悪いこと、恥ずかしいこと、起きてはならないこと」と捉えて罪悪感やパニック、自己否定で反応していてはこの「把握」ができないことが分かります。
生徒さんを指導するうえでも同様です。
【結果の修正ではなく、「ネクストチャレンジ」を行う】
さあ、
・結果と
・その結果を生み出した「自分がやったこと」
を把握したら、次はネクストチャレンジを実行するときです。
まず、あなたなりに
A:音域を上行するために必要な作業
B:音域を下行するために必要な作業
をそれぞれ定義してください。息に関することでも唇に関することでも何でもかまいません。あなたが思っている/知っている、音を上げる/下げるために必要なことを把握しておいてください。
では、先述の②〜④の「音のハズレ方=ある種の成功」別に、打つ手を割り出していきましょう。
《②のケース》求めている音より高い音が鳴ったとき:
求めている音より高い音が鳴ったとき(=上にハズレたとき)、それはあなたの行ったことが、求めている音より高い音に一致していたことを意味します。
ということは、
あなたの定義する「B:音域を下行するために必要な作業」を行いましょう。
一回目のチャレンジより、自分が思う「もっと低い音を出すときの吹き方」に、やることを近づけるのです。
そうして、二回目のチャレンジを行います。
・まだ高くハズレる
→3回目のチャレンジではさらに思い切って「B:音域を下行するために必要な作業」を行いましょう。
・次は低く外れてしまった
→3回目のチャレンジでは、2回目より「A:音域を上行するために必要な作業」を行いましょう。
《③のケース》求めている音より低い音が鳴ったとき:
求めている音より低い音が鳴ったとき(=下にハズレたとき)、それはあなたの行ったことが、求めている音より低い音に一致していたことを意味します。
ということは、
あなたの定義する「A:音域を上行するために必要な作業」を行いましょう。
一回目のチャレンジより、自分が思う「もっと高い音を出すときの吹き方」に、やることを近づけるのです。
そうして、二回目のチャレンジを行います。
・まだ低くハズレる
→3回目のチャレンジではさらに思い切って「A:音域を上行するために必要な作業」を行いましょう。
・次は高く外れてしまった
→3回目のチャレンジでは、2回目より「B:音域を下行するために必要な作業」を行いましょう。
《④のケース》音がブルブルッとなったり、濁ったりしたとき:
発音の瞬間、
・音は上からハズレれていますか?
・それとも下からハズレていますか?
よく聴いて把握してください。
あるいはその音を吹いている途中から濁ったりハズレるなら、
・音は求めている音に対して上方向に濁ったり外れたりしますか?
・それとも下方向に濁ったり外れたりしますか?
音がどうなっているかを把握できれば、即ち自分が結果として何をやったのかの把握になります。
どちらか分かったら、
・上からなら《②のケース》と同じことをやってみます。
・下からなら《③のケース》と同じことをやってみます。
【練習あるのみ!】
…「それでもまだハズレるときがある!」とか「どうやったら最初から完璧に当てられるの?」言うひともいるかもしれません。
答えは、
「練習しなさい!」
です(笑)
ここで言う練習とは、まさに上述してきたような、「ネクストチャレンジ」の作業のことです。
だって、もうあまりハズさない音だってあるでしょう?
