音を飛ばす

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新訳:Singing on the Wind です。前回はこちら

【音を飛ばす】

優れた質の音は、ホルンが自由に共鳴できるような振動を作ることで生み出され、そうすることでしかコンサートホールの後ろまで苦労なく飛んでいくような音は出せません。

また、意識的に音をホールに送り出すことで音を飛ばすこともできます。

・いつも通りに譜面を譜面台に置いて、何か曲を演奏します。

・こんどは、譜面台無しで、部屋のいちばん奥に気持ちを集中させて同じ曲を演奏します。


こうすることにより音のちがいは明らかです。少なくとも、その演奏をちゃんと聴いているひとにはすぐに分かります。

譜面台は、心理的に防音壁のように働いてしまいます。すぐ近くの位置の譜面に集中しているからです。

その「壁」を取り払うと、必ずしも意識しなくても自動的にもっと遠くの地点に向けて演奏するようになるのです。

意識的にホールのいちばん後ろまで音を送り、音がそこまで届くようにしてあげると、実感できるような労力の増大はなく音をその地点まで飛ばすことができます。

実際、意識的に音を飛ばすことは、わたしたちがもっと外向的な態度で「息に乗せて歌う」演奏をすることを促しますし、これは良い演奏技術を促進します。

いつも大きな部屋で練習できるわけではありませんし、コンサートホールで練習することなんてもっとできません。

もし練習室に窓が付いているなら、その窓から見える外の景色のどこか遠くの地点に注意をフォーカスし、その地点に向けて音を飛ばしましょう。

もしその部屋に窓が無いなら、部屋に「距離感・スケール感」を感じさせる絵や写真を飾りましょう。背景に山がある湖の絵だとすれば、湖の向こう側にまで音を飛ばすつもりで練習しましょう。

どんな音量でも、音を飛ばす練習をしましょう。どれぐらいよく音が飛ぶかは、音の量よりは質によります。ですので、音に無理に力をかけて飛ばすようにはしないよう注意しましょう。逆効果になってしまいます。

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続く
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