「悪いところのもぐら叩き方式」の賞味期限

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【できないところを潰す、もぐら叩き方式】

歌や楽器の練習をするときに、うまくいかないところや下手なところをひとつひとつ潰していくような『もぐら叩き方式』は正直あまりうまくいっていないのではないでしょうか?

問題は次から次へでてくるし、なかなか上達している感覚がなくて、身も心も疲れてしまうのが、もぐら叩きのような練習の仕方です。

【もぐら叩き方式の賞味期限】

もぐら叩き方式は、歌や楽器を始めて最初の数年はまだ効果があるかもしれません。

でも5〜6年、長くても10年ほど楽器や歌に真剣に取り組んできているひとなら、基礎はちゃんと身に付いていて、その段階に入ると何かができていないのを改善するには、ただ目に付いた汚れを消していこうとするより、もっと芸術に根ざしたクリエイティブな練習の仕方が必要になるのではないかと感じます。

できないところを潰す。うまくいかないところを練習量でねじ伏せる。そういうやり方は結局、練習量・頑張り・我慢がどんどん必要になってしまい、段々ついていけなくなります。

【あなたが音楽を通じてしたいこと】

これからは、あなたが音楽を通じてしたいことを練習の中心に置いてみましょう。

あなたは、音楽を通じて何をしたいですか?
何を感じたいですか?
何を世界に対して捧げたいですか?

それを考え、自分のために明らかにしていくことがとても力になります。

こういったことは、話すのも、考えるのも、少し勇気が要ります。
心や魂の領域の話だからです。
しかし、音楽は昔からその起源から心や魂と深く結びついています。

わたし自身もまだまだ漠然としています。
常に問いかけ、探っているテーマです。

いろいろあるはずなのですが、直視しづらいことや、抑え込んでいることもあるのでしょう。しかし、音楽に関わることでしたいことが何かがあるのは分かっています。

その証拠に、いまだに音楽を続けていますし、音楽なしの人生は考えづらいのです。問いへの答えはまだ無くても、その問いを抱きながら音楽や演奏に取り組むと、毎日前進できます。

【身体や技術の問題とは限らない】

わたしがふだん行っているレッスンでも、そういったことに話が進んでいく場合があります。

ときにはそういった面を考えることで、さっきまでとれなかった身体の硬直がパッ消えたりや、技術的問題に関してなかなか見つからなかった解決の道筋が突然現れたりします。

いつの間にか、「ちゃんとできるようにならなきゃ」「ミスや粗をなくさなきゃ」ということに頭も心もかかりきになってしまって、「音楽をする」ことを忘れていたからでしょう。

演奏に関して何か悩み始めたら、解決に向けての第一歩は常に、音楽や芸術そのものに気持ちを向け直すことなのです。

Basil Kritzer

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