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息の吸い方やロングトーンに関して悩んでいる高校生からのメールです。
問題を乗り越えるうえで、問題をどのように考えているかが、役立つ解決策を見いだせるかどうかに深く関わります。
どんなふうに取り組んでいるかよく分析しながら相談に乗りました。
【質問者】
高校吹奏楽部一年のトランペット吹きです。
息を深く吸いきれないため、ロングトーンが安定しないのですが、どのような練習がよいですか?
【バジル】
短い質問文ですが、思考の解剖を行ってみましょう
①ロングトーンが安定しない原因が、息を深く吸えていないからとは限らない。
→ほかの原因の可能性はないか?例えば、息の吐き方とか。
②息を深く吸いきれていない、というのは本当だろうか?
いつもいつも「吸いきる」必要はあるのだろうか?
→「ふつう」に吸って吹いてみたら、どうなるでしょうか?もしかしたら、目一杯吸おうということをいつもいつも無理にやりすぎているからロングトーンが安定しない可能性はないだろうか?
③息を深く吸えていない原因はなんだろうか?
→吸った息の入って行く場所、経路についての誤解の可能性はないか。あるいはチェストアップをしすぎて肋骨を固めていないか、などなど。
参考になる記事:
「呼吸の誤解を大掃除」
「息の圧力の作り方」
Basil
初めまして。
高校1年のフルート吹きです。フルート歴は4年目です。
体幹を鍛えることによって、演奏にどのような効果が得られるの教えてください。
例えば、音色や音量にどのように影響するのかなどです。よろしくお願いします。
福岡さま
残念ながら、体幹を鍛えることと演奏の向上の関連性については、正確には存じ上げません。
そのような研究を見かけたことがないのです。
スポーツや日常の健康において、体幹トレーニングがどのように役立つのかを調べてみてはいかがでしょうか?
それと同じだと思います。
ただ、体幹トレーニングが練習の代わりになるわけではないでしょう。
身体が元気な高校生なわけですから、健康や基礎体力のためになるのではないでしょうか。
優先順位としては楽器の練習より下だと思います。
いろんな体幹トレーニングの系統があるので、フランクリンメソッドやピラティスなど、姿勢と呼吸の関連付けを行っているものをオススメします。
こんにちは
ここ2ヶ月ぐらいの悩みなのですが、息がどこに入って、溜まっていくのかよく分からなくて息が浅くしか吸えない感じがしてしまい、基礎のロングトーンでも曲でも全然伸びなくて…困っています…
肺に空気が溜まるようでも、お腹に空気が溜まるようでもないような気がするんです…
ななさん
息は必ず肺に入りますね…
(詳細:http://basilkritzer.jp/archives/1470.html)
ひとつきになるのは、「息が溜まる感じ」をつかもうとしているのかな??
たぶん、それはやらなくてもいいと思いますよ。
試しに楽器なしで次のことをためしてみてください。
1:息を吸う
2:口を閉じる
3:息を吐くんだけれど、口からも鼻からも息をもらさない。
4:すると、頬や口の中に空気がどんどん溜まってきますよね?
5:ほんのちょっとだけ、口から漏らします。
6:漏らすペースを最少に保ちながら、息を吐きます。
そのあと、同じ感覚のつもりでロングトーンをやってみるとどうなりますか?
Basil
こんばんは。
お返事ありがとうございます。
お返事が遅くなりすみません。
今まで、息が溜まる感じをつかもうと確かにしていたのかもしれません。
私自身、息が溜まる感じがある=息が吸えてる。と思っていました。逆に、息が溜まる感じがしない=息が吸えていないとも、思っていたのです。
そこで、つかもうとしない考えで、吹いたら、今までは、頑張って息を持たせる、という感じでしたが、息を吸った地点で、まず自然に息が入ってきて、自然に音が伸びて、少し余裕がある伸ばしになり、コントロールも以前より、効くようになりました。
でも、なぜか、こんなに楽に吹いてもいいのかな、なんて思ってしまいます
>>>息を吸った地点で、まず自然に息が入ってきて、自然に音が伸びて、少し余裕がある伸ばしになり、コントロールも以前より、効くようになりました。
それはほんとによかったですね!
