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わたしのアレクサンダー・テクニークの師匠のひとりであるジェレミー・チャンス先生から受けたレッスンの中で気付いた大きなことのひとつが、
『楽器を構え、支えるときに下半身に連動してくれると非常にうまくいく』
ということでした。
わたしは中学でホルンを始めてから、楽器の保持には何年も苦労しました。
とても重く感じられて、楽器を構えているのが苦しかったのです。
大学生になってから徐々にそれは改善していったものの、20代半ばになってもまだ、立奏時には腰、膝、足首をけっこう固めていました。
それが、ある日ジェレミー先生のレッスンを受けて、一気に改善しました。
レッスンでは、自分が
・楽器を動かし、構えること
・そのなかで態勢や重心のバランスを取るための身体の動き
・楽器を吹くこと
がそれぞれバラバラに捉えていたことに気づかせてもらえました。
これを改善するには、言葉で表現すると長ったらしいですが
『楽器を持ち上げるときに、そのために下半身が動いてアジャストを続け、その動きを続けながら楽器を吹く』
という捉え方をするとよいのです。
こう理解すると、それぞれの動きはバラバラではなく、互いに重なりながら起きるのが分かります。
頭の中で楽器を持ち上げることと、下半身のアジャストの動きを促すこと。それが同時にイメージできてつながったとき、実際にホルンを吹いて音を出してみると….
えっらいちがいがありました。
なんだか構えるのも音を出すのも息を吐くのも簡単でした。
発音しようとする瞬間、どうしても少し息を止めそうになっていたのですが、この抵抗もピタッと止みました。
すごいぞこれは….。
強奏も試してみたくて、ベートーヴェン英雄の3楽章のホルンセクションが目立つことで有名な箇所をやってみました。
楽器を構えて演奏の条件を作る際に下半身にも連動を促す、というこの新しいやり方で吹いてみるとなぜか、マウスピースとアンブシュアの関係がいつもより敏感に認識できました。
その結果、マウスピースとアンブシュアが上記のフレーズを演奏中ちょっとずれたことが明確に分かり、演奏しながらそれへの対処や修正もできました。
フレーズを吹きながら、
「ちょっとずれたかな、このままフィニッシュの高音いけるかな」
と少し不安を感じましたが、そのまま最後まで吹き続けたところ、これまたビックリ。
最高音がラクラクのフォルテで、軽いキレと抜けのよい音色で鳴らせました。こんな感覚は初めてでした。
そのときの自分の音は、いつもより明るく、強い、ある種の硬さはあるけれどハッキリした、動きの軽いものでした。
よく響くので音量が増した感じもします。
この音、普段とは異質だったのですが、「あ、これ知ってる!」という感じもしました。「自分本来の音」ということだったのです。
アレクサンダー・テクニークのレッスンでは、こういう変化や気づきを多くの人が体験します。
レッスンでそういう吹き心地や感触そして自分の音を体験すると、「これだ!」という基準点のようなものが自分の中に急に明確になって、次の日からの練習がグッと前進します。
自分本来の能力を数秒でも目の当たりにし体験すると、ほんとうにワクワクしますね。
Basil Kritzer
バジル先生
昨日の夜のセミナーを受講しました、クラリネットの水野です。
楽に吹ける吹き方だけでなく、観客との距離が近くなる視線の当て方までご指導下さり、大変有意義な時間でした。
観客のみなさんの笑顔が私の視界に入ってきた時、音が飛んでしまったらどうしようという不安はどこかへ行ってしまい、伸び伸びと楽しく演奏することができました。ありがとうございました!
水野さん
なんと、頂いたコメントに気がつくのがいまになってしまいました….💦
大変申し訳ありません。
先月は高円寺でのセミナーへのご参加、ありがとうございました(*^^*)
吹き終えたあtの笑顔、素晴らしかったですよ(*^^*)
またどこかでお会いしましょう!
Basil