自分にとってものすごく大事だったり、愛していたりすることに関しては、ときには自分の体調やほかの大切なものを一時犠牲にしてでも頑張るってことは当然ある。それは責任感というものだ。
でも、「他人に迷惑をかけるから」とか「周りが頑張っているから」自分を犠牲にするのはかなり危ない。
高校生が、部活で後者の状態ですさまじく苦しんでいるのを見て感じた危機感・違和感は、けっきょく本人が潰れてしまうような在り方がおかしいと思ったからだ。
前者の肝は「一時の犠牲」って事、しかも大事で愛しているもののため。つまりはほんとうに自分のためなんだ。他人に捧げることでも。
自分のための・一時の犠牲と、
他人のための・重大な犠牲。
苦しいところを耐えたり、頑張ったりするという点では表面は同じかもしれないけれど、その意味があまりにもちがいすぎる。
前者の意味で頑張れるひとを育てるのは大事なんだろうと思うけど、まかりまちがっても後者を増大させてはいけないと思う…
高校生や大学生は、その区別がつきにくいだろうと思う。
ぼく自身がそうだった。食事や睡眠や人間関係を犠牲にした努力はけっきょく頑張ることが目的だった。それで得たものは、犠牲に比べて非常に少なかったと思う。自分も他人も傷つけた。
ここは周りの大人がしっかり助けないと、と思う。
何かを犠牲にして頑張ることは、ちゃんとそのひとが大切にし愛しているひとや物事とつながっていないと、不健康で不幸なことになる危険が非常に大きいのではないか。
非常に難しく、線引きも微妙なところはあるのだけれど、大人や指導者がしっかりサポートする必要のあるテーマだと思う。
こういう微妙なことに関する率直な意見は、あまり書かないようにしているが、あるところで実際に大変に脱線し混乱し苦しんでいる高校生の吐露に接して、あまりにも悲しかったのでここで言うことにした。
異論もあるだろうが、誹謗中傷や拙速な批判の類は予め御断りします。
Basil Kritzer
はじめてコメントします。
最近毎日のように悩んでいることの答えが、ここに書かれていました。
子供の頃は自分のことが好きで、自分のための時間や選択をとても大切にしていました。
それがこの歳になって、今やっている仕事・プロジェクトを見ると……どれも「迷惑がかかるからやめられない」ことばかりなのです。
毎日イライラして、他人に言えない分 家で物にあたってしまったり。おっしゃるとおりとても不健康で危険なことですよね。
先生の記事を読んで、”あぁ 本当にやめよう。もっと自分大事にしよう” って心から思いました。
一つずつ大切なものを見直していきます。
ありがとうございます。
かおりさん
この度はコメントを頂き、ありがとうございます。
コメントを頂いてからお返事まで4日お待たせしてすみませんでした。
この間、いかがですか?さらに進展はありますか?
やめても大丈夫、手放しても大丈夫なことからまず、
我慢したり気を使ったりするのをやめてその分自分や家族や友人のためにもっとエネルギーを使いたいですよね。
今回の記事が、お役に立てたとすれば嬉しく思います。
Basil Kritzer
高校2年生でトランペットを吹いています。
最近、苦手としてるハイトーンを特に練習しています。
まだまだなのですが、割と音色はいいと言われる方です。
でも、先日これからずっと2nd.3rd吹きに回ってほしいというふうに顧問から言われました。
下で支えてほしいということらしいです。
最近練習して少しずつ高音が楽に出るようになってきたところにこのように言われ、心が折れかかっています。
先輩に相談しましたが、同じことを言われて何もいえずはいと言うだけになってしまったのですが、高音が出て楽しいとせっかく思ってたのによく分からなくなってしまいました。
そこから少しは自信を持てた音色でさえ自信を失ってしまって、練習が辛いことがあります。
どういうふうに考えて練習すればいいのでしょうか?
りりさん
2nd/3rdに回ってくれ、というのは、別に「ハイトーン諦めろ、ハイトーン練習するな」という意味ではありませんよね?
たぶん、上手になってきているからこそ、トランペットパート全体のレベルアップのために、上手なひとをファーストに集めるのではなく、各パートに分散したくなったのではないかな、と推測します。
プロの世界では、何番吹きでも高音も低音も練習しています。
合奏で演奏する曲以外にもいろいろエチュードや他の曲にも取り組んでいきますしね。
今回の出来事は、自信を失うようなことではありません。個人的に受け取りすぎちゃったんじゃないかな?
