さまざまな楽器を演奏する色々な人たちとレッスンをするようになってから、よく気付くようになった多くの人に共通の癖があります。
それは
「楽器を構えるときに、自分の胴体を後ろに倒してしまう」
という癖です。
胴体が後ろに振れて、楽器の重さを腰で受け、骨盤を前に押し出して股関節がロックされる。これが起きていることが多いのです。
これが起きると、腰に負担が大きいですし、また股関節がロックされることで脚が不自由になりますし、管楽器をする人にとっては股関節のロックは呼吸に相当マイナスに働きます。また、胴体が後ろに振れているので、腹筋は胴体を引っ張り支えるためにずいぶん使われてしまい、肝心の息を吐く力を削いでしまいます。バイオリンやヴィオラの人にとっては、胴体が後ろに振れていると結果的に腕も後ろに引っ張られていますから、フィンガリングもボウイングも、弦や指板から遠ざかる力が意図せず強く働いてしまい、ずいぶんマイナスになっています。
なぜ、こういうことが頻繁に起きるのかな?と考え、繰り返し何ヶ月間がレッスンの中で観察を続けました。その結果分かってきたことがあります。
それはおそらく、
「楽器を構える動きと、胴体を後ろに倒す動きが混同されている」
ということです。
楽器を構えるということは、「自分に向かってくる動き=前から後ろへの動き」がありますよね?するといつの間にか、楽器を前から後ろへやる変わりに、自分自身が後ろへ行ってしまうようになっているのです。
「構える」という作業があまりにも当たり前で日常的になってくると、もはや意識しなくなりますから、そのうち楽器の前→後の動きと同時に、自分も一緒くたに後ろに動いてしまうようです。
この混同はまた、「練習が面倒」とか「演奏するのがしんどいなあ」という心理的な疲れ・プレッシャーが積み重なるにつれて増える面もあるのが大変興味深いところです。レッスンでこの癖に気がつく事ができ、やめることが出来ると、みんな顔が活き活きしてきますし、そのとき鳴る音がとても新鮮に感じられるようです。
これを読んでいるあなたには、同様の癖はありますか?ちょっと観察してみてください。
もし、癖が自分にもあったとして、さらにその癖を解消したいとすれば、どうすればいいのか?「やらないようにする」ではたぶんうまくいきません。もっと緊張したり強張ったりしてしまいます。第一、「?しないように」と考えながら練習するのって、すごくしんどいです。心が苦しくなります。
着眼点は「何をしたいのか」です。
楽器を構えるときにこの癖が起きるわけですから、そもそも構えるときに何がしたいのか考えてみると答えはすぐ分かります。
そう、
「楽器を自分の方に持ってくる」
と意識しましょう。
その主役は、腕です。腰は頑張る仕事はありません。
「腕で、楽器を自分の方に持ってきて、構える」
と意識しましょう。
それがはっきりすると、癖が出たときに、すぐ気がつけて修正が簡単になります。また、楽器を自分の方に持ってきたいのに、自分が後ろに行ってたら、それはわざわざ楽器から遠ざかってしまっていますよね?なので、その癖自体を「やりたくなくなってくる」という現象も起きます。
やること、やりたいこと。これがはっきりしてそれを意識すれば、望まない癖は「やらなくて済む」ようになっていきます。
ぜひ、お試しあれ!
私はよく
姿勢が良いと言われますが
疲れてくるとだんだんと
楽器の持ち方が変になってきて
特に左手がずれてきて。
胴体を後ろに倒してしまうことは
気にしたことありませんでした
これから、気にしてみようと思います!!!
確かに体を後ろに倒してしまう癖がありました。
少しずつましになっていますが、つい出てしまいます。
そして気がついたのは、身体の中心があって、
『前に楽器の重みが来るから体を倒してバランスを取る』
という考え方をしていたように思います。
良く考えれば、ヴァイオリンはそんなに重くないのに・・・・・・
一つ目のコメント主さま
それは胴体を倒すことが大いに関係していそうですね。ぜひ観察してみてください♪
メッツォフォルテさま
楽器の重さ故に胴体を後ろに倒すことは確かに起きます。
でも、それだと腰で受けてしまって大変。
なので、変わりに股関節、そして膝と足首を動けるようにすると、脚がバランスを取ってくれます。
おもしろーい。これは、絵を描くために筆を持って画面に対し「構える」際などにも起きている気がします!
是蘭さま
こちらでは、お久しぶりです (^^)/
楽器以外でも、色々ありそうですね。
習慣的な「セッティング」には何か必ずありそう。
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