アマチュアホルン吹きの M さんよりご質問頂きました。
【質問】
吹奏楽団に参加して、速いタンギングが必要な箇所に困難を感じています。
シングルタンギングでは間に合わないのですが、実はダブルタンギングができません。
中学校~高校の吹奏楽部時代にダブルタンギングを習得できず、大学で始めたオケでは特にそれが必要な場面がなかったこともあり、未だにできないままです。
良く言われる「タカタカ」や「トゥクトゥク」という音の「カ」や「ク」の音で発音するということができない(わからない)でいます。
何か良いイメージやアイデアはないでしょうか。
【回答】
実は、ダブルタンギングができないけれど、オーケストラのプロ奏者として活躍している例をいくつか知っております。
なかには、シングルで速いパッセージが吹ける人もいれば、速いパッセージは苦手で、スラーなどを混ぜて良い意味で「ごまかして」対応している人もいます。
何が言いたいかと言うと、ダブルタンギングが出来ないからといってこの世の終わりではないよ、ということです。ダブルタンギングができなくてもプロ演奏家まで登り詰めたひともいるわけですから。
Mさんは、速いパッセージは対応できますか?もしできているなら、「ダブルタンギングをしよう」としなくても、大丈夫ですよ。
しかしもし、スラーでないパッセージで速く吹く必要があって、タンギングの速さが追い付かないなら何か方法を考えたいですよね。
私が提案するのは、「タンギングをする」という意識を、「話す」という意識に変えてみてはどうか?ということです。
パッセージを用意してください。そしてそれを望む速さで口に出して歌ってみて下さい。
そのとき、どんな発音をしましたか?
「タタタタタタ?」
「タラタラタラタラ?」
「タカタカタカタカ?」
なんでもよいのです。
声で歌うときに使った発音そのままを、ホルンでも使うとよいのです。
さて、それで吹いてみましょう。
吹いた結果、タンギングの箇所で音が出なかったりひっくり返ったりするかもしれません。しかしそれは、タンギングのせいではなく、「その音を出す技術的成熟度」に原因があるでしょう。
言いたい事は、
「ホルンの腕が全体的に上がるにつれて、タンギングを用いても望み通りに音が出るようになってきますよ」
ということです。
この作業はもちろん、長丁場です。
なぜなら、単なる「問題」であれば、「修繕」すれば終わりですが、「成長」・「上達」とは一生続くものだからです。
まとめます。
・タンギングのやり方として考えるより、歌ってみたそのやり方をそのままホルンでもやってみる。
・思い描いているものの実現は、少しづつ起きる。それを上達と呼ぶ。
参考になれば幸いです。
タンギングに関するさらに詳しいことは、私の著書「バジル先生のココロとカラダ相談室/楽器演奏編」の中でも取り上げています。ぜひご活用下さい。