練習は一日何時間やればいいの?

昨日もご質問下さった、中学生ホルン吹きの M さんより質問を頂きました。

【質問】

いま夏休みなのでたくさん時間があり、毎日4・5時間吹いています。

音楽高校を目指すために毎日練習に励んでいますが、プロの方は一般的に何時間ぐらい吹いていますか?

【回答】

練習時間は、ほんとうに人それぞれです。

例1:

昔、ドイツのオケに在籍し、音大でも教えていたある先生は、

「自分のための練習は1日1時間」

だったそうです。

ホルンの演奏技術を組み上げ、維持し、発展させることに絞るとそれぐらいだと。

オーケストラの譜面などは、「さらう」のではなく、「読んで、理解して、心の中で音楽を作っていく」ことをやっていたみたいです。

彼は教師としても非常にシャープで優れていたそうです。

例2:

いま日本の有名なオーケストラに在籍されているある方は、学生時代1日15時間吹いていたこともあったそうです。

例3:

ベルリンフィル首席のシュテファン・ドールさん。彼について聞いた話(なのでどこまで実話か知りませんが)です。10代でプロのオーケストラに入ったところ、仕事がキツくて唇のスタミナが持たなかったと。そこで、もっともっとずっと吹いてられるスタミナ作り、奏法作りに取り組んだらしいです。

意識したことは、「唇の疲れ 20% : お腹の疲れ 80%」らしいです。

そんな彼はいまでは、一日中練習していることがあるらしいです。

それでもバテきらずに吹いていられるし、また時間さえあれば吹いているのが好きらしいです。

例4:

わたしの場合は、音大最初の1年は5〜6時間でした。
しかしそれで身体を痛め、全く吹けなくなりました。

でもホルンを吹く事をあきらめたくなかったので、身体が痛くならない吹き方で練習をすることを模索しました。

最初は、身体が痛くならない吹き方が維持できるのは1日わずか5分でした。
そこから段々伸びていって、

音大2年目 1日 20分
音大3年目 1日 40分
音大4年目 1日 1時間半
音大5年目 1日 2時間

卒業後 2年目まで 1日3時間
卒業後 5年(いま) 1日4〜5時間

身体が痛くならずに楽器を吹いていられます。

しかし、

「うまくなる時間」「自分が伸びる自分のための練習の時間」
(つまり、ただ課題をさらう時間やオーケストラのリハーサルやコンサート時間を除く)

になると、いまでも1日30分〜1時間といったところです。

わたし自身はホルン奏者としてすごいキャリアを歩んだわけではありませんが、
それでもちゃんと音大の卒業リサイタルができたし、ホルンを演奏する基礎は一通り身につけられました。

そしていまでも演奏技術は向上していっています。

まとめ

音楽高校に入るには〜、音大に入るには〜、プロになるには〜…. という「〜のためには何時間吹かなきゃいけない」「〜時間吹いたら〜になれる」という考え方はあまり役に立ちません。

大事なのは、

自分は自分の時間と生き方をどんなことに使いたいか

ですね。

もしホルンを吹いているのが人生でいちばん楽しくて大事なことなら、どんどんそのために時間を使いましょう。

しかしもし、人生にもっと大事なことや好きなことがあれば、それを犠牲にしてはいけません。

それを大事にする事でたとえば「1日3時間の練習」ができなくても、大丈夫です。

そして、うまくなるためには

・自分で考える
・自分で考えて導きだした答えを、信頼し大切にする

ことが最短距離です。

練習時間ではありません。

参考になれば幸いです。


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