いつもながら、BODYCHANCEアレクサンダー教師養成プログラム授業にて。ジェレミー・チャンス校長にホルン演奏×アレクサンダー・テクニークレッスンを受けました。
レッスンの過程が非常に興味深かったので、記します。
レッスンでは、息の動き・呼吸運動の統合・楽器の支え・姿勢の支えを担う「胴体」をどう奏法プランの中で思考されるのかがひとりでにテーマとなりました。
まずはじめは、胴体に関して「マウスピースと唇から全身へ」に書いたような思考がありました。股関節から前へも動くというものですね。
この思考はやはりジェレミー校長のレッスンで得た洞察でしたが、今回のレッスンの時点では、その思考が「マイナスに作用は全然していないが、音を奏でるのに必要な動きどは関係ない動きを作っている」と指摘されました。
具体的には足首から前へ傾く動きです。
ジェレミー校長は言います。
「股関節から胴体全体が前へ、という思考は、その時点で起きていた演奏を邪魔する動きを抑制(やめる)ためのもの。いまはそれが、『実際にやる』動きになっている。前へ動こうとしているわけだ。これは別に演奏の妨げになっていないからいいんだけれど、演奏に関係はない動きだね。まずそれを明確に認識しよう。」
なるほど!と思いました。言われてみると確かに「前へ動う」という思考になっていました。
次に、それをやめて(考えずに)吹いてみました。
まあラクにはなりました。労力は減った感じ。しかしなんだか支えは効いていない。
すかさずジェレミー校長が言います。
「なるほど。いまのではダメだよね。つまりノープランではいけないわけだ。胴体全体を含む動きと支えのためのプランが考えつくだろうか?」
こう言われて、これまで思考が骨盤エリアにフォーカスされていて骨盤のことを奏法プランに入れると頭から胴体全体が視覚的にもイメージに含まれていないことに気付きました。
最後に、骨盤から胴体、そして頭まで含む視覚イメージが思い浮かんだのでそれを使って吹いてみました。
するとよく息が流れます。息の力がしっかりしていて、音の立ち上がりがよい。息もアンブシュアもストレスが減っている。コントロールが及ぶ感じがする。音量もポンと増しました。
そのときジェレミー先生は
「そうそう、いいね。胴体全体が統合されて呼吸が邪魔されてないね!」
とコメントしました。
この3回の「奏法プラン」の違いと結果の違いの対比がとても分かりやすく示唆に富んでいて、理解が明確になりました。
奏法プランは、ほんとうに意図的に明確に考えられるものです。それで驚くほど奏法の色んな要素に意識的に改善や変化を及ぼせます。
思考のこういった推移でその都度、奏法に明確な変化がある。
これは理解と経験を重ねるにつれてどんどん自分から奏法を向上していけることを意味しています。
アレクサンダー・テクニークの発見者、F.M.アレクサンダーが「建設的意識的コントロールの方法論である」と言ったのが、ホルンへの応用を通して私なりの経験で少し実感を伴うようになってきました。
新ブログの準備ができました。お越しをお待ちしています。
般若坊さん
素敵なブログですね!
時々覗きます (^-^)/