高校生のトランペット吹きから質問を頂きました。
【質問】
高校2年生のTp吹きです。中学で吹奏楽部に入ってTpを始めました。
今の高校には、吹奏楽部に入るために受験しました。Tpパートは三年の先輩がいなくて、現在私はパートリーダー、パートトップ兼2年生のリーダーをしています。
よく先輩に、音が飛ばない、もっと楽器をならして、と言われます。
私は、楽器をならすというのがよくわかりません。あと、音が暗いんです。パートの子にも合わせにくいと言われてしまいます。
でも、考えれば考えるほど悪い方向に行く気がして……。どうしたらいいんでしょうか??
【回答】
1点目:音が暗い、周りと合わせにくい
→ 自分の音色は、声と同じで、持って生まれたものです。変えられるものではないですし、変えようとするのは心身の健康に悪いと思います。
「合わせにくい」と言ってくるその子の言葉を深刻に受け止めないで下さいね。その子もあまり分かって言っていません。
気長に自分の吹きやすい吹き方で地道に取り組んで、ラクな吹き方になっていけばいくほど、音色をいじらなくても周りと合ってくるようになります。それはつまり音が響いているということです。響いていると、音色はちがっても、音程が合うので、「合って」聴こえます。
2点目:音が飛んでいない、楽器を鳴らす
→ これも、先輩はあまり理解せずに言っています。ちゃんと理解しているならば、「指摘」だけでなく、ちゃんと「こうするといいよ」と教えてくれるはずだからです。教えてくれるだけでなく、教えてもらうと勇気や希望がわいてくるはずです。
ですから、言葉は悪いですが、「聞き流す」のがいちばんよいでしょう。
1点目と同じなのですが、無理をしない吹き方で、地道に練習を重ねて少しづつ出せる音域や音量を拡大していきましょうそうすれば、自然と響く音、飛ぶ音になります。だから、飛ばそうとしなくてよいですし、しない方がよいでしょう。
響く音が、「楽器が鳴っている」音です。これもやはり、「楽器を鳴らそう」としない方がよいでしょう。ぜひ演奏会に足を運んでプロのトランペット奏者の音を聴きましょう。優しい音大生なら安いレッスン料で一緒に吹いたりもしてくれるかもしれないので、そういうチャンスも探しましょう。
音が響くためには、自分が響く必要があります。
やってみよう:響きのウォーミングアップ
① 頭を動けるにしてあげて
② そうすることで身体全体を動けるようにしてあげて
③ 口を優しく閉じて、ハミングしてみてください。
からだのどこに響きを感じますか?
胸?
顎?
鼻?
額?
頭?
④ 頭を動けるにしてあげて
⑤ そうすることで身体全体を動けるようにしてあげて
⑥ 口を優しく閉じて、こんどはちがう音をハミングしてみてください。
⑦ ハミングしている音を高くしたり低くしたりします。
音が変わると、身体が響く場所も変化するのが分かりますか?
高い音は、鼻、額、頭
低い音は、胸、顎
などによく響いているのが感じられると思います。
このウォーミングアップをしたあと、楽器を吹いてみましょう。
きっと音がいつもと変化していて、響いていて、吹きやすくなっていると思います。
ぜひ試してみてください。