「呼吸の出入りの、ちょっとした話」はじめに ピップ・イーストップ著 バジル・クリッツァー訳

☆ロンドンのホルン奏者、ピップ・イーストップ氏の論文です。
原文→http://eastop.net/?p=476

Some Ins and Outs of Breathing
初掲;The Horn Magazine 1995年秋?1996年冬

禁断の扉

 多くの管楽器奏者は、呼吸について全く考えなくても、大変優秀に演奏できる。そして、どう考えてもばかげた理論に従いながらもそこそこ上手くできる人たちもたくさんいる。振動した空気柱を、音楽的に適したやりかたで、いかに体内の器官を使って管に通したらいいか、その最善の手段に関する議論と誤解はたくさんある。この記事では、私たちの呼吸のための器官が実際にどう機能するのかに関して、意見を押し付けるかわりに、既に知られている事実をあまり前例のないやり方で説明することで、みんなをもっと混乱させようと思う。

 この記事は、二つ読み方がある。単に興味があるから読むか、あるいは呼吸に関して真剣に分析的に取り組むかのどちらかだ。後者ならば、ひとつ言っておくべき事は、ひとの習慣的な呼吸の動きのパターンは、変えるのが非常に難しい、ということだ。アンブシュアの変更と同様に、気軽になされるべきことではない。ここに書かれている事は、呼吸法について注意深い再考を促すかもしれず、その場合は、いかなる変化も改善をもたらすものでなければ即座に退ける、最大限の注意が必要である。

 強調したいのは、この記事は呼吸について悩み、混乱している人に向けて書かれている、ということだ。それほど迷ってない人、あるいは、体の働きというあまりにも自然な事に関して考えすぎるのは邪魔になったり、危険だったり有害だったりするかもしれないと思っている人は、読まない方がいいかもしれない。いずれにせよ、まだ問題を引き起こしてないことについて、別に読まなくてもいいでしょう?

 でも一方で、呼吸についての新たな見方を探求する事は、それほど悪い事ではないだろう、とも言える。私にとってそうであったように、まだ埋もれている能力への鍵を開けてくれるかもしれない。

その1へつづく

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