音楽高校でホルンを勉強する方から頂いた悩み相談です。
【質問者】
初めまして。いつもメルマガを読ませていただいています。
バジルさんに、2つ相談があります。
アパチュアのこと
私は音楽高校でホルンを専攻しています。この前レッスンで、アパチュアが開きすぎていると指摘され、アパチュアを狭くしました。するとその時は高音が以前より出るようになったと感じました。
その後数日は調子が良かったのですが、練習するうちに、吹いている時に唇が上手く振動していないと感じることが多くなりました。
音の出だしが「スカー」と空気の音だけになってしまったり、音を外すことが以前より増えてしまったのです。アパーチュアを狭くしたことでオクターブの飛躍やリップスラーも前よりできなくなってしまい、中低音の音色も悪くなってしまいました。
かと言って高音が出るようになった感覚はなく、練習すればするほど焦りがどんどん大きくなり、どうすればいいのかわからないでいます。
自分で吹いている感じとしては、唇や喉に力が入ってしまっていて、そのせいで唇が上手く振動せず、音が出にくくなっているのだと思います。しかし、いくら身体を楽にしようと思っても吹いていると無意識に唇に力が入ってしまい、なかなか前のように楽に吹けるようになりません。口の周りや下顎ではなく、唇自体が固まって柔軟に動いてくれない状況です。
練習すればするほどひどくなります。
私はどうすれば良いのでしょうか。
高音のこと
もう一つの相談ですが…私は高音が本当に苦手です。
ホルンは4年目ですが、今だにhighEsから上の音を出すことができません。
highDesまでなら曲で出てきてもなんとか当てることができます(豊かに響く大きな音では吹けませんが…)。highDは「一応出る」程度で、コープラッシュ等に出てくるhighDもほとんど当たらず(特にアパーチュアを狭くしてから出なくなってしまいました)、当たったとしても響きのない小さな音になってしまいます。
また、ソロの曲にも普通に出てくるhighEsが出ないことで、曲の選択肢がとても狭められてしまっています。
低音域はだんだん広がってきたのに、高音域は練習しても手応えがありません。
私は唇が厚いだけでなく、かなり出っ歯で上の前歯二本が大きいというホルンに向いていない口です。このことが、私が高音域を苦手としていることにやはり関係があるのでしょうか。
そうなると、私がこれ以上音域を広げたいと思っても無駄なのでしょうか。また、先程の「唇が上手く振動しない」というのも、唇の厚さや歯並びに関係するのでしょうか。
【バジル】
アパチュアのこと
本当は、いま習っておられる先生に相談すべきことだと思います。習った通りにやっていたら、こんなことが起きている、と。
そうしたら先生は何かちがうことを考えてくれたり提案してくれたりするかもしれないし、もしかしたら先生が言いたかったことと、あなたがやっていることがちがっていたということが判明するかもしれません。
言う通りにやっていて調子が悪くなったなら、調子が悪くなったことも先生にちゃんと伝えねばなりません。
逆に、どんなことを言われたり教わったりしても「言われた通りにやる」ではなく、先生の言っていることを考え、その真意を想像したりして、本格的には自分で考え自分で決めてやっていいのですよ。
それをふまえて、ぜひ読んでほしい記事はこちら:
ここに書いてあることをじっくり自分なりにやってみてください。
高音のこと
歯の形や唇の厚さのことは、ほとんど心配ないと思います。そのせいで高音が出ないということは滅多にないでしょうし、いろいろ研究が進んでいて、そういったことが不利になることはないということがだんだんはっきりしてきています。
わたしが知る限り、歯の形が問題になるのは、歯が唇に当たって痛いときです。それは歯医者さんに特殊な歯にはめるマウスピースを作ってもらうことで解決できます。
高音域は、ひとによっては本当にじっくり期間をかけて(時間や量じゃなく!)少しづつ開拓していく必要があります。とにかく焦らないことが大事です。同時に、高音を演奏できるようになることを諦めてもいけません。高音も演奏したいという憧れや気持ちがあるなら、高音域の練習に取り組んでいきましょう。
自分なりに納得のできる「練習のやり方」に基づいて高音域の練習に取り組んでいく必要があると思います。参考になる記事を検索表示させましたので、読んでみてください。いま High Es が出るとか出ないとかは大した問題ではありません。
・「高音」キーワード
・「高い音」キーワード
・記事カテゴリー「練習のやり方」
Basil
中学吹奏楽でホルンをやっている者です。
私は学生指揮者もしています。
そこで、気になっていることがあります。
自分たちのバンドはTp2年生1人1年生1人の計2名で活動しているのですが、
2年生の方は息が吸えていないのか、高音が汚い音になってしまい
1年生の方はマウスピースをわきから息が漏れてしまっているようです。
何か良い指導法はないでしょうか?
