先日レッスンにお一人、プロのバイオリン奏者の方がいらっしゃいました。
主訴は、
・弾いているうちに呼吸しづらくなる
・腹式呼吸ができていない気がする
の2点。
後者については、
「腹式呼吸は正しく、胸式呼吸は悪い呼吸。みたいなことを聞いてきて気にしていますか?」
と尋ねると、苦笑いしながら図星ですとのこと。
会う相手会う相手、誰に対しても「腹式呼吸ができてない。深く吸え。肩が上がってはイカン」しか言わないひとがけっこういますよね(笑) まあ、呼吸法に関して幅広い考察や理解はなく言っていますから、真に受けない方が良いのです。
そんなわけで、まずはよくある呼吸法の誤解を解くためにこ呼吸法をザッと説明しました。
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自然な呼吸
・息を吸う時=体が膨らむ
・息を吐く時=体がしぼむ
一般的な腹式/胸式の定義
・腹式呼吸=吸う時お腹が膨らんで、吐く時凹む
・胸式呼吸=吸う時胸が拡がって、吐く時しぼむ
歌唱・管楽器吹奏の腹式/胸式の定義
・腹式呼吸=吸う時お腹が膨らんで、膨らましたまま保ちながら息を吐く
・胸式呼吸=吸う時胸が拡がって、拡がったまま保ちながら息を吐く
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で、理由は仕組みは分からないけれど、腹式呼吸がうまくいくか胸式呼吸がうまくいくか、それは人により異なり、どっちが良いとか決める権利は本人以外誰にも無いのです!
呼吸している本人にとってどうか、本人が選ぶことなのです。
で、歌唱および管楽器吹奏における腹式呼吸と胸式呼吸のちがいは、
「支えをどこで作るか」
のちがいに過ぎなくて
・吸う時ふくらむ
・吐く時しぼむ
・ふくらんだところをふくらませまま保つ
というのが同じです。
さて、支えはお腹か胸かの二択ではなくて、感覚イメージ的に言えば頭のてっぺんから足の裏まで、その中のあらゆる「高さ」で作ってみることができます。
その中のどこが、やりやすいか・演奏がうまくいか・音色が良いと感じるか。
やはりこれもやる本人による比較により本人が選択することです。
今日のバイオリニストの場合、いろんな高さに支えを作ってみてもらったところ、
肋骨の下の方、体の真ん中あたりかちょっとその下辺りが
・弾きやすいし
・呼吸しやすいし
・音色も好みである
ということが見えてきました。
これで、主訴の2点目はもう悩みではなくなり、1点目もだいぶ改善したようです。
このあと、1点目については更に次のアプローチを進めて大変有益でしたが、その内容については、もう少し同じようなケースで確認する機会が重なってからいずれ記していこうと思います。