【ホルン奏法のエッセンス】

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最近、『大人になってから、管楽器が完全に未経験の状態でホルを始める』という方がレッスンな通い始めて下さっています。

完全に初心者の方をレッスンするという機会は10年以上に亘るレッスン経験のなかでも稀ですが、この方の場合は、まったく他分野の音楽のプロでした。

なので、読譜・音感などの『音楽の基礎』は一切教える必要がなく、本当に【ホルンの吹き方だけ】をイチからまっさらな状態から教えるという状況で、『どうやったらホルンが吹けるようになっていけるか』を純粋に突き詰める状況は初めてかもしれません。

最初にホルンの仕組みの説明を、ナチュラルホルンの集合体と言えるのではないかという観点からして、その論理から『どんな管があって、それぞれどんな音が出せるのか』を書いていきました。同じ発想の運指表が下記ツイートが分かりやすいです。

Bb 0 Bb管
Bb 2 A管


Bb1,2,3 E管
F 0 F管
F 2 E管


F1,2,3 H(B♮)管

ということですね。

でひとまずは第3倍音から第12倍音まで書き出し、倍数毎にオクターブになっていることなど。ここはとても簡単な数学的な面白さを混じえて。

だいたいなんとなく、「あ〜ホルンってそうなってるのね!」というイメージが得られたら、

『じゃあ、実際に音を出してみよう!書いてある音がほんとに出るのか確かめてみよう!』

という流れで奏法へと進んでいくわけです。

金管初体験の場面はこうしています。

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①マウスピースを楽器に付けて、吹いてみる
→音が出たら続行。

②出なかったらマウスピースで音を出してみる
→音が出たら①へ

③出なかったら、唇で『おならのマネ』をしてみる
→わずかでも唇が振動したら①へ

④出なかったら『おならマネ』ゲームを続ける
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いまのところ、誰とでも5分くらいで音がでるところまで問題なく辿り着けています。

音が出たら、

◎ちょっと大きくしたり小さくしたりしてみる

◎ほかの高さの音を出してみる

といった、音のバリエーションを生む遊びへと進みます。

そのなかで、大きく(小さく)しいけどできない、もっと高い(低い)音を出したいけどできない、というような『壁』に当たるわけですが、

そこがまさに、

【さあ、いったい具体的に何をどうしたら音の大きさや高さを変えられるだろうか?】

という問いに向き合うわけです。

完全に初心者の方とのレッスンでこの問いに向き合うと、

そこには相手に何らかの経験や相手とのなんとなくの共通言語やイメージが無いわけで、ふだん教えている内容や使う言葉、言い表し方を全部問い直し試し直し選び直す感覚になるというのがとても新鮮です。

イメージ、感覚、メンタル、コンセプトなどふだんのレッスンで相手の上達や問題解決の鍵となることもあることがほとんど関係なくて、より純粋に『ホルン演奏の物理』を見て、その物理が働くポイントや方法を見出したり考案したりする必要を感じます。

これが、非常にレッスン力トレーニングになる感じがします。

この初心者の方とのレッスンでは、いまのところ、

◎息の吐き加減を変えることが音の高さの変化に必須

◎マウスピースを歯や骨に対してしっかり押しあてているほうが、それが緩いよりはるかに吹きやすい

◎それぞれの音が出やすいようなマウスピースの位置が音ごとにあり、音ごとに少しづつ異なる

ことがはっきりしてきました。

これからどんなことが、【ホルン演奏の物理】の観察と検証から見えてきて、実用的なものとして奏法を構成していくことになるのか。より曇りなく見ることを意識しながら取り組むのが楽しみです!

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