音大受験生のサックス吹きの方から質問を頂きました。
【質問者】
バジル先生、はじめまして。いつもブログを拝見しております。私は高校三年生の音大受験生で、サックスを専攻しています。
最近練習していて、吹いているうちにだんだん下顎の位置が左にずれていっているのが気になっています…途中で元の位置に戻しても、少し左にずれている方が音が安定するのかわかりませんが、また左にずれていってしまいます。
私は数年前まで歯科矯正をしており、歯科矯正を始めるときに 下顎の位置が通常よりも奥(しゃくれの逆の状態です。)にあると診断されたため、まず顎の位置を変える装置を1年くらいつけてから歯並びを整える針金をつけた…という経験があり、もしかして他の人よりも顎の位置が動きやすいのかなあ?とも個人的には考えています。
最近は位置がずれるせいか、吹いているうちに顎が疲れてきてしまって…左にずれてしまうことからか、顎の右側の付け根も少し痛くなってしまうこともあります。
正直、この状態で吹くことに慣れたら顎にも良くないと思いますし、最悪、将来 顎関節症と診断されてサックスが吹けなくなったらどうしよう…!!と気持ち的にも心配で、あまり落ち着いて練習ができていません…!!
ただでさえ半年後には受験を控えているというのに、本当に、すごく焦っています…。
【バジル】
演奏をしているときの顎の動きの左右差、というもの自体は、悪くない・問題でないものである可能性が高いと思います。
顔の構造自体が左右非対称ですから、動きが左右で異なるのはむしろ自然なことが多いのです。
自分の左右差を理解して、それにマッチして(沿って)からだのひねりを活用していけると奏法がとてもよくなることが多いです。
左右差を矯正するという発想じゃないわけです。(演奏のテクニックにおいては)
顎の痛みは、左右差ではなくおそらく顎や首の動かし方に原因があるかと思いますが、はっきりしたことはお会いして見てみないとわかりません。
ぜひレッスンにいらしてください。
【質問者】
お返事ありがとうございます。
なるほど…顎のズレがダメなわけではない、ということを知っただけでも、ホッとしました。
バジル先生のブログをを今一度読み直してみると、自分は頭がガッチガチになってたかも、とか、改めて色々な発見をすることができました。
バジル先生、こんばんは。
以前に一度、大学の合奏授業について質問をしたさかなという者です。
いつもブログ、メルマガを拝見してます。
以前、「吹くなと言われるまで吹け」というバジル先生の教えを胸に合奏の授業に取り組んでます。
まだ少し緊張と怖さで思うように音が出ませんが、なんとか周りにしがみついてます。
前置きが長くなりましたが、今回新たになかなか解決案が見つからない問題とぶつかり、バジル先生のアドバイスを頂きたく質問しました。
音が出るようになってきたのですが、音程が周りとなかなか合いません。ゆっくり一音一音周りが吹くと、自分の音が高いのかどうかわかるようになりましたが、合奏で、曲のテンポで吹くと浮いてしまいます。
合奏中に前に座る男の先輩が睨んでいたらしく、私の音程がいかにひどかったのかを知り、どうにかしたいと思い、質問しました。
チューナーで合わしたとしても、やはり合奏で合わないことが多く、CDから流れるフルートの音に合わす練習など自己流で練習をしていますが、上手くいきません。
また、音が合ったとしても顔や口元を異常に動かして、無理してだしてしまいます。
どうすれば、合奏で音程が合うようになりますか。教えてください。
長文、失礼しました。
さかなさま
全体的に音程が上がる、ということですね?