いままでの調子で、ハイトーンの練習を続けましょう!
Basil
返信ありがとうございます。
私はあるオーディションで高音が出ないからという理由で吹くことができなくなった曲があり、2nd.3rdをきわめてほしいといわれてまたそのようなことがあるのでは?と考えて不安になっています。
今まで、高音だけでなく音質音色もとても大切だと思って練習してきたのですが、オーディションに受かったのはとにかく高音が出る子でした…それもそれでその子のいいところだとは思います。
また、顧問の先生が私に出る程度の高音でも、1オクターブ下げろ と言い、あまり高音に挑戦させてもらえなくてモヤモヤしています。
そして、2nd.3rdのハモりももちろん大好きなのですが、1stのキラキラした動きもまた大好きです。
なのでこれから1stいっさいやらないで というようなことを言われたのが悲しく思えてしまいました…
でも、それを伝えようと思っても1stがやりたいだけみたいになって言葉が難しくて迷っています。
りりさん
おはようございます。
①顧問の先生に高音がちょっとづつ得意になってきているから、ぜひチャレンジを続けたいということを話してみる
②それで聞き入れられなくても、個人練習ではどんどん高音の練習をつづける(2nd,3rdを吹いていても高音ができるひとはよりよい2nd,3rdになる)
ことを提案したいと思います。
人間社会や部活では、こうしてモヤモヤすることってありますよね….。
こういうことって、即座に解決できないこともあります(それでも、顧問の先生に話してみるのは絶対大切だと思います)。
でも、だからといって自分の練習や取り組みにまであまりそのモヤモヤを持ち込んでしまうと、自分にとっていちばん大切な、自分自身の演奏と成長というところが足を引っ張られてしまい、そうするとモヤモヤどころじゃなくなってきます。
これから、あなたが望みさえすれば音楽生活というのは一生でも続けていくことができます。
トランペットも続けたらいまより比べ物にならないほど上手になります。
きょう、あなたがあなた自身のために、あなたの感覚と興味にもとづいてどんな個人練習をするかが、あなたのこれから先のトランペット人生の充実ととっても深く関わってきます。ぜひ、高音の練習を続けてくださいね。
Basil
ありがとうございます!
本当に相談してみてよかったです。
少し心が晴れた感じがします。
2nd.3rdをやるにも高音練習を、1stをやるにも低音練習をするのは大切だということをちゃんと知ることができたのは私の中でとても大きいです。
先生や先輩に多少は高音練習したほうがいいけどそこまではしないでほしいと言われ、変わりたいのにこのままでは去年1年間とさほど変わらないのでこれからどうしていこう…と思っていました。
練習してもいいんだ!と思うとだいぶ心が軽いです。
縛られているものが少し解けたような感じです。
最近練習するのが精神的に少し辛い日もあったりしましたが、明日の練習が少し楽しみになりました。
自分のために自分が必要だと思うことをやっていこうと思います。
これから先もそんな風に音楽を続けていきたいです。
顧問の先生にも、努力して伝えようと思います。
高音や1stをやってみたいと思うのは悪いことじゃないと思えました。
そして、練習内容としても聞きたいことがあるのですが、私は“息をまとめる”というのが苦手です。
ここ数日、“息を細く”や“息の狙いを定める”というようなイメージで練習していたら、高音が安定してきたように少し思えるのですが、まだ周りから聞くとまとめるのが足りないようで…
これも高音が苦手なのと少し繋がりがあると少し思うのですが、どのような練習が効果的でしょうか?
高音の練習に関して、まず手始めに参考になるかも知れない記事を貼っておきます。
http://basilkritzer.jp/archives/6197.html
http://basilkritzer.jp/archives/5735.html
http://basilkritzer.jp/archives/4629.html
http://basilkritzer.jp/archives/4484.html
Basil
バジルさんの記事を読んでから、色々やってみたり、機会があってアレクサンダー・テクニークのレッスンを受けたりしました。
高音になるにつれて、私は下唇へのプレスを強くすると出やすいこと、息を吸うときに肩を張ってから吸ってしまって肩に力が入り響きが減ることが分かり、特にその2つを気をつけるとhighB♭あたりまで少し楽に出るようになったと思います。
無駄な力が今まで入っていたことが分かりました。
ですが基礎で高音にチャレンジするとできたとしても、曲を特に合奏で段々と疲れてくると、のどに力が入り始めたり、頬に力が入ってしまったり、唇が腫れてくるように感じたり、何も違和感はなくても唇が震えなくなったりしてしまって高い音でなくても音が出なくなることがあります。
のどや頬や体の力は、少しの時間であれば楽な状態に戻せるのですが、またすぐに無駄な力が入ってしまうし
何も違和感はなくても唇が震えなくなるのがどうしてなのか、どうすれば治るのかも分からないので、何か参考になることがあれば教えていただけるとありがたいです。
りりさん
そうですね….
