腹式呼吸?

ちゃんと腹式呼吸しなさい!……
というのは、管楽器の様々な現場で聞かれる言葉です。

だけれども、「腹式呼吸」とか「お腹に息を入れる」という言葉は、深い良質な呼吸という点においては逆効果になってしまいがちです。
というのも、呼吸は、脊椎の一番上から下まで全体を常に伴わせた動きだからです。

空気は、肺にしか入りません。そしてこの肺を納めているのが肋骨の「カゴ」。
このカゴは胸骨と、24本の肋骨、そして胸骨と肋骨をつなぐ軟骨から成ります。
肋骨は、全部背中側で脊椎とつながっています。24カ所、関節があり、それぞれが動くのです。

これは当然、胸部や背中の動きとして見えます。
それを「胸式呼吸」と名付け、「間違っている」という「腹式呼吸主義」もあるようです。
ですが、事実として、呼吸とはこれらが全て動く事なのです。

じゃあ、「腹式呼吸」って何なんでしょう。
横隔膜が吸気時に下がっていったときに、その下の内蔵が腹腔内で体の前側に移動することでお腹が膨らむように見えます。
これが「腹式呼吸」です。

肋骨の動き、横隔膜の動きはそれぞれコントロールできます。
どちらをどれぐらいたくさんやるか。強くやるか。どちらかだけやるか。どちらもやるか。
使い分けることができます。

しかし、「〜はダメ」「〜しないように」という考え方はうまくいきません。

「胸が動いてはダメ」とか「肩を上げてはダメ」と考えると、呼吸に伴う胸部の動きを押さえ込み、お腹だけ突き出そうとします。
これはかなりのよくない緊張が生まれます。そして、これは呼吸の動きを妨げます。

先ほど、肋骨が脊椎につながっている、と書きましたが、脊椎はお互いに一番上(頭を載せているところ、目と目の間、耳と耳の間くらいにあります)から一番下(尾てい骨)まで連なり合っています。脊椎は、常に全体として動きます。

これが呼吸に伴って動くわけですから、あたかも全身がマッサージされているかのようですね。

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