それはフルート演奏技術上の何か、あるいは楽器自体の問題の可能性がありますね。
まずは良いフルートの先生にそのこと(音程が全体的に高いこと)を直接レッスンを受けて相談することをお勧めします。
フルートレッスンや楽器自体の調整で解決できないときに、アレクサンダーテクニークのレッスンの出番です。
お返事、ありがとうございます。
レッスンで先生に同じ質問をしました。
音程が合わない理由のひとつに頭部管にあるコルクに問題があると教えて頂きましたが、私の楽器のコルクには問題がなく、
やはり技術に問題があると教えて頂きました。
音出しの際は音程は合っているのですが、曲を拭いたりすると高いEsは上がり、高いDは下がり、、音程が安定しないため、チューナーを使って練習します。
音程以外にも曲を吹くとき、高いfisを出す際に口元を力んでしまってキツい音になってしまうので、気をつけたいと思います、、
音出しの時と曲を吹く時、同じように音を出してるようで出してないことに気づきました‼︎
レッスンで聞いた方がいいと、勧めて下さり、ありがとうございました。
さかなさま
さかなさまのフルート歴がそれほど長くなく、技術的自由度があまりなければ、これらの仰っている問題は良いフルートの先生に習って音楽的に良い練習を重ねていくにつれ改善してくるでしょう。
フルート歴がすごく長いにも関わらず、そして何人かのフルートの先生にレッスンを受けたにも関わらず改善の傾向がない場合は、何か体の使い方や奏法に関するイメージのずれが原因の可能性がありアレクサンダーテクニークのレッスンが助けになるでしょう。
Basil
お返事、ありがとうございます。
大学に入ってから、それまで考えたことがない課題(自分の音や身体のこと)を考えるようになりましたが、
なかなか解決に繋がらなくて、焦ってしまい、バジル先生に投げやりな質問をしてしまいました。
すみません、、
親身に聞いて下さり、ありがとうございます。
私は、中学から現在までフルート歴は約7年になります。
大学に入ってから、周りのフルートの人から合奏で浮いてしまう音色だね、といわれてしまい、音色について考えるようになりました。
自分なりに、合奏で浮かない柔らかい音色を意識して吹いてみると、曇ったような飛ばない音になってしまったり、途端に、それまで出せた高音fisが出なくなりました。
ですが、やっぱり自分の練習量と練習の中身が足りてないのだろうと思います。もうすこし、自分で探してみます。
ですが、夏休みに入ったため、
アレクサンダーテクニークのレッスンを受講させて頂こうか、真剣に考えています。
さかなさん
その音色についての経緯は要注意です。
というのも、合奏で浮く音色、というのは
・周りより実は音が響いている・通る・届く音だから浮いて聞こえる
・周りより単純に音量が大きい
・タンギングや発音のニュアンスが異なっているだけ
・単純に成長過程の一時的なもの
のいずれかまたは複数である可能性が十分に考えられるからです。
その証拠に、「音色」を変えようとしたら不調になりましたね。
音色についても吹き方についても、よっぽど信頼できる耳と理解の持ち主からのフィードバックでない限りは、あまり真に受けない方がいいかもしれませんよ。
音色について:音色自己嫌悪の罠
お返事、ありがとうございます。
なるほど、、自己嫌悪の渦に飲み込まれているということですね‼︎
それと、金管の方も雑音について悩んでしまう人が多いということも驚きました。
周りの人から合奏で浮く音だ、音程をチューナーで合わせたとしても周りと音程が合わない音色だ、など指摘されました。
私の学校では、フルート奏者でいうとエマニュエルパユの音は雑味のない音、ジェームズゴールウェイの音は雑味のある音、というような考えを持つ人が多く、私もその考えに縛られていました。
周りの反応ばかり気にしてしまう性格ですが、まず落ちついて、音色自己嫌悪の罠に書かれた内容を練習に取り入れながら練習してみようと思います。
さかなさん
>私の学校では、フルート奏者でいうとエマニュエルパユの音は雑味のない音、ジェームズゴールウェイの音は雑味のある音、というような考えを持つ人が多く、
人間、どこでもそうやってしょうもない偏見やレッテル貼りをしてしまいがちです、特に好きなことやこだわりのあることになると….
でもちゃんと分かっている楽器の指導者は生徒をひとつの好みの音色に嵌め込んでいくようなことはしません。
それだと生徒が潰れるからです。
だから、大学の周りの生徒が言ってくることに自分を悪い方に影響させないように!
もったいないです。
信頼できる先生と、じっくりゆっくり上達に取り組んでいきましょう。
これも参考になるかもしれません:個性、特徴、クセ
やり取り、ブログで紹介させてください。
ピンバック: 1時間吹いていると左手首が痛い(サックス)…どうしたらいいの?Q&A | バジル・クリッツァーのブログ