内臓逃しの術!

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【脱・気をつけの姿勢でマーラー五番がいい感じに!】


アマチュアTrp奏者の方とのレッスン。



トランペットを吹こうとすると、いつも胸を持ち上げ腰を反り、腕や肩をを後ろに引くような動作が入る。

結果的には、唇・アンブシュアをマウスピースから引き離す力がかかる。

何か、この状況を変えていく道筋はないものか。



そこでまず、

『胸をこう持ち上げてますね…』

と真似して、

『ではそれを完全にやめちゃってみて下さい』

と提案。



すると、ドスッと上半身が落ちてくるような感じで姿勢が崩れて、一見背中が丸まった感じに。

顔も下を向き、視線が下がる。



次に、

『ではそこで姿勢を良くしようとは一切せずに、

・胴体を前に倒して
・譜面を見て
・マウスピースを口につけて

そのまま吹いてみて下さい』

と提案。



すると、さっきより明らかに音が響き、発音のブレが減り、音程が安定した。

ご本人もそれはよく分かる。

謎なのは、どうしていつもいつも構えのルーティンに「胸持ち上げ背中反り肩後ろ引っ張り」が入り込んでいたのか、ということ。



しばらく二人で話し合っていると、

『息をたくさん吸いたいんだが、なんだかお腹がつっかえる感じがして、お腹を引っ張り上げたくなるような感じがしてた。内臓にスペースを与えて逃してあげたいような…』

その言葉を聞いて、

では、別の方法で「内臓を逃す」感じになれたらいいかも!と閃く。

『内臓を逃したい感じがしたら、内臓の逃し先を開いた脚と脚の間へ、地面の方へ、胴体を前へ倒すようにしてやってみるとどうなりますか?』

と提案。



椅子に座ってそれをしてみると、ご本人の口から

『おぉ!はいはい、なるほど、これはいいですね!』

との言葉が。

求めていた感覚が得られたようだ。



あとは、いまは極端な前傾体勢なので、それをどうするか。

新しいバージョンの『内臓逃し』をやりつつ、ゆっくり体を起こす。背筋を伸ばす意図や良い姿勢をしようという意図はゼロで。

普通に顔が前を向いたところでOK。

それで吹いてみると…



さっきよりさらに音量も響きもスケールアップ。

同じレッスン会場なのに、あたかもホールになったかのよう!


猫背感もなく違和感もないとのこと。



邪魔・不合理に思える動きも理由を探ると、排除しようという葛藤ではなくスムーズなアップデートバージョンに変えていけるのかもしれない、と感じた。


Basil Kritzer



2 thoughts on “内臓逃しの術!

  1. 初めまして、kanataと申します。
    お伺いしたいのですが、内臓逃しの術、立奏時の場合はどんな意識を持てば良いとかありますか??

    • kanataさん

      もし、この記事に登場する方と、立奏時にも同じ傾向、同じ意識でいらっしゃるなら、
      同じ発想が適用できるかもしれません。

      Basil

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