『アレクサンダー・テクニークと音楽』〜現役ニューヨークフィル奏者が語る〜

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Alexander Technique & The Horn ーアレクサンダー・テクニークと音楽演奏

私はジュリアード音楽院の学生だった頃からアレクサンダーテクニークを使っている。このテクニークを使う事で、演奏において遥かにラクになる側面がいくつかある。呼吸・姿勢そして注意力である。このテクニークは、特定のいくつかの無意識の行動や反応を、より意識化し、従ってよりコントロールできるようにする。

なぜ、呼吸を理解したりコントロールすることは、これほど難しいのだろう?

それは、呼吸が無意識の身体的活動で、それを意識的に使おうと私たちはしているからだ。
なぜ、ホルンを演奏しているときに効率的で心地良い姿勢を得る事はこんなに難しいのだろう?
それは、ホルン演奏が自然な姿勢ではないからだ。

アレクサンダー・テクニークは、あなたが注意の焦点を合わせることを助ける。精神と身体の相互関連性により気付き始めると、両方を互いに影響に及ぼすものとして使えるようになるからだ。例えば、このテクニークを使って私たちは、演奏中に身体的によりリラックスし緊張を減らしていられるように学ぶ事ができ、それが精神がより落ち着いた状態になることにつながり、それが総体的に注意をを払い焦点を合わせる事に結びつくのだ。

これは、どうやって実現されるのか?それを説明しよう。

私たちが「する」ことのほとんどは習慣である。身体的・精神的・感情的なパターンでできている。
これらのパターンは私たちの自分自身についての定義と同じなので、これらを変える事は難しいのである。F.M.アレクサンダー(アレクサンダー・テクニークの発見者)は、身体的な習慣を体を使って変えようとしても、それは古い習慣の枠内でやってしまうということを発見した。この、思考を使う事で習慣的な身体運動のパターンから解放されるという発見は、アレクサンダー・テクニークの基盤となる。テクニークは、体の中のより自然なエネルギーの流れをもたらし、これは私たちに、自分自身の身体をよりラクにそしてよりコントロールが効くように使う、という事を可能にしてくれる。

レッスンでは、教師が「座る」「立つ」「歩く」というような簡単な動きを導いてくれる。教師は、あなたがどのように身体を使っているか観察し、あなたが自分の身体に対して考えてみるといい事を示唆し、その考えをあなたがどう使うかをまた観察する。そして、あなたの身体に、注意力を用いてどのように異なるはたらき方ができるか、経験させる。この「注意」は、教師が自らの手を使って、あなたの身体に直接示す。身体がどう動きはたらくことができるか、教えるのである。

レッスンを一通り受けると、あなたの精神と身体との間のつながりはより強くなり、結果的に教師は必要でなくなる。このテクニークは、一度習得すればずっと自分のモノになり、それはホルンの演奏だけでなく人生の多くの側面の助けになる技術なのだ。

テクニークについては、様々な本やウェブサイトがある。

もしこのテクニークがあなたの興味を引けば、教師を見つけてレッスンに行ってみるといいだろう。
アレクサンダー・テクニークは、私とわたしの生徒たちのホルン演奏を大いに助けてくれた。あなたにとっても価値がある可能性は高いと思う。

アレン・スパンジャー

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『アレクサンダー・テクニークと音楽』〜現役ニューヨークフィル奏者が語る〜」への4件のフィードバック

  1. 突然すいません。
    高校2年生で吹奏楽部に所属しており、
    トランペットを吹いています。
    高校に入ってから吹き方が変わり
    唇に跡がつき、アップをし終えた頃には
    歯が痛くなるようになりました。
    ずっと悩んでいて、改善しようにも
    なぜ他の奏者に跡がつかないのか、
    なぜ歯が痛くないのか、、
    さっぱりわかりません。
    実際みてもらわないとわからないですが、
    何かヒントになるものでも教えてもらえたらと思いコメントさせていただきました。

    • なおさん

      ・唇に跡がつくこと自体は、全く問題ありません。あまりプレスしてなくても、色素や体質で跡が目立つ人もいれば、逆に全然目立たないひともいます。金管奏者のCDのジャケットとか見ると、録音直後に撮影しているのか、跡がくっきり見えることがよくあります。

      ・歯が痛いのは、けっこう長時間ハードに演奏/練習している場合はわたしも経験します。ただ、すっごい痛いわけではありません。なおさんはかなり困るほど痛いですか?

      ・「吹き方が変わった」とのことですが、それは自分で変えたのですか?何をどのように変えましたか?また、変えた理由はなんですか?

      Basil

  2. ピンバック: 音楽活動は、演奏活動だけじゃない! | バジル・クリッツァーのブログ

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