それはどうやってできるようになったのか?…もう忘れてしまったり自覚はなかったりしたのでしょうが、プロセスとしては同じことをなさってきたのですよ。だからいま、音によって、あるいは時によってはちゃんと音が当たる(=求めている音が出るようなことを「する」ことができる)のです。
【音が当たるかハズレるかはコントロールできない】
別の言い方をすれば、実のところ「音が当たるかハズレるかの結果そのものを直接コントロールすることは不可能」なのです。
それはど素人でも、めったに音をハズさない大名人でも同じです。
なぜなら、音を出す作業をやってみるまでは、本当にそれで求める音が出るかどうかは分からないからです。
わたしたちがある程度コントロールできるのは、
「自分がすること」
だけです。
自分がすること、というのはこの記事で使った言葉で言えば
・音を生み出すために必要とあなたが思っている/知っている作業
・音域を上行するために必要とあなたが思っている/知っている作業
・音域を下行するために必要とあなたが思って/知っている作業
です。
わたしが前段で描写した「練習=ネクストチャレンジ」のやり方は、結果ではなく結果を生み出すプロセスに注意と努力を集中させるモデルと言うことができます。
…ここで「いや、結果が全てだ!」などと言い出すパワハラおじさんはもう相手にしません(笑)酩酊状態で書いてあることをちゃんと読めていないのでしょう(笑)
自分がすることにフォーカスしましょう。
それがあなたがコントロールすることができるものです。
コントロールすることができるものが「技術」です。
自分がすること=コントロールすること=技術にフォーカスすることはつまり、結果が示す情報によってモニタリングする「意識化」です。
意識化して取り組むことが、技術を洗練させます。
新たに洗練されたレベルで繰り返し用いられた技術は、やがて定着していきます。
それが上達の道筋です。
【アンブシュアモーションから「ネクストチャレンジ」を割り出す】
さて、前段までは、
・音を生み出すために必要とあなたが思っている/知っている作業
・音域を上行するために必要とあなたが思っている/知っている作業
・音域を下行するために必要とあなたが思って/知っている作業
と述べたように、あなたが思っている/知っていることをベースにしました。
それはなぜかというと、ひとつには当たり前ですが、それしかとっかかりがないからです。もうひとつは、金管楽器の演奏技術というのはピアノ奏法やヴァイオリン奏法などに比べると奏法や指導法が未解明で未確立だからです。
歴史的な経緯もありますし、また肝心の部分が見えない体内やマウスピースの中にあるからでしょう。
その点、観測技術や計測機器が発達し、また情報が世界中で即座に共有することが可能になっている現代においては、その解明と確立が進むことが大いに期待されます。
実際、謎や誤解の多かった「アンブシュア」に関して、決定的なことが分かってきています。
その肝心な点は3つ。
◎音を上下に移動するに伴い、奏者のマウスピースとアンブシュアは一体的に上下動している
◎その上下動には、「音を上げるときに上・音を下げるときに下」のタイプと、「音を上げるときに下・音を下げるときに上」の2タイプが存在すること
◎これはその奏者の身体的特徴によって決まっている可能性が高い
ことです。
これが明らかになっていることで、
・音を上げるために必要な作業
・音を下げるために必要な作業
のうち、アンブシュアとマウスピースの動かし方についてはそれぞれ具体的かつかなり正確に分かる部分があるのです。
これを「アンブシュアモーション」と呼びます。
この話についての詳細は下記参考記事をご覧いただくとして、
・金管楽器の3つの基本アンブシュアタイプ
・金管楽器のアンブシュア動作
・実際の演奏家の動画付きアンブシュア分析・解説(ユーフォニウム以外の各金管楽器についてやってあります)
【アンブシュアモーションを把握しよう】
ひとまずあなたの「アンブシュアモーション」を把握しましょう。その方法は次の通り。
<<ステップ① マウスピースは、どちらに動いていますか?>>
あなたが演奏しているとき、マウスピースはどのように動いているでしょうか?
マウスピースの動きには二つのタイプがあります。
・音を上がるにつれてマウスピースが上がり、音を下がるにつれてマウスピースが下がっていくタイプ
・音を上がるにつれてマウスピースが下がり、音を下がるにつれてマウスピースが上がっていくタイプ
この上がる・下がるというのは、角度のことではありません。位置のことです。
よく見ていれば、高音域と低音域とではマウスピースの位置が変わっているはずです。
見ていて分からない場合は、次のようにしてみましょう。
あなたにとって極端でない音域において、
・音を上がること
・音を下がること
のどちらの方が得意ですか?
音を上がることか下がることか、うまくいっている方をサンプルにします。
動きを見やすくするには、リップスラーを用いるのが便利です。リップスラーを使って、音を上がるか下がるか、どちらかうまくいく方をやってください。
さて、そのとき、マウスピースはどちらに動いているでしょう?
音を上がるときに、マウスピースが上がりますか?それとも下がりますか?
音を下がるときに、マウスピースが上がりますか?それとも下がりますか?
◎音を上がるのがうまくいっているときに…
→マウスピースが上がっているのが見えるひとは、音を下がるときにマウスピースが下がるはずです。
→マウスピースが下がっているのが見えるひとは、音を下がるときにマウスピースが上がるはずです。
◎音を下がるのがうまくいっているときに….
→マウスピースが下がっているのが見えるひとは、音を上がるときにマウスピースが下がるはずです。
→マウスピースが上がっているのが見えるひとは、音を上がるときにマウスピースが下がるはずです。
うまくいっていない方は、マウスピースの動きがはっきり見えないかもしれません。
ですかた、うまくいっているときの動きの「反対方向」の動きが、なんらかの理由で阻害されている、と考えることができるのです。
<<ステップ② うまくいっている方で、マウスピースとアンブシュアを「わざと」そちらに動かしてみましょう。>>
普通の音域において、音を上がること、下がること、あなたはどちらが得意ですか?
