【質問者】
はじめまして。
私はつい先日高校を卒業したばかりのものです。
高校の吹奏楽部でホルンをふきはじめ、いまは今週末にある音大の試験を受験する予定です。
私事ですが、先日まで、前出ていた音が急に出なくなると言う自分でも原因不明の不調が続いていまして、自分でも行き詰まっていたのですが、貴方の動画などでレッスン風景などを拝見し、自分の練習にも取り入れたところ驚くくらいに変わりました。
直接ではありませんが、お礼を言わせてください。
ありがとうございます!
メッセージで申し訳ありませんが、どうしても質問したいことがあるのですが、お答えしていただいてもよろしいでしょうか?
【バジル】
はい、お返事に時間がかかることもありますが、どうぞ。
【質問者】
ありがとうございます!
高音域を吹くとき、バジルさんは息を増やしてみる、お腹の支えを使ってみる他に、「唇を動かしてみる」「プレスをしてみる」と言われるのをお聞きしたのですが、まず、唇を動かすと言うのは具体的には唇のどの部分を動かすのですか?
単にアパッチュアを狭くするだけなのであれば、私は音が薄くなるのですが、バジルさんは薄くならないのですか?
そしてプレスしていくとすごく音域が高くなったときに押しすぎで出なくなることがあるのですが、プレスする事に限界はないのですか?
あとこれらは技術的な事とは全く関係ありませんが、普段本番前もですが、唇やからだのケアは特別にしていることはありますか?
そして、私で言ったら試験前、30分もおと出し時間がないときバジルさんだったら何をしていますか?
たくさん質問をしてしまいすみません
お願いします。
【バジル】
①唇
まずは、唇のどこを、というふうに細かいところにこだわるより
『音を出すには、その音ごとに口を動かして音を出している。だから高い音にいくとき、口を思いきって動かして、動かすことで音を出そう』
というコンセプトで試してみるとどうなるでしょうか?
②プレス
プレスの意味は、マウスピースと唇がしっかり接触しているようにする、という意味です。
プレスによって音を出しているのではなく、
・マウスピースと唇がしっかり接触して
・口をマウスピース方向に動かしながら
・息を吐く
ことで音が生み出されます。
高音ほど、このいずれもが、より『強く』なります。
プレスによって音を変えるのではありません。
この三つを確認していけば、
・プレスを増やす割合がもっと小さく済む
かもしれないし
逆に
・強くプレスしてもアンブシュアが平気になる
かもしれません。
③からだのケア
たくさん演奏の仕事をやっていた時期は、唇周りのマッサージをしたりリップクリームを塗って凝りや乾きをなるべく緩和していました。
いまは、体調と気分の両方から、体力の低下をチェックし、低下に気づいたらなるべく休養を優先しています。
また、腕のいいカイロプラクティックや整体師さんのところに通って、身体のリセットをなるべくするのも大変オススメです。知らず知らず知らずのうちに蓄積される癖による限界を外していけます。
④演奏前の時間
自分の心を演奏に、ポジティブに向け直す作業をとにかく繰り返してすごします。
また、身体を動かしたり、自分の身体のリラックスを思いながら楽器を暖めたりします。
【質問者】
お返事をいただいてから、すぐに教えていただいたコンセプトでやってみましたら、だいぶ楽に音を出せるようになりました。
特に音の輪郭がはっきりして、通るおとになりました。
まだ体がなれてないので、続けてやってみます。 ただ、口だけではなくお腹と息の支えも必要だなあと感じました。
プレスの件ですが、私はプレスとはマウスピースを口に押し付けると言うことだと思っていました。
改めてしっかりと接触していたか確認したら意外としていなくて、さっきの唇のコンセプトを取り入れてやってみたらよくなりました。
からだのケアはこれから参考にさせていただきます。
演奏前の時間、私は急に不安に刈られ、焦り、音だしの時に吹きすぎてしまい本番口がばてて、変に緊張して体も固くなり、ついには息が入らず、唇が振動しなくなり、ベストな状態で演奏したことがなかったですし、今回は試験でKoppraschが課題で、高い音も容赦なく出てくるので、練習も全然できてなくて本番ではまた不安にかられてくるなと思ってましたが、バジルさんの過ごし方すごく参考になりました。
最後に申し訳ありませんが、先ほどお聞きしたかって聞き忘れたことですが、バジルさんは普段吸った息をどこにいれるかなどは意識されていますか?
【バジル】
そうですね。
マウスピースとアンブシュアのことが明確になると、それを合図に息の支えが機能し出して、息の支えを能動的に行うことが必要になるし、また支える事をしやすくもなってきます。
本番直前、音が出なくなることは、わたしも何度か体験しています(でも本番は大丈夫)し、しょっちゅう経験するひともかなりいるみたいです。
吸った息に関してですが、息は肺にしか入らないので、肺にしか入れようとしません。参照『呼吸法』
【質問者】
そうなんですか。
私本当に緊張ばかりして、ついには足がピクピクと動き出すぐらいなので、私だけかと思っていました。
呼吸法ブログ拝見いたしました。 すごく医学的にも詳しくかいてあって、難しいかなと思いましたが、やってみたら簡単にいきがはいりました。
最近急に息が入らなくなり、自分で喉がしまってるからかなあとも思ったり、息が吹いていて続かなくなっていました。
でも、教えていただいたようにやって見たら、「すー」っとからだ全体に行き渡るようにいきがはいりました。 まだ楽器はそれで吹いていませんので、今日の練習でやってみたいと思います。
私も最初はお腹が膨らむんだと思ってました。 でも、こう受験生として楽器を吹いていると、「結局、腹式呼吸ってなんなんだ」と思い始めました。
たくさん質問しましたが、自分のなかでなにかがつかめたので本当にありがとうございました。
今回教えていただいたことももちろんですが、動画で「吹くときに上半身の準備は必要ない」と言うことをお聞きして、確認してみたら自分は上半身にかなりの力が入っていて、最近試験が近くなり焦って余計に力任せに吹いていたのだなあと感じる事ができ、前よりも無理なく吹くことができました。
いまは試験であまり時間もないので、終わってから、ゆっくりからだの使い方などみて自分にベストな吹きかたなども見つけて行けたらと思いますし、まだ決めてはいませんが、お金もたまってきたら一度バジルさんのレッスンも受けてみたいと思います。
長々となりましたが、本当にありがとうございました。
3年ほどブランクがあってこの前やっと本格的に吹くようになったんですが、以前と比べて高音で圧力に耐えられずに唇が外に広がるような感覚があり、以前苦労せずに出ていた音域が演奏で使えるような音では出てくれません。
改善法をご教授下さい。
小野寺さん
再開して間もないなら、もうちょっとリハビリ期間を想定してもいいのではないでしょうか?
唇のことに関しては、まずはこのブログにあるアンブシュアモーションとアンブシュアセッティングに関する記事を参照してください。
もし読んでも分からない、役立て方が分からない場合は、
もっと詳細に状況や取り組み方を説明していただいたうえで再度ご質問頂くか、
いちばんは実際にレッスンにいらっしゃることです。
Basil