キャシー・マデン先生との6回のアレクサンダー・テクニーク&ホルンレッスンで学んだことの備忘録。
2:息は仕事であること。
いつの間にか忘れていました。
管楽器では、(あるいは歌や俳優・声優など専門的技能的に「呼吸」を使う活動で)、息を吐くということは、本当にひと仕事なんです。
ときには大量の、ときには強い圧力で、意図したとおりの継続時間で吐く。
望みどおりに音が出るように唇を後ろから動かすコントロールも必要。
息は、硬口蓋にあたって前に出ます。
(これはすなわち、「息は上に」と意識するのです。前に行くのは結果だから、前に下に吹き込もうとすると、余計な力みになります。上に送ろうとする力が必要なのです。参考記事:「息を下から上へ」)
だから息をそこまでしっかりと能動的に力を使って押し上げる必要があるんです。
前回も書きましたが、胴体の一番底である骨盤底から息を上へ押し上げる力が働いています。
むしろ、「働かせる」と言ったほうがいいのかもしれません。
私は「空気は上へ行く」と思っているうちに、使いたい力を使わず別の力みで代用しがちになっていました。
だから、「息を力を使って能動的に上へ送る」
単純に言うと、「骨盤の底からしっかり押し上げる」
と考えたほうが私にはよかったのが分かりました。
アレクサンダー・テクニークは、「脱力法」ではありません。でも結果的にすっごくラクになる場合は多いです。
それは、アレクサンダーテクニークが、管楽器演奏で使うべき力を使うための理解と方法を得るメソッドだからです。
息を吐くとき、骨盤底を能動的に働かせ、をしっかり使うと、内臓が押し戻され横隔膜が押し上げられます。
そのおかげで、肺の空気が力強く気管を流れ、口内部の上側の硬いところ「硬口蓋」にぶつかり、口の天井を沿って前へ流れ出ていく。
そのとき、喉やベロの能動的な力は、息のパワーという点では必要ありません。(タンギングや口腔内の形状操作には能動的にベロを使います。)
最後に前へ流れ出ていく息の方向に沿って、唇自体は前方向へ互いに動き閉じ合わされます。