正式にアレクサンダー・テクニーク教師の資格を取得して2週間。この間、何度か弦楽器の方とレッスンすること機会がありました。これがまた非常に興味深い。
というのも、レッスンのなかで、楽器を弾いておられる方が「頭を固定し胴体を硬くする」という誰しも持っている緊張を解放したうえで弾くと、えっらい楽器が鳴りだすのです。
つい先日も、これから音大に進学する女性バイオリニストとのレッスンの際、胴体全体の使い方が変わり、それに伴って腕の動きが解放されると、急に音が深くワンワンと響きだし、なんと言うか「音の年齢」が上がった感じがしました。
経験豊かなプレイヤーが奏でるような深みのある音になりました。
プレイヤーの胴体の圧縮が減ったので、胸郭、胴体、腕で(つまり身体の中で)まず音がラクに響きます。管楽器の場合これが顕著ですが、弦楽器だと、身体の変化に楽器自体も反応しだすかのようでした。本当に生き物みたいに楽器の鳴りが始まりました。
私は奥さんがバイオリン奏者でありバイオリン教師でもあるので、彼女を見て聴いて話を聞いてきたことが、弦楽器を演奏される方々とのレッスンの相性のよさの一因にはなっていると思いますが、それ以上にアレクサンダー・テクニークと弦楽器の相性のよさだと思います。
私の知る限りでは、日本に弦楽器の専門家でアレクサンダー・テクニークの教師の人はまだいません。きっと数年以内に複数誕生すると思いますが、非常に待ち遠しいですね。それまでは私も弦楽器演奏の様々な側面を勉強して、弦楽器演奏のアレクサンダー・テクニークによるサポートしたいな、と新たな目標が見えてきました。
昨日体験ワークショップに参加された方々の声を一部紹介します。
O.I.さん(バイオリン・音大1年)
他の楽器の方の悩みもヴァイオリンを弾くのに共通している点があり興味深かったです。肩こりの原因も知れて驚きでした。音色の変化が実感できて良かったです。ラクに弾く方法が分かったのです、実践していきたいです。ありがとうございました。
Y.Y.さん(バイオリン教師)
ラクなよい姿勢というのが、目からウロコでした。良い姿勢=頑張ると思っていましたが、ラクでよかった。無駄な力を抜く事を意識しようと思いました。普段、意識せずに身体を使っている箇所を教えてもらえて、面白かったです。
T.N.さん(二胡)
自ら体感できたり、他の人の音色の変化を目の当たりにできて良かった!体験セミナーだけでもこんなにも目からうろこがたくさん落ちて、演奏のみならず普段の生活にも行かせると思う。
小嶋昌利さん(パーカッション)
さっそくリハーサルや本番で試してみれそう。自分の疑問に丁寧に、身体を使いながら説明して頂けて良かった。