音大受験生からメール相談を頂きました。
【相談者】
はじめまして。私はホルンを吹いている高校3年生です。音楽大学を目指していて、今は入試に向けて練習に励んでいます。
私には今悩みがあります。それは、自己否定癖がどうやっても抜けないということです。
バジル先生のブログの中にあった「自己否定方式を見直す」という記事や、先生のブログ以外のサイトも調べて色々見て実践してはみたのですが、どうしても自分のことを認めてあげることができないのです。
「何で私はこんなに下手くそな演奏しかできないんだろう」「こんなに吹けないのに何で音大なんか目指してるんだろう」と思ってしまうこともたくさんあります。時には音楽が苦しく感じられる時さえあります。
入試ではかなり難易度が高い曲をいくつも吹かなければならないのですが、入試に対しての焦りや不安もあってなかなか思い通りに吹けません。思い通りに吹けない→どうせ自分なんて…→練習効率が下がってもっと吹けなくなる→どうせ自分なんて…という感じの悪循環に陥ってしまっています。
少しでも自分を認めてあげるために、そして入試本番で良い演奏ができるようになるために、どんなことが必要なのでしょうか。
お忙しいとは思いますが、もしよろしければ教えていただけると幸いです。よろしくお願いします。
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【バジル】
こんにちは。
『自分を認めてあげる』
と
『入試本番で良い演奏ができるようになる』
は関係はあるかもしれないけど、イコールや条件、必要事項ではないと思うので、それぞれで考えてみましょう。
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『自分を認めてあげる』
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ここで認める自分というものは、科学で言えば物理法則に従い宇宙が生まれ地球が生まれ生命が生まれ進化し、人間が生まれ何十万年と繋がってきた遺伝子を受け継いだ『自分』であり、宗教で言えば神様が生きることを許して、神様自身を型どって生み出した存在としての『自分』です。
楽器の上手い下手、容姿、お金の有無、犯罪をしたかどうかすらを超越して存在し生きていることそのものが、存在していることただそれだけを以て存在価値がすでに完全に実現している、ということです。
あなたがあなたをいくら否定しようとも、何十億年の歴史の連なりの中にいまこうして生きているということは否定しようがないし、宗教的には、誰がどれだけあなたを蔑み否定しようとも神様はあなたを存在させていることは否定しようがない。
自分が自分についてどう評価しようが思おうが、生まれたことを以て存在価値はもう100点になっているのです。
その前提で、自分は何をしたくて、何がいまはできて、何がいまはできないかを直視するわけです。ド下手ならド下手でそれはそのまま直視するわけです。
– – –
『入試本番で良い演奏ができるようになる』
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これは、もっと分かりやすい話で、
・実力を上げる
・実力をできるだけ発揮する
にはどうする必要があるか?ということを自分に問い、様々に試して検証していく旅路です。
もし焦ることが実力向上、実力発揮を妨げるのだと考えるなら、なぜ焦るのか、焦らない自分とはどういうときの自分か、などを考えていくわけです。
Basil
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