タンギングが「タウー」となってしまって一つ一つの音に息が入らない….どうしたらいいの?Q&A

音大生のトランペット吹きより質問をいただきました。

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【質問者】

こんばんは。突然のメール失礼致します。只今音楽大学に通っているトランペットの者です。

僕は昔からタンギングが苦手で「タウタウ」してしまいます。

大学の教授からはタンギングをする時に一つ一つに息が入っていないと言われます。
しかし息を入れようとすると、首のあたりが力んだりとする結果になってしまいます…

どの様なイメージで練習をしたらよいのでしょうか。

また、タンギングのタウタウの現象はどの様な原理で起こってしまっているものなのでしょうか。

【バジル】

そうですね、文字通りに「ひとつひとつの音に息を入れよう」としたら、首のあたりが力むことはよくあることだと思います。わたしはそういう例はたくさん見てきています。

次のことをためしてみてください。

1:息を鼻からゆっくり、たくさん吸います
2:息を強く吐きますが、鼻からも口からも漏れないようにします。
3:そうすると、水のなかで息を止めているような感じ、体のなかに息が溜まっている感覚になりますね?
4:それが、息の「圧力」の感覚です。
5:その圧力を思い切って強くしてください。
6:その感覚をなるべくキープしながらタンギングを強くします。
7:タンギングが連続するフレーズも、息の圧力感とタンギングの強さを作り続けてください。

そうするとどうなるでしょうか?

ためしてみて、変わったこと、気づいたこと、質問などをすぐにまたメールください。

【質問者】

メールの返信を下さりありがとうございます。

結果はいつもの練習よりもお腹への負荷が掛かっていたことに気づきました。

4.5の項目のところで首がすごく膨らんでしまい、血管がよく浮き出てきてしまいました…

【バジル】

負荷がお腹に移ったのはよいことです!

楽器演奏は、力とエネルギーを使います。
だからどこの力をどういうタイミングでどういう方向に使うかが大切なんです。
お腹は強いですから、楽器演奏のほとんどの負荷に耐えられます。よい兆しです。

首の膨らみ、血管の目立ちはあまり気にしなくてよいと思います。
初めて息の圧力を能動的に意識的に作れたわけですし、この技術はこれから洗練させればよいわけですから。

また膨らみやすさ、膨らみや血管の目立ちやすさは個人差がかなりあると思います。
あまり心配いらないと思います。

口の天井の硬いエリアをベロで触ってその形や広さを確認しておき、「2」で息を吐くときにそのエリアに息を当てるつもりで息を吐くようにすると、膨らみの感じは変わってくるかもしれません。

肝心のタンギングや音質はよい兆しはありますか?

【バジル】

思い返せば大分お腹を使って吹くということはしていなかったです……

タンギングはいつもトゥトゥトゥのシラブルで言っているのですが、ゆっくりからやってみるとタンギングをするときの舌の動きがとても大げさで無駄な動きをしておりました。

息を吐き続けながら吹くという項目は昨日よりは出来るようになったと思っているのですが、どうしても舌の動きでタウーという風に聞こえてしまいます…

【バジル】

トゥトゥトゥもいいですが、

「タッタッタ!」というとても鋭く乾いた舌のつきかた

「ティッティッティティッティッティ」という強くて浅い(口の中の、かなり前の方に意識が集まる)舌のつきかた

もやってみるとどうなりますかね?

メールのやりとりの範囲で感じることなのでごく限定的ですが、あなたの場合は演奏するときに「力を使う」ということを忘れがち/避けがちなのなかな、と感じます。

もしそうだとすると、そういうひとは「無駄に動かないようにする」というのはさらに力を使うことを減らしてしまってもっと吹きにくくなるのでは、とちょっと危惧します。

タンギング・発音をもっともっと「エイッ!」と「タッ!」とがさつでもいいから、というつもりでやっていくことを試してみると何か糸口になるかもしれません。

その分、口をしっかり閉じる(タンギングで勢いのついた息にしっかり対抗するようなイメージ)ようにするのもよいかもしれません。こちらは、まずはタンギングを強く、の後に試してみてください。

【質問者】

ティティと突くと前よりもはっきり聞こえました!!口がすぐに開いてしまっていたのもこれで改善しました。

ありがとうございます!

僕なりにもう一つ原因と考えたのは、音の倍音です。

僕は倍音を多く含んだ音で吹けていないです。

タンギングした時の薄い感じや、ぼやぼやする感じ等、元の音がもっと豊かな音をしていればタンギングをしても豊かで聞きやすいタンギングになると思いました。

【バジル】

お、効果があったようで何よりです。

響きに関してですが、この記事が役立つかもしれません。
ラクで豊かな高音のための「声と響き」

一点だけ気をつけたいのは、「タンギングする」ということと「元の音」を分けて考えちゃうと、その「分ける」という発想が、タンギングに対する苦手意識とか、自分の音は響かないという劣等感的なものを固着させやすいことです。

オススメは、タンギングをバンバンやりながら、記事にあるような響きのことを取り入れていくということです。

【質問者】

ありがとうごさいます。

タンギングと息を完璧に別物として扱ってしまっていました。
この二つを一つにまとめてこれから練習して行きます!

響きですね、、本当に色々な助言や資料までありがとうございました。

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