基礎練習をやっていてもうまくならない…どうしたらいいの?

先日の記事『無力感』に対して質問をいただきました。

【質問者】

こんにちは!今回の記事をみて、無力感はすごく感じていることなのでそれについて理解することができました。

ですが、ここで一つ質問です。

曲のある部分ができない時の無力感が今回の内容でしたが、では、基礎練や初歩的なロングトーンなどの曲ではない時に無力感を感じている人はどうすれば良いのでしょうか?

私は今高校3年で、引退前に部活に負けてやめてしまったので、こんなことを質問するのは野暮かもしれませんが、よろしければ返答が頂けるとありがたいです。

【バジル】

あまりにも難しいことや、現実的にはあり得難いこと、いまの自分にとって高いレベルのことを

『クリアすべき』
『クリアできて当たり前』
『できないのはおかしい』

と思っていると、基礎練習やロングトーンでも無力感や焦りに苦しめられるでしょうね。

心当たりありますか?

【質問者】

返答ありがとうございます!

とてもあります。曲ならまだしも基礎練なので毎日積み重ねているものなのに一向に出来ない。でも基礎だから出来ないと曲が出来ない。だから基礎ばっかりやって曲が進まない。でも出来ない…

たかがロングトーンもまともに出来ないのかとすごく落胆する毎日でした。
どんどん後輩が上手くなり抜かされ、さらに焦りが増加し後輩と上手くいかず辞めたって感じなんですね。

では当時の自分はどうすればよかったのでしょうか…

【バジル】

まず、

「基礎が出来ないと曲が出来ない」というのは必ずしも本当ではないのです。

1:まず曲に取り組み
2:その曲において難しい箇所を取り出し
3:その箇所を基礎「的」なパーツやパターンに還元し
3:還元された「型」にいろんなバリエーションを加えて練習し
4:少しづつ元のフレーズへとかたちを戻していき
5:曲をクリアしていく

というやり方の中で「基礎練」ができます。

これをしていると、

・端からみるとロングトーンをしているように見えても、本人は曲の具体的な箇所の練習としてやっている
・端からみていると基礎的な練習をまったくしていないように見えても、本人は「曲形式の基礎練」を行っている

ということがあり得るわけです。

追伸:下記の記事も参照してください。
『「基礎を固める」という言語表現の危険と、代替案』
https://basilkritzer.jp/archives/3780.html

【質問者】

なるほど、無意識のうちにやったことがありますね。これを現役の時に知っていれば….

とてもすっきりしました!本当にありがとうございます。

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基礎練習をやっていてもうまくならない…どうしたらいいの?」への6件のフィードバック

  1. ホルン吹きですが、息を捕まえることができて悩んでします。
    発音前に口の中に息をため込むことができていないのだと思います。
    発音をするときに舌を引いても、すぐには息で唇を振動させることが
    できません。
    その結果、舌を引いた後に息を押し込んで発音しているようです。
    このため細かく刻む音は、発音される頃には次の音に移動しなければならず、音になりません。
    細かい音をフォルテで吹くなんて至難の業です。
    こんな発音状態なので、ロングトーンでも羊羹の切り口のような音には
    なりません。
    頭では手順を理解したつもりでいるのですが、結果が伴いません。
    発音前に口の中で息を捕まえるイメージをアドバイスしていただけませんか。
    よろしくお願いします。

    • 伊藤様

      文章を読んでいると、たしかに息の溜め込みがうまくいっていないようですね。

      この息の溜め込みは、別名「息の圧力」です。

      1:口を閉じ、口を手で塞いでください。
      2:口の中の天井の硬いエリアをめがけて、強く、ゆっくりめに息を吐いてください。
      3:その際、息は漏らさないでください。
      4:目線は前を向いたまま。拍につれて頭を前に落とさないように。吐く力の源はお腹と骨盤底です。
      5:かなりキツイところまで息を吐くのを続けます。首が太くなったり、顔色が赤くなったりするかもしれません。息の圧力が高まっていることを実感できます。

      これを通して、息の溜め=息の圧力を作る実感が得られれば、あとはそれを楽器を吹くときも意識していくようにするとよいかと思います。

      参照:息の圧力の作り方 http://basilkritzer.jp/archives/995.html

      試してみてください。

  2. トランペット吹きです。
    もうすぐ、ある大会の全国大会が控えているのにも関わらず、チューニングBbから上の音がカスカスッといい、タンギングをしようとすると音が消えてしまうような不調に陥っています。
    これは決して最近起こったものではなく、
    支部予選の際からずっと続いています。
    自分が師事している方から、口角を上げるようにと言われてから意識をしたり、先輩からアンブッシュアを真ん中にするようにと言われたりした為に、
    以前のアンブッシュアや吹き方などを見失ってしまいました。
    自分はアンブッシュアが左寄りになり、顔が右向きになる為、先輩からは目立つからと言われ変えるように言われました。

    音のツボが分からず、楽器があまり振動していない感覚があります。
    また、以前は無意識に出来ていたタンギングも、ペタペタと音を立てるようになりタンギングをするたびに音がカスカスになります。

    大会も間近です、
    解決法が全くわかりません。
    何かアドバイスを頂ければ幸いです。

    • 大会までにすっかりもとどおり、というように特定の成果を特定のタイミングで求めてもそこはどうしようもないかもしれませんね。

      ですから、自分の吹きか方に戻して、そこからゆっくり普通にやるのが結局は早道でしょう。

      具体的には

      ・左寄り、顔右向きの当て方に戻し
      ・自分のアンブシュアモーションを把握してそれに沿って吹くようにする

      のがまず大切です。

      先輩はなんもわかっとらんひとの典型的発言です。言われたことは却下です。

      Basil

  3. こんにちは。

    中学生でフルートを吹いている者です。

    ” 息の音は、息の音よりも響きが上回った時に聞こえなくなる ” と言われたのですが、響き というものがよく分かりません。先生や講師の方には、暖かく吹いたらいいよ とか 喉の奥開けるといいよ とか そもそも息の量を減らしてみて などと言われるのですが、そうすると今まで出来ていた部分が出来なくなってしまいます。例えば、音量が小さくなったり 長く伸ばせなくなったり 音程が下がったり、、、
    ロングトーンは1日4本は必ずするようにしており、基礎に時間をかけているつもりなんですが、これでは少ないのでしょうか?

    響き をだすためにはどのような練習法が効果的なのでしょうか?

    • beriさん

      「響き」に関しては、まず響いている音とそうでない音のちがいを、自分がわかるようになる必要がありますね。
      そして、それがよく分かるようになってくるだけでも、かなり音を響かせられるようになってくることもあります。

      響きに関して役立つかもしれない記事を貼っておきますので、読んでみて下さい。

      ・http://basilkritzer.jp/archives/6520.html
      ・http://basilkritzer.jp/archives/7666.html
      ・http://basilkritzer.jp/archives/6366.html
      ・http://basilkritzer.jp/archives/4484.html
      ・http://basilkritzer.jp/archives/357.html

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