うまくいっているのに、重心を下げたらいけないの?

きのうのブログ記事「重心を落として腹式呼吸をしようとすると、首や喉が力んでしまう….どうしたらいいの?」をご覧になった、サックス奏者の方から、質問を頂きました。

【質問】

本日のブログを見て、大変困惑してしまい思わずメールしております。

一度アレクサンダーテクニークのレッスンに行ったほうがよいと思うのですが、しばらくその時間もとれそうになく、とにかく迷いが深まるばかりなのでメールしてしまいました。

本日、プロのサックスの方の「重心を下げる」というお話、今まさにレッスンで言われていることで実践しようと思っていただけに衝撃でした。

先生から高音のピッチが高いので、「重心を下げて」と何度も言われます。確かに意識すれば下がるので、実践していこうと思っていたのです。

私の場合は、先生に重心を下げてと言われたところで、ブログのプロの奏者の方のように別にどこかが苦しくなったり吹きにくくなったりはしないのです。ピッチも落ち着くし、いいなあ、と思っていたのでブログを拝見し本当に悩みました。

高音のピッチが上がりすぎてしまうことが悩みの種だったので、ピッチコントロールの良い先生につこうと思い、今の先生の所へレッスンに通っています。そもそも重心を下げてと言われても息は上へあげているので、別にそんなにやっているわけではないかもしれません。

どうしたらよいのでしょうか。何が正解かわからなくなってしまいました。

お忙しい中大変恐縮ですが、ご返信お待ちしております。

【回答】

こんばんは。

うまくいくことは、うまくいくうちは、しっくりくるなら、何でもOK!

これが大原則です。

ですので、重心を下げる意識が音程や吹きやすさの改善につながっている実感があるのなら、
どこかの誰かが書いた「言葉」なんて、気にしなくて大丈夫です。

自分がうまくいくのが最最最最優先です。

もしあえて解説をするとすれば、

「重心を下げる」というときに、

「身体の重心を下げる」

つもりでいるか

「音の重心を下げる」

つもりでいるか

でかなりちがいがあるでしょう。

後者は、音をイメージしていますから、実質的により音程が落ち着いた音の具体的なイメージをにつながっており、また高い音は身体のより高い場所で、低い音は身体のより低い場所で響いている傾向がある故、身体のより低い場所での振動がよりちゃんと得られるような方向性になっていると考えられます。

問題を起こすケースがよくあるのは、前者です。

とはいえ、前者でもうまくいっていれば、それでよいのです。

ひとによっては、「重心を下げる」という言葉のもとに、「身体のより低い場所も意識する」ことをやっていて、股関節や骨盤を意識に含めることにつながっている(良い意味で)こともあります。

参考になれば幸いです。

【お返事】

お忙しい中、ご返信くださり本当にありがとうございます。

非常にすっきりしました。

昨日のブログの中で書かれていた身体の重心を下げることが、音の重心を下げるということとは別のものとして捉えられる、というご説明、納得しました。そうであると思います。

また、うまく行っているうちはこれで続けてもいい!なんて素敵ですね。その言葉を支えにまたがんばろうと思います。

本当に救われた心地になりました。

ありがとうございました。

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