【音の幅・音の高さ】

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シャープの多いフレーズを、『音の幅が取りにくい』と言って吹きづらそうにしていた生徒さん。

その言葉を聞いて「シャープをとって吹いてみて」と提案。いったんシャープなしで吹き、そのあとシャープ付きで吹いたらすんなり吹けた。




でも、これちょっと変ですよね?
だってシャープの有無で音の幅は変わるから。

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別の箇所。

短三度

長三度

完全四度

というところ。ここはさらに幅は取りにくいはず。

ここで、その4音の並びから、ランダムに単音を指定して吹いてみてもらうと、すんなり吹けている。シャープの音も高い音も。・・・シャープの有無は問題じゃない??

単音ですんなり吹けるのに、音の並びになると急に様子が変わり吹きにくくなるのは何故だ?

単音のとき、その単音を具体的に音名としても狙っている。もしかして、『音の幅』の意識に、そもそも幅を構成する二音のそれぞれの音の狙いが無いということか?

そこで、4音の並びを、この音の次はこの音、というように「時系列交代制」で考えてみてもらったら、途端にバッチリ吹けた!

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幅を意識するのは、音の高さを探る手段にはなるが、そうして探り見つけた音の高さこそが狙うものだ。しかし、探る補助である幅感覚は、その幅感覚そのものを狙ったり再現したりしようとしていた、そこが実は戦略ミスだったということかもしれない。

この生徒さんとはこれまで二桁回数レッスンしていたが、目の前の演奏会に向けて緊張対策や出ない音を出すなどの「お助けレッスン」的なものだった。

しかし今日は1年定期継続コースの初回で、さらい始め曲をお持ちになり、さらい方そのものから話が始まったことが、これまでのレッスンで私も奏法的・物理的な解釈を主にしていた「吹きにくさ」が、実はイメージ・ソルフェージュ・狙い方の戦略ミスの反映であることの気付きにつながった。それを修正したらほんとにおおちがいだった。

この瞬間、多くのひとが同じような特徴的な吹きにくい様子でいるのを見てきた記憶があることに気付いた。今後、この音幅取り問題の可能性をより早期に検討してみるという新たな手を得た思いだ。

非常に勉強になった!

Basil Kritzer

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