【呼吸法とヨークモデル】

1年ほど前から定期的にレッスンに通ってくれるようになった、中学高校の尊敬する大先輩のチューバ付近の方がいらっしゃいます。

最近その方とのレッスンで、腹式呼吸を徹底するようにしてみたところ、音がものすごく柔らかく、澄んだ、そして芯のあるものにスッと変化しました。

ヨークモデルの大きな楽器をお使いなのですが、このような太くてベルの大きな楽器だと、純度の高い音を出すと大きな管体そのものがそれを増幅してくれるかのようなイメージで、思いっきり息を吸って思いっきり吹き込むようなことを考えなくても、ズンと気持ちよく腹に響いてくるような音が出るものなのかもしれない。そんな感覚を鮮明に感じました。

シカゴ交響楽団のトロンボーン奏者フリードマン氏が、『大きな音はどうやって出すか?美しくてピュアな振動・音を作るんだ。小さな音と一緒だ。あとは大きなマウスピースと大きな楽器で、その吹き方のまま吹けば大きな音になるんだ』とYouTubeで語っているのを聞いたことがあるのですがそれをすごく思い出しました。

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先輩の場合、チューバの世界のごく自然な流れとして、チェストアップを教わり胸式呼吸をアクティブに実行しようと何年もされていたのですが、どういう機序かは不明ですが、腹式呼吸の方が彼にとっては自然で、いろんなことがはるかにうまくいき音も遥かに美しくなるようであるのです。

先輩の体の使い方の様子を踏まえ、この時のレッスンでは腹式呼吸をこのように表現してみました。

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『お腹を思いっきり膨らませ、
お腹にたくさん息を流れ込ませ、
そして膨らませて張ったままにして土台をしっかり保つ。

その土台の上にある胸は音を出す時、肩と一緒に力を抜いてスーツと沈ませてあげる』

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このように腹式呼吸をレッスンした私自身は、8割方胸式呼吸で演奏しています。それが自然に感じうまくいくからです。

最近ホルンの方とのレッスンで、胸式呼吸/腹式呼吸と分かりやすく色分けしたやり方だとどっちも少しぎこちなくなってしまう方がいらっしゃいました。

その時は

“胸もお腹も思いっきり膨らませ.胸もお腹も膨らませたまま保って吹いてみよう”

とすると非常に息の流れが安定し吹きやすく感じられたのとのことでした。

呼吸のレッスン、やればやるほど面白いです。

Basil Kritzer

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