【解決ノウハウではなく、観察が大事】

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高校生クラリネット吹きから、後輩の教え方について質問を頂きました。

【質問者】

クラリネットのタンギングについての質問です。

1後輩がタンギングの時に体にとても力が入っていてそれを改善したくてアンブシュアから一緒のチェックをしていた所、その子はそもそも音を出す時にあまりタンギングをしていないことがわかりました。

タンギングを口で言うと舌が全然動いていなくて、口でも♩=80で16音符が言えませんでした。

自分は口で言えれば吹けるはずだという先生の教えを信じ込み帰り等にずっとタンギングを口で歌って出来るようになりました。

なので、後輩にもゆっくりのテンポでいいから、まずは口で言えるように練習しよう!!と伝えました。

しかし、正直なところ口で言うのと、マウスピースをくわえるのでは口の中の感覚は変わるるのでその方法が正しいのか分かりません。

これは正しいのでしょうか?

また、このような場合どのような手順で練習を進めて行けばいいのでしょうか?
教えてください!

【バジル】

こんにちは。

その後輩の方の実際の演奏の様子を見ないと、何が起きているか分かりませんので、具体的に「こうすればいい」とか「これが正しい練習法だ」ということは言えませんから、

どういう考え方をするかということを書いてみますね。


まずは、「見てみないとわからない」ということの大事さです。

「何をすれば問題が改善するか」ということは、「いま、何がどうなっていて、どんなことが起きているか」をじっくり観察して、解明していってはじめて分かってきます。

でないと、何をやっても当てずっぽうで、たまたまうまくいけばいいけれど、それでもなんでうまくいったのかも、何が良くなかったのかもわからないままですよね。

だから、「何をすればいいか」を考えるのをなんとか我慢して、「いま、どうなっているんだろう?」ということを観察して考えるのが大事です。

それで、おぼろげでも「もしかしたら、こういうことかな?」という今まで思いつかなかったことや、今まで考えたことはあるけれど確信がなかったことが今まで以上に可能性が高いように思えるようなことが見えてきたら、それに基づいて「ではこうしてみよう」と何か試すという段階に進みます。

ここで大事なのは、新しく試したことの効果を詳しく調べることです。

-逆効果
-全く効き目がない
-わずかだけ効果があるかもしれない
-少し効果がある
-かなり効果がある
-完全に改善した

そのどれも有り得ますから、完璧な効果じゃなかったとしても、どの程度役に立ったのかを詳しく把握しましょう

逆効果やまったく効果がなければ、最初に戻ります。「いま、何が起きているんだろう」という観察と分析のやり直しです。

少しだけ効果があれば、観察し直しをすることも、別の新しいことを試すことも両方検討しましょう。

けっこう効果があるなら、試したことは何らかの正しさがあるわけですから、完璧な効果でなくても、その路線でさらに観察を進めていきましょう。

今回のように、自分にとって効果があったことをとりあえず伝えるというのもOKです。

その場合、それがどれくらい役立ったり効果があったりするのかを確認して、それが意味がある提案だったのか、観察して別のアイデアを見つける必要があるのか、ちゃんと確認するとよいでしょう。

以上、参考になれば幸いです。
何か質問はありますか?

【質問者】

ありがとうございます。

今まででどうしたら改善できるかばかり考えていたのですが、実際にどのような状況かもう一度確認してみます。

その上で聞きたいのですがそもそもタンギングの早い人と遅い人の違いはなんですか?
舌の長さって関係あるのでしょうか?

口で言えるようになると吹けるようになるというのは正しいのでしょうか?

その辺の自分の知識が曖昧なのでタンギングについて教えて頂きたいです。

【バジル】

わたしも分かりません。

たぶん、「その人にとっての最速」が、まず人によってちがうでしょう。
これは舌の長さやその他体つきで変わるのかもしれません。

次に、「その人にとっての最速」に到達するのに必要な運動の学習や、奏法づくりも、ひとによってかなりちがうでしょう。

そして、「その人にとっての最速」に到達するのを妨げている癖なども、ひとにより色々なものがると思います。

これもまた、画一的な答えが出せるものではなく、

◎楽器の構造や発音原理がどうなっているか
◎その人はいまどうやっているか、どうなっているか

を見て行って初めて分かることがたくさんあると思います。

【質問者】

ありがとうございます。
じぶんでもいろいろ試して研究していきたいと思います。

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