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高校生トランペット吹きから、メールで質問を頂きました。
【質問者】
私はトランペットを担当しています。今日は悩みがあってメールをしました。
私は脱力することができません。
私のいつものルーティンは、
①ストレッチ
②ブレストレーニング
③マウスピース
④楽器音だし
⑤ロングトーン…
のような感じです。
ストレッチの時に肩に力をぐっといれて、息を吐きながら力を抜くことや、
バジル先生の動画で見た頭を解放させることを意識しながら普段の練習を行っています。
しかし、脱力してると思いきやそうやっている自分を動画で撮ってみると、驚くほど肩に力が入っています。
単純に腕力が足りないのかもと思い、腕立て伏せやバーベルなどをやってみてもあまり変わりませんでした。
私は誰かによく見られたいという思いが人一倍強いです。
なので普段の合奏でも緊張しています。
そういう自分はなかなか変えられなくて、変えられないことで悩むよりもそういう自分を受け入れてしまおう!と最近は「よく見られたいし、目立ちたい!ソロだって吹きたい!」と素直に口に出せるようになりました。
でも、どこか精神的なこともその「脱力できない」ことに関わっている気がします。
当然、本番は普段よりもっと脱力できないのでガクブルです。
この前来たメールマガジンで読んで「緊張するのは、練習の時に表現していないからだ」というのも納得しました。
しかし、脱力出来ていなくても表現することに没頭していれば緊張を緩和させることができますか?表現もとても大切で、音楽に入り込めばそんなこと気にならないのかも知れませんが、普段の練習が脱力出来ていればもっといい音が出るのかもしれないと思ってしまいます。
自分でも何がいいたいかわからなくなってしまいました。
知りたいのは
「脱力するにはどうしたらいいか」
「自分の体をもっと自由に使うにはどうしたらいいか」
ということです。
長々とすみません。回答頂けると嬉しいです!!
【バジル】
こんにちは。
文章を読むと、「力んでいる」ということを、「自分の演奏の様子を観て、その見た目の印象」から判断されているようで、実際に肩に力みや不快感を感じているわけではないようですが、それで合っていますか?
もしそうなのであれば、そもそも力んでいることに困っているのではなくて、
・もっと上手に吹きたい
・本番になると緊張(メンタル)して震える
という話であるようにも読めます。
ですから、「どうすれば脱力できるか?」という問いではなく、
「もっと上手になり、本番でもっとよい演奏をしたい。そのためにはどうすればよいのか?」
という問いになるのかな、と思います。
そのうえで、「力み」についてですが、「脱力するにはどうしたらいいか」と考える前に、チェックしたほうがいいことがあります。
– そもそも、力んでいるのか?(自分が実際に力みを感じるのか、それとも他人に言われただけなのか)
– 力みは、演奏と関係があるのか?
– 力んだから、上手くいかないのは本当か?うまくいかないと、力んでしまうという可能性もあるか?
– 力まないことができたらうまくいくという保証はあるのか?
などなど。
脱力をしたいと思う時って、どこかで「そうすれば上手くいくから」と思ってたり期待していたりすることが多いかなと思うのですが、そもそもそれって実際はどうなんでしょうね。
力みと一口に言っても、原因は様々です。
使う必要のある力を使えていないから力んでいることもよくあります。
そういう場合、必要なのは「もっと力を入れる」ことなんです。そうすると、力みが取れます。
あるいは、力んでいるのに演奏がうまくいきます。
ですから、
-いつ
-どういうときに
-何をすると
-体のどこが
-どういうふうにどれぐらい
力むのか?
ということを細かく把握していく必要があります。
その次に、
「ではなぜ、そううやって力むのか?」
を考えて、最後に
「その状態を改善するにはどうしたらいいか?」
を考えというふうに、順を追って考える必要があります。
Basil Kritzer