音を上がるのが得意なひと:
→音を上がるときにマウスピースが上がるひとは、音を上がるにつれて「わざと」マウスピースとアンブシュアを押し上げるようにしてみましょう。
→音を上がるときにマウスピースが下がるひとは、音を上がるにつれて「わざと」マウスピースとアンブシュア引っ張り下げるようにしてみましょう。
音を下がるのが得意なひと:
→音を下がるときにマウスピースが下がるひとは、音を下がるにつれて「わざと」マウスピースとアンブシュアを引っ張り下げるようにしてみましょう。
→音を上がるときにマウスピースが下がるひとは、音を下がるにつれて「わざと」マウスピースをとアンブシュアを押し上げるようにしてみましょう。
とくに高音域にいくにつれて、あるいは上行音型のリップスラーや跳躍を行うときに、わざとらしいくらい「わざと」動かしてみてください。
<<ステップ③ うまくいかない方で、マウスピースを「わざと」反対方向に動かしてみましょう。>>
普通の音域において、音を上がること、下がること、あなたはどちらが苦手ですか?
音を上がるのが苦手なひと:
→音を下がるときにマウスピースが下がるひとは、音を上がるにつれて「わざと」マウスピースとアンブシュアを押し上げるようにしてみましょう。
→音を下がるときにマウスピースが上がるひとは、音を上がるにつれて「わざと」マウスピースをとアンブシュアを引っ張り下げるようにしてみましょう。
音を下がるのが苦手なひと:
→音を上がるときにマウスピースが上がるひとは、音を下がるにつれて「わざと」マウスピースをとアンブシュアを引っ張り下げるようにしてみましょう。
→音を上がるときにマウスピースが下がるひとは、音を下がるにつれて「わざと」マウスピースをアンブシュアを押し上げるようにしてみましょう。
とくに高音域にいくにつれて、あるいは上行音型のリップスラーや跳躍を行うときに、わざとらしいくらい「わざと」動かしてみてください。
<<ステップ④ 「自分の移動軸」に詳しくなろう>>
ステップ③までは、「ざっくり、上か下か」を調べて練習しているだけです。
これだけでも、大きな効果を感じるひとはたくさんいるでしょう。
慣れてきたら、あなた自身の「個人差」の部分に詳しくなりましょう。
・マウスピースが上がるとき、それはどれぐらい
→真上ですか?
→右上ですか?
→左上ですか?
・マウスピースが下がるとき、それはどれぐらい
→真下ですか?
→右下ですか?
→左下ですか?
ここでもやはり、特徴がはっきり見える方を利用して、よく分からない方の動きの動きを「予測」してみるとよいでしょう。
右上に上がるひとは、左下に下がるはずだし、
左上に上がるひとは、右下に下がるはずです。
自分の移動軸の
位置:顔の真ん中とは限らない。顔に対してのマウスピースの位置やアパチュアの位置から観察してみましょう。
角度:どれぐらい垂直に近いか?あるいはどれぐらい水平方向に倒れているか?観察してみましょう。
<<ステップ⑤ 構えの技術>>
こうして、自分の移動軸がわかってきたら、「わざと」その軸にマウスピースを沿わせるようにしましょう。
マウスピースの移動のコントロールは、その多くが「構えの技術」に属する領域です。
マウスピースを当てたいところに当てたいように当てる。
マウスピースを移動させたいように移動させる。
これは構えの技術なのです。
トランペットやホルンはその多く腕でやることになるでしょう。
ただし、首の回転(顔の向きを変える)も、沿わす技術をよりスムーズにするために大きな助けになります。
トロンボーンやユーフォニアムくらい大きく、重くなってくると、腕だけでやるのは難しい面があるかもしれません。
その場合、首を傾けたり胴体をひねったりすることが大切な技術になるのではないか、といまのところ推測しています。
チューバの場合は、楽器が膝や座面に固定されていますから、そもそものセッティングの高さの工夫が大切になるでしょう。また股関節から胴体を動かすことや楽器を腕や楽器を挟んでいる脚で操作するのも大切な技術になります。
以上です。
さあ、やってみましょう!