やっぱり直接見てみないと責任持ってアドバイスできませんが、違和感がなくても変になったり力んだりする原因のひとつとして考えられるのが、「自分自身のアンブシュアに合ったマウスピースの当てる位置と移動のラインからずれていっている」というものです。
まずは下記の記事を参考に、ブログを「wilken」で検索してでてくる関連記事を読んでいってください。
http://basilkritzer.jp/archives/4855.html
・自分がどのタイプなのか
・高い音にいくにつれどちらにマウスピース+アンブシュアを動かしているのか
・低い音にいくにつれどちらにマウスピース+アンブシュアを動かしているのか
・その移動軸の傾き加減もよく見極めて
・どこかでその動きを止めたりずらしていたりしないか
といったところがポイントです。
ちなみにわたし自身は「超高位置型タイプ:高い音にいくにつれてマウスピース&マウスピースを右上へ。低い音にいくにつれて左下へ」です。
これがこまかく分かってきて、この1ヶ月で高音の演奏やバテ問題が大きく改善しました。
Basil
レッスン受けてみたいです…
でも学生でお金があまり出せないので、難しいかなとは思います…
少し前の発表の時のビデオを見て、私は思ったより自分から見ると更に右側に構えていることが分かりました。
・低位置タイプよりの中高位置タイプというと1番近いのかと思います!
・吹いてる時はたぶんちょうどバジルさんと真逆で低い音は右上、高い音は左下にいきますが、移動軸は ほぼ まっすぐくらいです。
・高い音になると気持ち的になぜか楽器を上にあげようとする癖があるようで、左下にプレスするようにすると予想外に音が当たったりします!
これらを考えて吹くと少し疲れにくくなったと思います!
また、高音で変に音程が高くなるのが以前からあったのですがイメージした音程とだいぶ近いように吹けるようになってきました!
少しずつ自分の癖が分かるようになってきたのですが、楽に吹けていても自分から見て左側(楽器は右寄りの構え方)から息がもれてしまいます。
口が閉まりきってないのかと思い、左側の唇を少しひくようにしても変わりませんでした。
りりさま
細かいことですが、中高位置タイプと低位置タイプとでは息の方向が逆なので、「どちら寄り」というものは存在しません。
息が下向きなら(結局マウスピースのなかで上唇の方が多いなら)、どれだけ位置が低くても中高位置タイプです!
今後の遠回りを避けたいので、理解を明確にしておいてもらうために、それだけお伝えしておきたいと思います。
しかしながらご自身の動きの方向と、そしてそれに沿わない癖を発見し、さらには効果的な修正方向も見つけられたようで何よりです!
その調子で、上達を楽しんでください (^^)
息漏れに関しては、もしかしたら元々のマウスピースの当てる位置もっと右か右下にすると改善するかもしれません。
Basil
返信遅くなり、すみません。
なるほど!
そのお話を聞けてよかったです。
息は下向きなので中高タイプですね!
アンブシュアタイプのページみたことはあったのですが、自分が何タイプなのか判断しきれなかったもので…
前のメッセージを送ったときよりも、さらに動き方をつかめてきたので、慣れていこうと思います。
前、左から息漏れしていたのでマウスピースの位置自体が右すぎるからなのかと思い、最近は左に少し寄せ気味で吹いていたのですが、もっと右のほうがいいのでしょうか?
前回メッセージを送ったときは合奏で吹き続けることが多かったのですが、今は個人やパートの練習が多く、休む時間も取れるためもたぶんあり息漏れは減っています。
りりさん
>>前、左から息漏れしていたのでマウスピースの位置自体が右すぎるからなのかと思い、最近は左に少し寄せ気味で吹いていたのですが、もっと右のほうがいいのでしょうか?
試してみたら?