8/11-8/14 山下浩生先生のトロンボーン合宿に講師として参加して参りました。気付けば10年連続10回目。ここ数年は、まだまとまってない内容をテストレクチャーすることをやらしてもらっていて、過去には『金管楽器の上達練習設計法』などがここから生まれました。
今年は『レッスンのやり方〜生徒と先生、それぞれの侵されえぬ自由・権利・責任の対象としての”身体と時間”〜』というテーマでレクチャーしました。
自由主義と個人主義を音楽のレッスンの基層にいかに組み込むか、という問題意識がこの1年で明確になり、その表現の初めての機会となりました。
また、たくさんの個人レッスンも合宿中に行うことができました。短期間で複数回レッスンを受けてもらうことの効果の高さを実感しました。
更に、金管に限らず管楽器を吹く人のなかには『口元の揺れ・震え』に悩まされる方が相当数いらっしゃいます。近頃これが「姿勢を保つ筋肉の使わなさすぎ」から来ているらしき場合があることに気が付き、姿勢関係の筋肉をウォームアップし使うようにすれば改善する実例にいくつか行き当たっていました。
合宿でも何ケースかこのパターンがあり、ではなぜ姿勢筋を使わなくなるのか?という有力な原因候補として『吐く息に対し楽器やアンブシュアからの抵抗が無い想定で吹いている。したがって息の圧力もゼロ抵抗に合わせた少なめのものになっている』ことが浮上し、その仮説から「抵抗に対して吐く・支える」がわかった途端に揺れが劇的に改善したケースがありました。
他にも貴重な気付きがいくつもあり、実地臨床経験とでもいいますか、目の前の実難問に取り組むことの積み重ねのもたらす思考の拡大と整理は、何物にも代えがたいものですね。
三日間有難うございました。
BasilKritzer