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【胸を開きたいなら】
チェストアップの意識だったり、「胸を開く」意識だったり、誘因はケースバイケースですが、
『背骨を反って腕を後ろに引いていて、それで損していることに気付いていない』
というケースに本当によく出会います。
さきほども、その状況になっている方とレッスンしました。
背骨を反って腕を後ろに引いても、それは肋骨が開いたり呼吸がたくさん吸えるようになったりするわけではなくて、あまりメリットがありません。
じゃあ、「チェストアップ」や「胸を開く」感覚をどう得るのか。
その生徒さんとすごくうまくいったやり方がありました。
それは、
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①楽器を口元に運ぶ時に、肩甲骨や鎖骨も積極的に持ち上げる。まさに「肩を上げる」感覚があってOK。ただし、この意識は必ず「楽器を口元に付けるため」という目的に紐付けする。
②そのあと、吸う時に「高いところにある腕や肩の下にある肋骨を思い切り動かす」という捉え方をする
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というものでした。
こうすると、腕・肩と肋骨の間に距離が得られるからでしょうか、肋骨が動かしやすく思いっきりたくさん吸うことがやりやすくなります。
そして、見た目も「チェストアップ」「胸が開く」ような格好になります。
これで得たチェストアップは背骨の反り・腕の後ろ引っ張りというマイナスがありません。
そしてこの結果として、広い音域を通じて格段に鳴りやすくなり、響きも一貫しました。バテももちろん、軽減しました。
「チェストアップ」の意識をしているひとの中には、言葉に引っ張られて、「下から上に胸を押し上げる」ような動作でそれをやっていて、それをするために背骨を反っているのかもしれません。
胸よりもっと上から、胸を「引き上げる」ようなイメージで捉えた方が、斜角筋などがはたらく気がします。
Basil Kritzer