個性、特徴、クセ

ロシアンプラスの演奏を聴いて、金管楽器の演奏スタイルが独特だなあと感じる。あまりロシアの音って接する機会がないから。特にトランペットが独特で個性的。けど実に素敵。

こういった個性とクセの境目は非常に曖昧だと思う。大事なのは、びっくりするぐらい独特でも、磨かれてくると紛れもなく素敵だということ。個性を普遍的美しさに昇華させるのが技術、経験、人格の成熟なのかも。

ある特徴が、ある地域や集団では伝統的スタイルとされる一方で、別の地域や人たちの間ではダメだクセだと否定されることも。ある個人の音や奏法の本来的特徴が偶々その環境では否定される場合、どうしたらいいんだろう。

その人の潜在的には美しさであるまだ磨かれていない特徴や個性が、クセだ誤りだと否定され矯正された結果その人の能力も可能性も大きく削がれるとしたら。やりきれないよね…

自分自身を育てるうえでも、他者を指導する場合でも、技術的向上を促し、豊かな音楽経験を積ませることを優先的に選択し続けた方がよいと個人的には思う。

それで技術が完成されてきて音楽的センスが身につくにつれスタイルを周りに合わせる余裕が生まれるのでは?

そうすれば本人も、高められ普遍的美しさを備えた個性と特徴を歓迎する環境や集団に移動する選択ができる可能性がある。早期に型にはめこまれて合わなかったら潰れるしかないという、誰かが犠牲になるやり方よりぼくは好きだ。

ただ、これだとたる地域や集団のカラーや特徴をその元々の構成員だけで維持するのは難しくなる。歴史あるスタイルの維持が難しくなる。外部から適合するひとを迎えないと受け継いでいけないだろう。

ぼくがレッスンでやっていることは、そのひとが、よりそのひとの構造や特徴に沿ってそれを活かすことでそのひとのやりたいことを実現可能にしたり促進したりすること。

個性と普遍的美しさという観点は向上すると思うが、特定のスタイルや集団に馴染まなくなってしまう危険はあると思う。

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個性、特徴、クセ」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 合奏で音程と音色が浮いてしまう….どうしたらいいの?Q&A | バジル・クリッツァーのブログ

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