高校生ホルン吹きの Y さんよりご質問頂きました。
【質問】
半年前くらいに高音の吹き方を変えたために高音が出なくなってしまいました。
ホルンのレッスンの先生には口を引かないと高音は出ないと言われていて、頭では理解しているつもりなのですが、いざ唇にマウスピースをつけて音を出そうとすると口が真ん中にいこうとしてしまい、思うように引けません。
有名なプロのホルン奏者の方々も、きれいに口を張って高音を出していらっしゃるので、私が高音を出すための手段はこれしかないように思っています。
自分の思い通りに口を引けるようになる為の思考や方法等、ヒントになるようなことがありましたら是非教えて頂きたいです。
それから、楽曲や易しいエチュード、スケールなど広い音域を使う練習をすると、下唇の内側が擦れて、もしくは歯に食い込んで痛くなってしまい、1曲であったり1フレーズを最後まで吹けないことが多々あります。
下唇にプレスをし過ぎなのかもしれないとも思いましたが、記事を拝見させて頂きました所、そのようなことはないように感じました。
どちらの事も半年以上前から悩んでいるのですが、自分でも答えが出ず、周りの人にも相談出来ずにいます。これが解決すればもっと良い演奏が出来るのではないかと思うので、お力をお貸しいたただけないでしょうか。
【回答】
Yさまのケースを読んでいてまず根本的なところでの提案があります。
「正しい口の使い方さえ身に付ければ、良くなるはずだ」
という思考があるように思えるのですが、わたしは根本的にはこれが問題の一端を担っているのではないかと思います。
口の正しい使い方を全く気にせずに練習していったほうが、ずいぶん良くなるのではないか、という気がします。
いまからある「プラン」を提案しますが、
そのプランを使えば全ての問題は解決しなかった→「あーやっぱりダメだ」」→「正しい吹き方を頑張って身につけなきゃいけない」→自分の吹き方を直さなきゃ
というループにはまって元に戻ってしまわないようにだけ、よくよく気を付けて下さい。
では、わたしの提案です。
① 奏でる音を決めて
① 頭を動けるようにしてあげて
② そうすることで身体全体を動けるようにしてあげて
③ マウスピース(楽器が付いた状態)を口にもってきて、しっかりぐいっと当てて
④ 口を閉じて
⑤ 吹く
という「意識」の仕方です。
口に関しては、
・マウスピースが口に付くまで、とくに何もしなくていい
・マウスピースを口につけてから、口を閉じる(=アンブシュアを作る)
・アンブシュアをどう作るかは細かく考えなくていい。
・なぜなら、アンブシュアの作り方は、「音のイメージ」がアンブシュアに対して指令してくれるから
ということをYさんのケースを読んでいて、私はお伝えしたいと思います。
>>ホルンのレッスンの先生には口を引かないと高音は出ないと言われていて、頭では理解しているつもりなのですが、いざ唇にマウスピースをつけて音を出そうとすると口が真ん中にいこうとしてしまい、思うように引けません。
実はですね、口が真ん中に行こうとするのは、すばらしく良い事なのです。ですから、これからは「口を引こう」と努力するのをやめて、口が真ん中に動こうとするのを100%許可してあげてみてください。
>>有名なプロのホルン奏者の方々も、きれいに口を張って高音を出していらっしゃるので、私が高音を出すための手段はこれしかないように思っています。
その有名なプロの奏者たちも、あまり「口を引け」とは教えないはずです。むしろ、「口を真ん中に集めなさい」 と教える方が多いです。外から見ていると「口が引いている」ように見えますが、演奏する人が持つ意識としては、「口を閉じる」を基本にすることが効果的だと私は思います。
>>それから、楽曲や易しいエチュード、スケールなど広い音域を使う練習をすると、下唇の内側が擦れて、もしくは歯に食い込んで痛くなってしまい、1曲であったり1フレーズを最後まで吹けないことが多々あります。
まずは、新しい意識での練習を始めてみてください。ひょっとしたらそれが、上記の症状を減らすことになるかもしれません。
もしまったく変化がなければ、ひょっとしたら下の歯が尖っているのかもしれません。その場合は、歯医者さんで演奏用の薄い歯カバーみたいなものを作ってもらうとよいかもしれません。
ですが、それはごく少ないケースだと思います。
まずは新しい意識で、ゆっくりと自分らしい演奏法を身につけていくことを考えましょう。その過程で、いずれいまのこの悩みは消える可能性が高いと思います。
こんにちは。
高2です
ホルンを吹いていて一番の悩みなんですが、Gから苦手意識からなのか音が極端に細くなり、息が詰まる?ような感じがします。
先輩の吹き方を見てみると、力任せに吹いてなく綺麗な音がでてるんですが、どうすればそのようになるんですか?
tmk さま
この記事が参考になるかと思います。
→http://basilkritzer.jp/archives/1578.html