「息が溜まる感じをつかもうとする」という作業をもうしなくてよくなった分の自由さ、ラクさですね。
ほんとはやらなくていいこと、気をつけなくていいことを一生懸命頑張ってしまうということは、わたしたちだれにでもよくあることです。
そして、それが実は必要ないんだと気付けると、とてもラクになります。奏法も、気持ちも。
感覚がちがうし、頑張りが減るから、「いいのかな…」と不安になるのも多くのひとに起きることです。
音楽をするうえで「(苦しいのを耐えるような感じで)頑張る」というのは「やらなきゃいけないこと」ではありませんが、自分からも他人からも間違ったプレッシャーをかけられることが多いのでしょう、何かにしがみつきたくなりますね。
でも大丈夫、この新しい感覚にはすぐ慣れます。
そして、また同じように新たに「やらなくていいこと」が見つかって、またラクになって、また「これでいいのかな…」と不安になって、そしてまた慣れて。
その繰り返しです。
Basil
P.S.やり取りをブログで紹介させてください。
こんにちは。
演奏なることは、 けないことてことではないんですね!
取り上げて大丈夫です!
宜しくお願いします!
だいぶ演奏り光が見え始めました!
ありがとうございました!
ありがとう、こんな感じにしました。
http://basilkritzer.jp/archives/5409.html
こんにちは。
先生のブログを拝見させていただき苦手な高音を克服することが出来ました。
でも今取り組んでいる曲でハイトーンのロングトーンが出てくるのですが息が続かず、気持ち良く吹けている感覚を得られず、最近ロングトーンに苦手意識を抱いてしまいました。
アドバイスをいただけないでしょうか。
なほこさま
ぜひ下記リンクをまずは参考にしてください。
・http://basilkritzer.jp/archives/4554.html
・http://basilkritzer.jp/archives/3593.html
・http://basilkritzer.jp/?s=ロングトーン&submit=検索
・http://basilkritzer.jp/?s=基礎練習&submit=検索
Basil
返信ありがとうございます。
記事を見て共演者に緊張を感じていた事が分かりました。
考えを改めたいと思います。
頭を動けるようにして身体がついてこられるようにするという意識を忘れていたという事もあります。
やはり高音が克服しきれていなく、頭を動けるようにするという作業と楽器をしっかりもってきてつけるという意識がまだ共存しておらず固定されている感じがします。
高音は昔からの悩みでありバジル先生の高音や関連する記事にはほとんど目を通させていただきました。
何か高音や意識に関するアドバイスはいただけないでしょうか?
なほこさん
「高音を克服する」という言い方が、興味深いです。
もしかしたら、とくに深い意味はなくこの言葉を使っておられるのかもしれませんが、克服するという言葉は、克服してしまえばあとはもう悩まない・取り組まないで済む、というような意味が入っているんですよ。また、克服するということは、それはなんらかの「問題」であり、「解決」する対象であることですよね。
でも、「高音」っていうテーマはそういうものじゃないと思うんです。
高音は、ちょっっとづつ出せる音を増やしていくもの。
高音は、ちょっとづつ以前よりその音質を自由かつ素敵にしていくもの。
克服するものじゃなくて、「練習して広げていくもの」だと思うんです。
つまり、「これをすれば高音はできるようになりますよ」っていうようなものじゃない。そもそも、それだと面白くないですよね(^^)
高音がもっと演奏できるようになりたい!
あの高音が出てくるあの曲をカッコよく演奏したい!
そういうワクワクするような気持ちはありますか?
いついつまでに、これこれぐらいできるようになっていなきゃ….
というような義務的な感じ方だと、高音の取り組みはうまくいきづらいと思います。
もちろん、構え方や息の使い方、練習の仕方のどこかに高音を開拓していくことにブレーキをかけている何かが起きてる可能性はあります。
しかしそれがあるのかないのか、そしてどうしたらいいのかは実際に演奏を見てみないと分かりません。
記事はたくさんご覧になったとのことなので、「ブレーキ」の具体例や種類はいろいろご覧になったことだろうと思います。
どれかひとつでも、自分もそうだというものはありましたか?
最後に、高音の取り組む方の具体的なやり方をまとめた記事を貼っておきます。
http://basilkritzer.jp/archives/5735.html