アマチュアホルン奏者の A さんより質問を頂きました。
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リップトリルの練習法
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【質問】
バジル先生こんにちは。
アレクサンダーテクニークを学びだして1年ちょっと、おかげさまで体の不快感もほぼ無くなり、また使える音域も去年と比べて上下合わして4音位広がりました。
本当にありがとうございます。
今日はまた新たな質問です。
リップトリルなのですが、一般的な練習法としては、ゆっくりなテンポから徐々にあげていく、「ド~レ~ドレ~ドレド~レ~」みたいな感じで音を増やしていく、などのやり方がありますが、どうも自分の体にピンと来ません。
何か良いアイデアはないでしょうか?
ご教授の程宜しくお願い致します。
【回答】
こんにちは。
ロンドンの超一流フリーランスホルン奏者で、実はアレクサンダーテクニーク教師の資格も持っている、Pip Eastop という方がいます。
2005年、わたしはその方に習うために2日間イギリスへ行きました。
その方が仰ったのは、ホルンの演奏技術は突き詰めると
1:発音
2:跳躍
3:リップトリル
という3つの異なる技術のみから成り立つと仰っていました。
その考え方では、リップトリルというのは、別個の「特殊」な技術ということになるわけです。
そうすると、ゆっくりやるのは実質リップスラー(跳躍)ですから、リップトリルにはつながってこない、という考え方もできるのです。
Eastop さんが言っていたのは
「リップトリルはいきなり目標速度からやり始めなさい」
ということでした。
つまり、
できる速度から上げていくのではなく、最初から速い速度で取り組み、はじめはリップトリルにならなくてもいいから段々、もしくはあるとき急にリップトリルができるようになる、と。
また、ここからはわたしのアンブシュアタイプ(超高位置タイプ)にのみ当て嵌まる可能性もありますが、リップトリルを目標速度でやってみようとするとき、
1:かなりキツイ、強めのタンギングで発音する
(そうしても汚くは聴こえないので大丈夫)
2:普段より口は強めに閉じる
3:頭や楽器が、とくにやりはじめは動いたり揺れてもいい
(それでもうまくできれば、段々と動きが集約・洗練されていきます)
ということを意識するとよいでしょう。
参考になれば幸いです。
Basil Kritzer