【自分のイメージや知識をアップデート】
これで、
・音を上げるために必要な作業
・音を下げるために必要な作業
があなたにとって具体的に何なのか、そのアンブシュアとマウスピースの動きに関する面を知ることができました!
あとは、
《②のケース》求めている音より高い音が鳴ったとき
《③のケース》求めている音より低い音が鳴ったとき
《④のケース》音がブルブルッとなったり、濁ったりしたとき
それぞれについて、どう「ネクストチャレンジ」の中身を設計するかを書いた部分をもう一度見てもらって、
・音を生み出すために必要とあなたが思っている/知っている作業
・音域を上行するために必要とあなたが思っている/知っている作業
・音域を下行するために必要とあなたが思って/知っている作業
に対し新たに分かったことを含め・加えて(場合によっては更新して)取り組んでください。
【意地ワル・害悪・パワハラおじさんを退治しろ!】
このプロセスに没頭することこそが、コントロール能力を上げる道筋です。
不安はいつだってあるでしょう…。でも、こうやって取り組んでいけば、必然的にコントロール能力は高まり、成功率は上がっていきます。
さらに、音が外れてもそれには
・「なんらかの音を生み出すことができた」という成功と
・自分がなにをやったかを示す情報
が含まれているのだと理解し、その理解を成長への糧としていれば、音を外れてもあまり心が傷つかなくなります。
どうかこの記事が、
あなたの周囲にいる、「音を外したやつをイジメるのが好きなパワハラおやじ的人間」からの悪影響をあなたに与えなくなることに役立ちますように!
そして、あなたの中にいる「意地ワル・害悪指導者」を黙らせてくれますように!
自分の技術の作り方・伸ばし方。それを理解して取り組んでいくことは、まさに「自分を伸ばす有能な指導者を自分の内側に育てる」ことに他なりません。
そうやって自分が育てた自分のための指導者こそが、誰かほかのひとのことを助けたり手伝ったりすることができる指導者でもあるのです。
Basil Kritzer
一緒に演奏している奏者から、その音凄く低いよ(ピッチ)邪魔だからとか・・・そんな苦情をされるんですよね。確かに逆の立場に立った時にはそう思う事もあると思いますが、劣等感ある僕なんかは、替え指とか使ってみたりそれなりの努力をするのですよ。でも替え指でその音を出そうとすると自分の望んだ響きが出ない事がとても多いです。(アマチュアだから??)自分の望む響きになるまで練習する事は勿論理解出来るし、そうでありたいといつも思うのですが、時間の限られた練習日や練習時間の中、合奏でよくよく自分の響きをイメージ通りにするのが精一杯なのですよ。楽しみたいとか思う演奏がそうでなくなる場合って絶対あると思うのです。プロとかはその辺は凄くシビアに考えたり、調整する事が出来ると思うので(勝手な想像かもしれませんけど)勿論それが出来る努力が結べる人なのだと思うのです。
Kazさん
記事内容とコメント内容の関連がちょっと分かりませんでした。
なので、単純にコメント内容へお返事試みます。
拝読していて、「家事」のことを思い出しました。
お皿を洗っているとき、「こんなのやりたくない、どうしてこんなのやらなきゃいけないんだ」と思いながらやるのと、家事が自分や家族の当たり前の生活を支えて円滑に回している土台であることを認識しながらやる、つまり「これで自分や家族のためになっているな、よかったな」と理解しながらやるのとでは、全然体験が変わります。
Kazさんのコメントをぼくなりに頑張って解釈したところ、
・自分の望む響きで吹くこと
・アンサンブルや合奏体にマッチした響きで吹くこと
・一緒に演奏しているひとから文句を言われないように吹くこと
の3つの吹き方といいますか選択があって、その優先順位をご自身でどう選択するかという局面にいらっしゃるように読めました。
わたし自身は、1番目と2番目で選択する指や響きが変わることはもちろんよくあります。
そういうときは、はっきりと自分で選択したんだと主体性を持つようにしています。
すると、自分の望む響きや音色とはちがっても、それはそれで自分なりにベストな奏法でチャレンジして、その結果生み出せる響きが合奏やアンサンブルにマッチすると充実感があります。
….3番目のケースは….
ストレスですよね〜…プロでもよくあることですよ。
プロだと、「家計・仕事」と「音楽・自分」が両天秤にかけられたかのように感じる場面です。
それでも結局は、どうにかして自分の望む響きを追求される方が多いかな、と思います。
同僚と衝突したり、仕事を断ったりしてでも….です。
(ぼくもありました…あーこわかった…)
Basil