こんにちは。
起きていることを直そう、消そうとしてもあまり良いことにはつながらないですね。
効果がないことも多いし。
また、息が吸えていないから、っていう話はいろんなところでしょっちゅう出てきますが、それが高音の音の問題の原因になっていることはとても少ないでしょう。
大切なのは、なぜそのような現象が起きているのかを観察し調べることだと思います。
また、「悪いものをみる」ような目線で見ていると、どんな提案をしても指導された方は窮屈になってしまい効果が悪くなります。
こちらは「指導法」のカテゴリーにある記事です。
何十個も記事がありますから、ぜひまずはタイトルを見て、気になったものからクリックして読んでみてください。
http://basilkritzer.jp/archives/category/teaching
息漏れやマウスピースの当て方の記事もブログにいろいろありますから、読んでみてくださいね。
それで質問がもうちょっと具体的になればわたしも具体的に答えることができると思います。
その後輩自身からの相談でもないし、また彼らの動画もないので、いまいただいている情報だけでは、彼らがどんあ吹き方をしているかわからず、残念ながら具体的にお答えできません。
ひとまずはご自身でこのブログ記事をいろいろ読んで、関係ある気がする内容を指導に活かしてください。
大学のオーケストラでホルンを吹いている者です。
私も高音がとても苦手なのですが、練習すればするほど音が出なくなってしまいます。2日または3日ほど吹かず期間を空けた方が高音がキレイによく出るのです。ですが、毎日練習しているとだんだん高音が出なくなってしまいます。
また、本番が近づいてくると緊張するのか、中低音は何の違和感もなく出すことができるのに、high Cあたりから急に音が全く出なくなってしまいます。唇に力が入らないような、唇が固まっているような、唇が他人のもののように思えるくらいに何が起こっているのかわからなくなってしまいます。pなどの弱い音は音域関係なく、閉まったようなとても苦しい音になったり、そもそも出ない、というような状態になってしまいます。もちろんそのような状態で本番などうまくいくはずなく、最近の本番での演奏はもう聞けたものではなく困っています(演奏会にお越しいただいたお客様からもアンケートに書かれてしまったくらいです)。そのような経験からまた本番では過度に緊張して吹けず、という悪循環です。
レッスンでお世話になっている先生からは、アンブシュアはキレイだが唇にマウスピースを押し付けし過ぎること、あとはメンタルが弱いということを指摘されます。
長々と申し訳ありませんが、メンタル面と身体の面と、両方からなにか解決する糸口はありますでしょうか。
Katoさま
メンタルに関する記事は、このブログ内に200件くらいはあると思います。
手始めに3つほど紹介するので、他にも検索して読んでください。
・http://basilkritzer.jp/archives/1420.html
・http://basilkritzer.jp/archives/5377.html
・http://basilkritzer.jp/archives/6273.html
その他いろいろ:http://basilkritzer.jp/archives/category/不安と緊張への対処
ですが、書いておられる高音の「症状」の面で言うと、意外と奏法のことというか、奏法の理解の仕方が原因、すくなくとも原因の一部になっている気もします。
高音域に行くにつれて、中低音にくらべてマウスピースの動きが止まっていませんか?
