ブログ読者よりご質問を頂きました。
【質問】
バジルさん、はじめまして。72歳のアマチュアホルン吹きです。(仕事はまだ現役で続けています。)
アレキサンダーテクニークはいつも読ませて頂いています。
今の自分の悩みは、今年72歳の老化現象のせいか、2年ほど前から唇が振動しなくなって、音の伸ばしが途切れてしまう症状が出てきたことです。口輪筋のマッサージやリップクリームを塗ったりして、何とかリハビリに頑張って、半年ほど前にはほとんど回復したと感じていました。
合奏練習では調子が良い時は大丈夫なのですが、時々、唇が振動しなくなって音が途切れてしまうことが起こります。1か月半後の演奏会を控えて、ブラームスの交響曲2番のソロを無事に吹き切れるか不安でいます。
アレキサンダーテクニークでは老化現象を克服して唇の柔軟性を回復する技術は有りますでしょうか。ご教示頂ければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。
【回答】
はじめまして。この度はご質問頂きありがとうございます。
アレクサンダー・テクニークで、老化現象自体を直接的にどうにかすることはできませんが、アレクサンダー・テクニーク教師の多くが、実年齢より遥かに若々しく身体がしっかりしていることは事実です。
わたしたちが「老化」として捉えていることの中に、姿勢や体幹の劣化がありますが、それに関しては非常に役に立ちます。アレクサンダー・テクニークの使い方や、やり方に関しては、まずはこちらをご参照下さい→「アレクサンダー・テクニークの使い方」
さらに詳しくは、わたしの著書『吹奏楽指導者が心がけたい9つのこと』第3章にありますので、宜しければぜひご一読下さい。
さて、お困りの症状を読んだ分には、老化や唇が直接的な原因では無いかもしれない可能性があります。
おそらく、息を吐くことがおろそかまたは曖昧になっているかと思われます。
以下のポイントを意識して、やってみて下さい。
—-
①何の音( or スケール or フレーズ etc…)を演奏するか決める。
②どれぐらいの音量で演奏するか決める。
③息の吸い方や吸う量は意識せず、代わりに息を吐くんだということを意識する。
④息を吐く力はお腹であると意識する。
⑤積極的にお腹の力を使って息を吐き続ける。お腹は凹んできたり、絞られるような感じで動きます。
⑥口の天井を舐めてみて下さい。後ろの方は柔らかく、前の方は硬いですね。
⑦この硬い部分は「息を吐く目標地点」です。お腹の力で、「口の天井の硬いところまでに息を送り上げ続ける」ことを意識して下さい。息は前方向ではなく、上方向に動かしているのです。
—-
ぜひ試してみて下さい。
バジルさん、早速のご回答ありがとうございます。
自分では「頭が自由に動けるように」と心に思いながら実践している積りでしたが、
徹底した努力がまだ足りないのかもしれません。再度、挑戦してみます。
結果については、またご報告をしたいと思います。
ありがとうございました。
富田さま 該当記事の後半、息のことがより直接的にポイントかもしれません。ぜひ試してみて下さい。
バジルさん、またまたご指摘をありがとうございます。
今日、土曜日は仕事が休みなので、前回ご指摘を頂いた7つのポイントを確認してみました。やはり息を吐くことがおろそか、曖昧になっていた点は、ご指摘の通りだったように思います。
①何の音を演奏するか、②どれぐらいの音量で演奏するか、⑥⑦のお腹の力で、「口の天井の硬いところまでに息を送り続ける」ことを意識する、はだいたいできているようですが、③の息を吐くんだという意識、④⑤の積極的にお腹の力を使って息を吐き続ける、という点がおろそかになっていたことが確認できました。
今日これから合奏練習がありますので、ご教示を頂いた点を意識しながら、頑張ってきます。
本当にありがとうございます。
その前の準備ですが、まず唇の柔軟性回復はやはりシッカリと十分な時間をかけてウオーミングアップすることが大事なようです。また、ご報告をさせて頂きます。