唇の力み過ぎ、MPの押し付けすぎの「メカニクス」

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マウスピースの「プレス問題」。

これに関し、きょう、レッスンしていてとても勉強になったことがあったのでブログに残しておきます。




【とっさの吹き直し、がなぜマズイことなのか】

きょうは中高位置アンブシュアタイプの高校生をレッスンしていて、高音がうまく鳴らなかったときに直後にとっさに超高位置タイプのモーションをしたのに気付いた。

低く外れた音を高くするには使えるモーションなんだけど、問題は『はずれたときにとっさに』やったときにやったことが、彼の通常のモーションと異なるということ。

自分に合わないメカニクスを適用しているので、無理が生じている。



そこで、まず『外れたときには外れた音をそのまま伸ばす』ようにしてもらった。

これでとっさの、彼にとっては良くない負荷をかける動きを起こさなくさせた。



つぎに、彼にとっての通常のモーションを再確認し、モーションだけ練習し、それを高い音に上がるときに『もっと』やるよう念押しした。

すると、本人もあまりにラクに出てそんな高音を吹いていたなんて気付かないくらいスカッと音が出た。



非常に勉強になったのは、アンブシュアモーションの混乱の発生のタイミングと、奏者の意図・意志の関連をつなげて見つけることができた点だ。

アンブシュアモーションの問題にこういった精神的側面から具体的にアプローチできる例があったわけで、ぼく自身の奏法上の取り組みに非常に豊かな示唆を感じた。



また、彼が『とっさに音を修正しようとして用いた、彼に適合しないメカニクス』を用いた瞬間はまさに、『唇を力ませすぎ』あるいは『プレスしすぎ』と言われるであろうものだった。

このことから、プレスや唇の力みの問題は、プレスすることや唇の力を使うこと、あるいはその量的加減の問題ですらなく、使うメカニクスの適合性と一貫性の問題であるケースが多いのではないかという可能性に思い至った。


(了)



金管楽器のアンブシュアモーションについて:
http://basilkritzer.jp/archives/4866.html

金管楽器のアンブシュアタイプについて:
http://basilkritzer.jp/archives/4855.html

「吹き直さない」という練習法について:
http://basilkritzer.jp/archives/555.html



Basil Kritzer



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