非常にざっくり言えば、うまくいっている音域(この場合、中低音域)に移動していくとき、マウスピースが鼻よりか顎先よりか(つまり、ざっくり言えば上か下か)に向かって動きます。高音にいくにつれて、その逆方向に動く必要がありますが、中低音に比べて動きが止まっている可能性を文面からは想起します。
マウスピースと唇の動きを客観的に把握できると、高音域の奏法を自分で理解することにつながります。そうすると、苦手意識は減っていき、「自分のモノ」になっていきます。
BASIL
こんにちは。
トランペットを吹いている高3女子です。
以前体験レッスンにお伺いさせていただいたことがあるのですが…(笑)
私は、口の端(片方だけ)から息が漏れ、片方だけ口が膨らんでしまいます。前歯は揃っているのですが、自分からみて左の犬歯だけ少し出ているため、鏡でアンブシュアを確認するとそこから息が漏れているように見えました。
そのため、いつも片方だけで支えているような感じで、すぐにばててしまいますし、タンギングなども片方だけから息が漏れとてもやりづらいです。
部分矯正で出ている歯を治すか、それとも何かいい方法がありますでしょうか。
アドバイスよろしくお願いします。
Anさん
左右のちがい、
口の膨らみ、
息の漏れ
いずれもそれ自体はそれほど心配ないと思います。
まずは下記の記事を参考にして、音の上下にともなうマウスピースの位置変化を調べて下さい。
http://basilkritzer.jp/archives/6322.html
http://basilkritzer.jp/archives/4855.html
その後、そのアンブシュアモーションを「ちょっとわざと」やりながら普段の基礎練習や曲などに取り組んでみてください。
意味がわかってきたら、次はこの記事を読んでください。
http://basilkritzer.jp/archives/7477.html
そして、
・この記事にあるセッティングの手順をやって発音し
・アンブシュアモーションを使って音を上げたり下げたりする
ということをやはり基礎練習や曲に取り入れてみてください。
歯を治すかどうかは、わたしは歯医者さんではないので判断できません。
Basil
こんばんは。
お忙しい中頂きご返信ありがとうございます。
さっそくアンブシュアタイプを調べてみたところ、上唇の割合は超高位置タイプと同じだったのですが、マウスピースを当てている場所は中高位置タイプ寄りでした。
その場合、アンブシュアモーションはどちらを採用した方が良いでしょうか。
よろしくお願いします。
Anさん
アンブシュアタイプは当てている位置ではなく、アンブシュアモーションで決まります。
ですから、いま自分のアンブシュアモーションがどうなっているかを調べる必要があります。
紹介した記事を読んでもらえれば、調べ方が書いてあるはずなので、
調べてみて下さい。
Basil
こんばんは!
もう1度確認してみたら、中高位置タイプであることが判明しました。
その通りのアンブシュアモーションで動いたところ、吹きやすく放ったのですが、早いパッセージの際に動きすぎてアンブシュアがずれたり音色が変わってしまうことがあったのですが、大丈夫でしょうか。
Anさん
むしろ、速いパッセージでは「アンブシュアモーションが足りていない・おいつていない」せいで不安定になったりうまくいかないことの方が多いように感じます。
速いパッセージを、アンブシュアモーションをしっかりおおげさ目にできるスピードで、アンブシュアモーションをどうやるかを濃く意識しながら何度かさらったら、なるべくアンブシュアモーションをやろうとしつつインテンポでやってみてたらどうなるでしょう?
Basil
ゆっくりなテンポからさらい、だんだんインテンポに近づけたところ、なんとなく動きは把握できるように放ったのですが、結構早くにバテが来てしまいます。毎日やっていけば改善されますでしょうか。
Anさん
アンブシュアモーションは、どのようなものですか?
Basil
初めは音が上がるにつれて左下、下がるにつれて右上でやっていたのですが、左下に行く際にどうしても圧力が足らず高音がきつくなり、吹きづらさを感じたため逆のパターンでも試したところ、音が上がるにつれ左上、下がるにつれ右下の方がまだ吹きやすいということが分かりました。それを意識した上で曲などを吹いていると、だんだんと膨らんでいる方の頬の支えが無くなり、バテが来てしまいます。
Anさん
なにも考えずに、吹いてるところを動画撮影して、それを見たときにアンブシュアモーションがどうなっているかもう一度確認して下さい。
Basil
早速撮影して確認したところ、音が上がる時に左下、下がる時に右下へ行っていました。こちらのサイトにはこのような動きは乗っていなかったのですが、これが自分のアンブシュアモーションということでしょうか。また、動き的におかしくはありませんか?
