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【ラクさ+変さ=大正解】
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アレクサンダーテクニークのレッスンでよく体験することになるのが、
・明らかにラクになった感じ
・ちょっとなんだか変な感じ
の二つです。
この二つがそろっていれば、レッスンが効果を挙げていると言えます。問題は、この「ちょっと変な感じ」です。この「変な感じ」には実に多様な意味や感覚が含まれています。
例を挙げます。
いままで習慣的に自分でも気付くこと無くちょっと背中を反って緊張していた人がレッスンに来たとします。するとレッスンでは背中を反らす余計なことをやめることができるようになります。背中を反らなくなるのです。
背中を反るのやめた、ということは
・背骨を反る動作を減らし
・反対方向になのに直す動作を増やした
ことを意味しています。結果、見た目には「まっすぐで綺麗な姿勢」に見えます。
なのに、受講している本人はなんだか猫背になったような、前のめりになったような感じがすることが多いのです。
これは反っているという自覚がなかったため、反っている状態を「普通」とした感覚が慣れているが故に、反ることをやめると「普通」じゃない感じがします。それが、猫背だ、前のめりだといろいろな解釈になるのです。
さあ、ここからが面白いとこと。あたまの使いどころでもあります。
反るのをやめた結果起きることは二つ。
1:ラクになる
2:変な感じがする
常識で考えると、当たり前だけれど誰でもそりゃラクになるやり方は大歓迎ですよね。
でも、私たちは想像以上に感覚の世界に生きています。ラクになっているんだという認識よりいつもとちがう、普通じゃない、変な感じという感じかたの方が説得力や誘惑が強いのです。
【違和感に飛び込んでみよう!】
ラクになっているということに着目しながら、普通じゃない感じに惑わされずに新しいやり方を意識的に選択するようにすると、奏法はどんどん良くなっていきます。
これがアレクサンダーテクニークのレッスンのスリリングで楽しいところです。
なかには、自分自身を高いところから見下ろしてうまく操縦しているような感じがするという人もいます。
私自身は、緊張や恐れを感じて身体を固めたくなっても、「でもラクな奏法でいいよね」と意識的に自分に話しかけるということをやってみます。すると、まさにその瞬間、新しくより自然でハイレベルな演奏技術が自分の中から芽を出すのですから、
これもたまりません。うまくなることの醍醐味が詰まっています。
・頭を動けるようにしてあげる
・身体の現実にマッチした身体の使い方をする
ということを、歌唱や楽器演奏のときにまずは試してみて下さい。
そのとき、ちょっと変な感じや、「これでいいのかな?」という不安感があれば、それは良い兆しです!
音が良くなっていたり、あるいは演奏に伴う身体の負担が減っているなど、なんらかのよい変化がれば、あなたはそれでバッチリ改善方向に向かっています。
アレクサンダーテクニークのレッスンは、専門的に観察と分析、そしあなたの動きに変化を促すというという能力を備えた高度に訓練された教師の助けを使って大きく上達できる場です。
ぜひいらしてくださいね。
Basil Kritzer