前回の記事で紹介した、メルマガ読者で神奈川県大和市の「大和ウィンドシンフォニア」指揮者の渋谷仁さんから、わたしの著書「吹奏楽指導者が心がけたい9つのこと」を読んで実際に楽団の指揮や指導に活用した結果、演奏会でどのようなことが起きたかについてお知らせを頂きました。
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本番前日の練習開始前に「もうすでに緊張している人いますか?」とメンバーに尋ねたところ、半数程度のメンバーが手を上げました。
そこで、バジルさん著の「管楽器がうまくなるメンタルガイドブック」から”PART IV 本番で自分のすべてを出す方法(あがり症との付き合い方)” の部分を勝手ながらコピーしメンバーに渡してざっくりとした趣旨を説明しました。
「”あがる”のは別に悪いことではない」
「思考の毒抜きをぜひやってみて」
ということをご紹介。あとはひとまず各自でザーッと読んでみて明日(本番)を迎えましょう!としておきました。
前日の練習では「しつこく言うようだけど…」と言いながら、
・一番ラクな姿勢で
・頭を動けるようにしよう
・息を上へたっぷり送ろう
の3点をその都度言いながら練習を進めました。
特に「頭を動けるようにしよう」はしつこいくらい言ったつもりです。
そのおかげか、やはり先週同様で普段よりも暖かく、いつもよりも調和のとれた良いサウンドが出てきました。
スタンドプレーのソロや前へ出てソロをするプレイヤーは、やはり緊張が前面に出ちゃうようでした。
「音外してもいいんだよ。そんなことは気にしなくていい。とにかく、頭を動けるようにして息をたーっぷり送ろうね。」
ということを言ってあげると気が楽になったようで、これまた良い演奏に変わってきました。
我が団は初心者からそれなりに経験してきた人、高校生から50・60代の人と、人数が少ないながらも幅広い層で構成されている楽団です。
初心者等々も在籍しているのでピッチなど気になる点も当然多々あるのですが、「良いサウンド」になってきたおかげか、今までと比べるとこれらがあまり気にならなくなりました。というよりも、自然とピッチ等が合ってきていたんだとも思えます。
そして本番当日。ゲネプロでもしつこく上記のことを言いながら進め、いざ本番!
簡単に言ってしまえば「素晴らしい!!」の一言に尽きる演奏会になりました。
今まででは弱弱しく貧弱だった音しか聞いたことがないパートや個人から一瞬セミプロ?いやプロか?と思えるほどの音色・音質でお客様に音楽を
届けることができたのです!
お客様から頂いたアンケートでは、
・音が変わった、音色が良くなった
・プロ級の演奏だ
・無料なのが申し訳ない。お金とっても全然良い演奏だ
・この楽団のメンバーになりたいなーって思いながら聞きました
等々、とにかくこのような演奏会をありがとうございます、という趣旨のとてもありがたいコメントをたくさん頂戴しました。(お世辞にもそんなに上手な楽団だとは思っていないのですが…苦笑)
短期間でのこの激変ぶり。
何より指揮者である私のアプローチの仕方を変えてきたというのはかなり大きいのかなと手前味噌ながら思っています。
打ち上げの席でも、メンバーから「こんな素敵な指揮者はいない」、「指揮者とメンバーの距離感が良くなったよね」などというコメントも頂き、
感激のあまり恥ずかしながら涙ぐんでしまうくらい、とても良い経験をさせてもらうことができました。
一部のメンバーでは本番中に「こういうことなのか!」というのをなんとなく感じ始めた人もいたようです。「普段の演奏会なら、終了時点でバテバテなのに今回はまだ余力があるんですよ。なんか変な感じで不思議ですよね!」と言っていたメンバーもいました。
今後もアレクサンダー・テクニークのメソッドをベースにして毎週の練習を進めていきたいと思います。社会人の週末の楽しみですからね。楽器が好きだ!演奏することが楽しい!これを壊すことなく、毎週の練習を楽しく和気あいあいとやっていきたいと思います。
バジルさん、本当にありがとうございます!
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