Anさん
やはりモーションが混ざってますね。
ここまでのやり取りを見る限りは、左下↔右上の動きがAn さんのアンブシュアモーションである可能性が高いと思います。
音を下がるときに、思ってる以上に右上にわざと動かして下さい。
されが左下に動いて音を上げることの助けにもなると思います。
Basil
分かりました。
動かす際は、顔の向きも変えてしまって大丈夫でしょうか?
大丈夫です!
やってみたところ、先程よりは吹きやすかったです。
ですが、やはり片方だけアンブシュアが常に崩れているので本当にすぐバテてしまいます…
空気が入らないように意識しても、どうしても隙間ができてそこから空気が入り、鼻の下や口周り(片方だけ)に空気がは入ってしまいます…
やはり、アンブシュアモーションでは改善できないのでしょう…
Anさん
アンブシュアモーションに組み合わせてやることがまだ二つあります。
アンブシュアのセッティングです。
以下の三つの記事を参照してアンブシュアセッティングを行い、
・セッティングして
・発音したら
・アンブシュアモーションを行いながら音階やアルペジオや曲を吹く
をやります。
参照記事
http://basilkritzer.jp/archives/7477.html
http://basilkritzer.jp/archives/7629.html
http://basilkritzer.jp/archives/7545.html
さっそく実践してみたところ、口の周りの筋肉が痛くなりました。ですが、普段よりは発音がクリアになったような感じがします。少し窮屈なのですが、曲中でも意識していた方がいいのでしょうか?
・アンブシュアの崩れ
・バテ
に改善は見られますか?
バテについてはまだ長い時間は吹いていないので分かりませんが、崩れについては軽減されました。ですがリップスラーがなめらかに上がりづらいです。
崩れが減ったなら的確に効き目があったわけですね。
それならたぶん、窮屈感にはすぐ慣れます。
おそらく緩みが減っただけなので。
あとはセッティングの状況が変化したぶん、
アンブシュアモーションをけっこう思いきりやり、息の吐く勢いを少し増やしてみて下さい。
Basil
試しにBdurのスケールをセッティング、モーション共に意識してやったところ、すんなり上がることが出来ました。
まだ窮屈感があり音色も綺麗には響いていませんが、これを日々意識して練習していきたいと思います。
話が変わってしまうのですが、息を吐く時はお腹をへこませるイメージですか?
・セッティング
・アンブシュアモーション
という、やったことのない新しいことをたった二つやりはじめて、しかもすぐにこれだけ改善したのは大きい進歩では?
Basil
ホルンを吹いています、高校1年の者です。
中学の頃からhighDより上の音で急に息が入らなくなり、音も細くなってしまいます。highDesまではきちんと吹けるので何が悪いのかも分からず困っています。何かアドバイス頂けないでしょうか
Haruさん
ただ「できない」という話だけだといまどういうふうに考えたり吹いたりしているかわからないので、
アドバイスできません。
返事をしている質問の、質問の仕方はこちらから10個ほど読んでください。
http://basilkritzer.jp/archives/category/qa
高校3年生でトランペットをやっているものです
私は高音(ハイベーより上の音)を吹くときにその日の練習の始めはわりとでるのですが練習していくにつれ音がきれいに出なくなってしまいます
自分を観察してみたところまず息が楽器に入っていない、無理矢理だそうとしているような感じがします
一回落ち着いて深呼吸をしてみたりするのですが一回でなくなったらその日はもうきれいには出せなくなります
どうしたらよいでしょうか?
また高音を吹くためにどのような練習をしたら良いですか?
私はマーチングをしていて最低でもハイエフくらいを曲で使えるようにしたいです
今まで出た最高音はダブルハイベーですが一回しか出たことがありません
リンタロウさん
高音のための練習に関しては、このブログに何十件も記事載せています!
ぜひブログ内検索して色々読んでください(*^^*)
自分のアンブシュアモーションも調べて、意図的にやるようにしてみて下さい。
Basil