「まっすぐ」を追求しない方がよい

まっすぐに、というイメージは姿勢にしても構えにしても音にしても、奏法を硬くさせ緊張を引き起こしやすい。たぶん、まっすぐというのが二次元的・仮想的・静的だから。対して身体や楽器や音は三次元・現実・動的。イメージが現実とズレている。

例1:
マウスピースをアンブシュアに対しまっすぐに当てようとするのも、よく考えるとちょっとおかしい。アンブシュアは立体的で複雑な形状でしかも動いて形を変え続けるので、見た目のまっすぐな位置は不都合不安定極まりないことがある。求めたいのはいちばん平坦、安定で都合がよい場所。

例2:
楽器は立体で、曲面が多く左右非対称な形をしている。それを最大限演奏がしやすいように保持するためには身体も左右非対称な動きを行い、見た目もまっすぐになるわけないのである。

曲げたり伸ばしたりひねったりできる身体が動き、動く楽器と音楽にぴたっとついていく。あるいは音楽が動く身体と楽器についてくる。そういうイメージの方が、まっすぐというイメージより何百倍も役に立つと思う。

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「まっすぐ」を追求しない方がよい」への3件のフィードバック

  1. バジル先生にご相談したいことがあります。
    わたくし、金管楽器の指導をしているのですが、
    例えば生徒が高音や低音を吹くときに、
    「高音や低音を考えすぎず息はまっすぐ出したほうがいいよ」
    と伝え、息をたっぷり出させることを確認させたりしているのですが、
    これもあまりよくないのでしょうか。よろしくお願いいたします。

    • チューバ吹きさま

      基本的には、指導者の意図が別に「まっすぐさにはめこむ」ようなものではなく、
      ラクに思い切って音を出させることにあるわけですから、実際上ほとんどの場合良い方向に作用すると思います。

      ただし、生徒によってはその「まっすぐ」という言葉が原因でちょっとつまづく可能性はあります。

      「考えすぎずまっすぐ」を、例えば「音を外しても全然大丈夫だから思い切って息を吐くといいよ」と言い換えるとよいかもしれません。

      • ご返答いただきありがとうございます。
        勉強になりました。またお聴きすることがあるかと思いますが、何卒よろしくお願いいたします。

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