1ヶ月前に初めてレッスンに来たときは何年にもわたる深刻な不調に悩まされていた生徒さん。
顎やアンブシュアがぐらぐら揺れ、発音に難を抱え、音がすごく不安定になっていた。
それが今ではあっという間に劇的に改善。びっくり。
1:見た目の真ん中や左右対称でなく、その人の顔や歯のかたちからフィットするマウスピースの当てる位置を見いだし、
2:下顎を張ろうとするかわりに上下の唇が互いに近づいてちょっと膨らむ感じで良いのだと理解し、
3:音域やタンギングでアンブシュアが動いても良いと確認し、
4:アンブシュアを思いっきり横に引っぱってテンションを作ってよい。
↑ という四点がこの方にはすごく効果的だった。
いずれも「それは決してあってはならないこと」信じていたことだったというのが非常に興味深い。
奏法的に
「~であってはならない」
「~であるべき」
という考え方と教えられ方、そしてその中身の真実でなさの掛け算が、長期間の深刻な症状を引き起こしていたのかも。
幸いにも、根は深くなかったから、劇的に改善した。良かった良かった!
才能と情熱と優しさを持った素敵な音楽家であり指導者であるひとが、本来の自分のちからと自由をを取り戻しつつあるのだから。
あれほど強い症状がこれだけ短期間で一気にスムーズに改善することがあるという実例に接することができて、素晴らしい財産になった。
同じ状況の生徒さんにこれから出会ったら、もっと落ち着いて、希望を持ってレッスンしていけそうだ。
感謝。
Basil Kritzer